前回の続きである。
一般論として、好きなことをしていると時間が経つのを忘れてしまいがちなのですが…?
クロフォード公園で古い国鉄型車両を撮影して満悦感に浸りながら、再び三笠公民館から16時29分の路線バスに乗り、今宵のお宿のある札幌に戻ることにしました。
ところが…
なな何と言うことか!
ああ無情! ああ悲惨!
レ・ミゼラブル! ジャンヴァルジャン! ヴィクトル・ユーゴ作…
ほんのタッチの差で、予定していた路線バスに乗り遅れてしまったのです!
下手こいた~~~~!
助けてパパ~ヤ~!
もうね、上のどの言葉も当てはまるんですけどね…?
ここでバスを逃してしまうという痛恨のミスをしてしまいましたが、実は公園まで徒歩10分というのは合っていたものの、国鉄型車両は更にその一番奥に鎮座していましたので、そこまでの移動距離5分を見落としてしまったのです!
かのテレビ大阪(テレビ東京)で放映している ローカル路線バス乗り継ぎの旅 という番組はよく拝見しているのですがね…
太川陽介さん率いる一行が、タッチの差でバスに乗り遅れるシーンなんかもあって、いつもハラハラドキドキの道中なのですが、まさか自分がそれと同じ体験をしようとは思いもよらなかったですよ、ルイルイ!
さて、こちらは三笠市の中心部に位置しているとはいえ、人通りが全く途絶えたバス停の時刻表を見てみますと、次のバスは2時間半待ちの18時59分で岩見沢19時37分着…
JR岩見沢20時00分発の特急カムイに乗車したとしても、札幌のお宿にはどう考えても21時頃にしか到着できないのです!
となると、子供さんを預かっている手前、奥様から大ブーイングが出ること必至なのですが、ここで偶然にも 蜘蛛の糸 が突然降りてきたのでした。
人通りの全くない公民館の片隅に、なな何と一台の客待ちしているタクシーを発見しましたので、思わず駆け寄って飛び乗りました!
息も絶え絶えに飛び乗って来た私達を見て、ドライバーさんは少し面食らっていましたが、 「3分前に出たバスに乗り遅れたので、岩見沢駅まで急いでください…」 と告げると、 神風タクシー のごとく勢いよくスタートしてくれました。
失礼ながら、ドライバーさんは少々ご高齢とお見受けしましたが、それでもやる気満々のようでして、 私が出来れば17時05分発の列車に乗りたいと希望しますと、「ほなら岩見沢駅に17時までに着けたるで~」 と言ゆや否や…
完全に映画バックトゥザフューチャー1の最後らへんに出てくる 悪友ニードルス のように、クイックなアクセルワークとハンドリングをご披露いただきました!
ところで、聞けば地元出身のドライバーさんのようで、繁栄を極めていた頃のお話しを懐かしそうに話されていましたが、いかんせん積雪が多い地域ゆえ企業を誘致するのも難しく、もうどうにもならないジリ貧の街の状況を淡々と語っておられました。
先の給付金で有名になった 阿武町 と同じく、地方の集落といえばほぼ非課税の世帯ばかりという現状は、賑わいを見せる大都市部に住む私達にとっては他人事のようですが…
暗澹たる灰色の空の下に映る、主を失った累々たる屍のような廃墟な家々と、両側が雑草に覆われた一本道をひたすら走っていますと、あたかもこの国の未来を暗示しているようにも感じてしまいました。
ところで、路線バスというのは各々の集落を縫ったり、はたまたショッピングモールを経由したりと、結構大回りのルートを辿るので、行きは36分かかっていた道中なのですが、そこはタクシーゆえ ショートカット したり、はたまた住宅地の狭路へ突入したりしたことで、岩見沢には乗り遅れたバスの到着時刻17時07分より早い、16時55分に着いてしまいました!
※私達が乗って来た「北交ハイヤー」を見送りました。 ありがとうございます!
まあ、バスに比べて少しは出費がかさみましたが、そこは 値はタダ取らない のであって、こうなりますと本来乗れなかった17時05分の普通列車に悠々と間に合うので、まさに 人間万事塞翁が馬 (にんげん ばんじ さいおうが うま) を地で行ったと言えるでしょう。
さて、谷底に落とされて悶々としていた気分も一転して晴れ、意気揚々と札幌方面の普通列車に乗車したのですが、こちらは 快速エアポート と同じ編成を使っているようで、中ほどには Uシート という特別車両を繋いでいました。
東京で言うところの JRのグリーン車 、大阪で言うところの新快速の Aシート 、南海で言うところの サザン指定席 のような感じで、本来快速で使用される場合は、別途840円が必要な車両なのです。
ですが、車内放送では「全車自由席…」と告げていましたので、これは えらいこっちゃで! 乗らんと損やんけ! と大阪人丸出しのセコイ気質が出てしまい、脱兎のごとく中ほどのUシートへ移動しました。
シートはゆったりフカフカでリクライニングするし…
また、床が二重構造なのかどうなのか、遮音も高いレベルで達成できていましたので、ほぼ特急列車の普通車並みのクオリティーを堪能し、ほどなく札幌駅に到着しました。
さて、今回の旅行はいかんせん寒い懐具合が影響したことと、いわゆる 完全個人オリジナルツアー ですので、団体ツアーと比較しますと当然割高になってしまいますから、要は削れるところは削るというコンセプトで計画しました。
ですから、今宵のお宿は単に寝るだけの カプセルホテル をチョイスした訳なのですが、それでも奥様と子供さんを含めた3人で 簡易個室 のような部屋に入れましたので、そこそこ快適に過ごせてお一人様約3000円也。
加えて、グルメな旅でもありませんから、宿の斜向かいにある 札幌三越 の地階で弁当を購入し、フロントバックのフリースペースで食事を楽しみまして…
大浴場もありますので、ゆるりと足を延ばして本日の疲れをとることが出来ました。
さて、身体も心も落ち着いたことですし、すぐ近隣にある すすきの まで歩いてみることにしましたが、ご存知こちらは北海道イチの歓楽街でもあるのです!
もちろん「お上りさん」よろしく、定番の ニッカウヰスキー の看板の前まで出向いてみましたが、第七波のコロナ禍とはいえ、地元民やら観光客らのすごい人混みに閉口してしまいました。
また、雨を避けるために商店街にも入ってみましたが、餃子の王将に吉野家なんかもあって、 ここは大阪かいなぁ~? と一瞬錯覚してしまいましたが、他方観光地ゆえ土産物屋さんなんかも点在していまして、関西で言うところの 京都 に似た雰囲気がしましたね!
と言うことで、北海道に上陸した初日の2022年9月23日は、てんやわんやの道中でヒヤリとしたこともままありましたが、万歩計を見てみますとほぼ30000歩と記されてされていますので、当然バタンキューと深い眠りに就きました…。
つづく