突然の訃報と言うものは、こういうものなんですかね?
過日2022年7月8日、現場作業のお昼休みに 安倍晋三氏が倒れた とのニュースが飛び込んできたのですが、ご承知のように奈良県の大和西大寺駅前で、参議院選挙の応援演説中に狙撃され、他界されました。
それにしても、一国の総理を長期に勤めあげた偉人たる方が、何の前触れも無く一瞬で命を奪われた事実は悲しみを通り越していて、 さぞかし無念であっただろう? という安倍氏の気持ちを鎮魂するため、兎にも角にも居ても立っても居られず、昨日の日曜日に 献花 に赴きました。
実は、土曜日の夕方に親戚の奥様から連絡があり、同じく献花に訪れたいと申し出がありまして、失礼ながらこれが東京や九州であるのなら棄権をしていましたが、奈良なら1時間少しなので、私と共に同行することにしました…。
ただ、事前の情報によりますと、献花には長蛇の列が出来ていて、待ち時間も半端ないとありましたから、並ぶのも待つのも大嫌いな性分なので、いつものように皆が動く前の早朝から行動を開始する、いわゆる アウトレンジ戦法 で大和西大寺を目指しました!
2022年7月10日、朝4時起床!
最寄りの地下鉄駅まで歩みを進めますが、昨夜からの雨はほぼ止んでいました…
某駅から始発の5時05分発に乗車。
難波で近鉄に乗り換え…
普通奈良行きの客となり…
大和西大寺駅には6時38分に到着しました。
実は、安倍氏が狙撃された場所は駅の北側出口を出てすぐの所でして、改札を出て1分も歩かないうちに 献花台 が見えてきました。
時間が時間だけに、読み通りにほぼ人影は無かったため、まことにスムーズに献花させて頂き、しばし黙祷を捧げましたが、安倍氏の功績の偉大さに加え、一言すら発することなく一瞬であっけなかったであろう最期の瞬間に思いを馳せる時、図らずもハラハラと涙が溢れてきたのです!
奥様のご意向で、生前の安倍氏のイメージに近い 向日葵を献花 し、安倍氏が最期を遂げた場所に移動して、再び黙祷を捧げます…
ところで、すでに多く報道されている場所なのですが、こうして現地に立って辺りを見てみますと、 犯人が近づきやすかった盲点 のようなものが見えてきました。
(※あくまで素人考えです/以下、刺激的な内容を含みますで、判断してご覧ください。)
安倍氏は、上の画像の左側を向いて演説をしていて、要はガードレールに囲まれた安全地帯の中での事件であって、犯人はその背後から銃撃したのですが、位置関係はこんな感じです。
※Googleより拝借/安倍氏が赤印/犯人の動線が青印
素人考えながら犯人の心理を推測しますと、演説当時は上の画像に写る男性が通る横断歩道は解放されていまして、誰でも通ることが出来ました!
がしかし…
SPを含めた警察官らがほぼ全て正面を向いているため、恐らくこの横断歩道で立ち止まって銃を構えようものなら、すぐさま抑止されたでしょうし、聴衆に紛れたとしても、さらに射程が遠すぎて当たらなかったと考えたのでしょう…?
ですから、 犯人は反対側に移動したのです!
これは安倍氏の演説開始直後の様子ですが、地図でいう所のこの位置に犯人は立っていて、虎視眈々とそのチャンスを狙っていたのでした!
背後に見えるのは駅前のバスロータリーで、当日も早朝にも関わらず警備員の方がバスを誘導しておりまして、信号機の無い交差点ですから、バスの出入り時は笛を吹いて道路の車の流れを遮断して誘導していました。
次に、犯人が移動したと思われる動線は、道路交通法上は人や自転車は通ることの出来ない 通行禁止箇所 であって、本来ならば三角形の二辺を通るように大きく迂回しなければならないのです。
すなわち、俯瞰図でいう所の人や自転車は 青線を通るように誘導 されていますからから、本来であれば演説中の安倍氏の背後には、通過する車以外は入れないという警護側の憶測があって、これが基で 背後は安心=警備が手薄でも良い という図式で動いたのではないでしょうか?
がしかし、通行人や自転車は何も道路交通法を守る者ばかりでは無く、はたまた全員が電車に乗るべく駅へ向かうでも無いので、単なる通行人であれば上の画像の 赤線部分 をショートカットして渡る者も多いのです!
つまり、実際には献花の当日も大半の方が悠々と横断していましたし、取り押さえられた犯人の横を、これまた当たり前のように オイチャンが乗る自転車 が堂々とショートカットして通過していますので、地元ではこれが当たり前の日常なのでしょう!
加えて、バスの誘導員も本来の業務では無いので、バスが出入りする時だけは注意して通行人らを制止するものの、それ以外は知らん顔でした。
安倍氏の演説は長くても10分位でしょう…
ですから、10分の間でバスの出入りがない わずかな隙を突き、普通にショートカットする地元民のふりをしてヨロヨロと歩いていても、いや例え途中で一瞬立ち止まったとしても、バスさえ来なければ誘導員はおろか誰にも注目されなのです。
ただし、ここで 犯人にとって大きな問題が発生しました!
下の画像をご覧ください…
ショートカットしている通行人のふりをして、安倍氏の背後に出ようとすれば、上の赤線で印したガドレールの最初の切れ目から車道に降りる必要がありました。
しかし、これは道路をショートカットする人のための開口では無くて、②番のりばから発車する 「押熊行き」バスの乗車口 だったのです!
ですから、もしも発車前のバスがこの場所に停車していたのなら、犯人はその開口部から車道へ出られなくなりますし、もしも強引に突破してバスの側面に回ったとすれば、それこそバス誘導員に制止されてしまい、犯行そのものが困難になるという状況に陥るのです。
もう一度、バス停を横から拡大してみましょう!
画像に写る小さな椅子は、恐らくバス誘導員の方のもので、バスの出入りが無いときはここで座って休憩しているのでしょう?
そして、ここで再度安倍氏の演説開始直後の画像を見てみますと…?
ちょうどガードレールの最初の開口部に「押熊行き」のバスが停車しているだけでなく、少し見えづらいのですが誘導員の方がその後ろに座っていて、 開口部からショートカットする通行人をブロック しているのがお分かりいただけると思います!
※ブロックするための椅子?
用意周到に準備し、丹念に下見までしたにもかかわらず、ここへ来て「押熊行き」のバスにブロックされ、車道に降りれない現状を知った犯人は、その後の凶行を諦めれば良かったのですが…?
犯人は冷静でした!
いや、その一枚も二枚も上を行く強者だったのです!
まあ、このことも全て想定内だったのでしょうが、当該「押熊行き」のバス 発車時刻は11時29分 ですので、逆に言いますと演説中のチャンスはたった1回しか無かったのです!
すなわち、バスがドアを閉めて半周してロータリーを出た 11時30分 、バス誘導員の監視も全く無い状態になった時を見計らい、悠々と車道に降り、通行人のふりをしながら近づいて犯行に及んだと推理できるのです!
ですから、一人のSPに加えて警察官を何十人集めたとしても、屁の突っ張りにもならない力量の差が、この襲撃の直前にはは既に出来ていたと思うのです…?
おまけに、犯人は隣駅が生活圏ですから、地の利にとっては犯人の方が有利ですし、実際に安倍氏を含めた選挙の演説場所が、いつもこの場所で行われているとするのなら、この 通行人を装って背後から襲撃する方法 が一番有効だと結論付けたのでしょう!
決して必然では無くて、偶然の上に偶然が重なり合った数秒の隙を突き、なおかつ一発目でひるまずにすぐさま2発目を発射出来た結果は、相当量の練習と精神的な図太さと緻密な計画の上にこそ成し得たのでしょうが、決してこれは賛美に値するものでは無いのです!
それにしても、60年近く人間をやっていて、他人さんのために献花に赴くのは最初の事で、私事ながら恐らく最後でもある気がするのです?
もちろん、安倍晋三氏と個人的に交友があった訳でも無く、ましてや モリカケ問題 をはじめとして、あまり良く思っていなかった方も大勢いらっしゃるでしょう…
私の世代のお話しになるのですが、幼少期は佐藤栄作氏に田中角栄氏、青年期には中曽根康弘氏という、いわば長期政権を全うされた代表的な首相が多くいらっしゃいます。
そして、誠に失礼と前置きするのなら、 第一次安倍内閣 の時は、見た目も含めてド素人感満載に加え、ボンボンゆえの頼りなさ臭がプンプンしていて、はっきり申し上げて好印象には映らなかったのです!
しかし、第二次からはご尊顔に風格が出てきたと申しましょうか、その中でも個人的に特筆すべきは、自身が生まれる前の先の大戦を深く痛み、 硫黄島の遺骨収集に尽力 されるだけでなく…
自らの乗った飛行機が降り立った滑走路の下にも、 わが国のために懺悔された英霊が眠っている ことから、「踏みつけて申し訳ありません…」と、これに深く土下座して許しを請う姿を見ますと…
色々言われているけれど、安倍氏の結構根っこの部分は 弱者に寄り添う優しい心の持ち主 だったんじゃないかと思うのです。
ですから、失礼ながら同じ土下座でも韓国に行って土下座した鳩ポッポを含め菅や野田…
はたまた、現職の岸田総理をはじめ、菅や森や小泉らが同じ事件に同じ場所で巻き込まれたとしても、決して私は献花には赴かなかったでしょう!
だからこそ、今を生きる私達の中で安倍氏は 偉大な総理 であったし、共に同じ時代を歩んだ総理であったし、多くの国民に愛された総理だったのに、何故あのようなクズ野郎に一瞬にして命を絶たれかと思うと、私を含めた国民として悔やんでも悔やみきれないほど無念でならないのです!
最初の銃声後に、すぐにしゃがんでいたのなら致命傷にまでは至らなかったのでしょうが、もしもそのことで聴衆の何人かが被害に合ってしまうのなら、自らが人柱になって本望だと今頃思われているかも知れませんね…?
大阪では止んでいた雨が帰路の前に再び降り出しましたが、現地に降る大粒の雨は、安倍氏の旅立を悔やむ涙雨のようにも見えました…。
合掌