学生の頃…
社会科の授業で 地図帳 を見る時間があって、その地図帳には様々な記号がありましたが、皆さんはこの赤丸で示した記号は、何を意味するかお解りでろうか…?
少し見づらいのてだ拡大してみますと…?
どうでしょうか?
まあ、答え合わせは後程と言うことにしまして、このブログに度々登場する親戚の子供さんは、今春より京都の某国立大学に通われているのですが、先日手土産を持参して我が家に訪問してきました。
で…
京都土産と言えば 生八つ橋 か何かかと思いきや、小さな虫かごを手渡されまして、よくよく見てみますと中には カイコの幼虫 がクネクネと動いていました!
どっひぇぇぇぇ~~~~~!
今は一部の小学校などで、いわゆるカイコを育てていたりするようですが、実は私にとっては初見だったものの、子供さんの通う大学は元々が 京都高等蚕業(さんぎょう)学校 だったことから今もカイコを育てているそうで、許可を頂いておすそ分けに預かった次第でした。
さて、少し話しは反れますが…
我ら鉄道好きの間で カイコ と言えば、かの近鉄初代ビスタカー10000系の造形が似ていることから「カイコ」の俗称がありますし…
ご同輩の間でカイコと言えば、かの有名な ゴジラ対モスラ とちゃいますかね?
ぶっちゃけた話し、このカイコを見た瞬間、思わず 「モスラ~やっ! モスラ~!」 て口ずさんでしまった世代ですが、
ザ・ピーナッツとは懐かしいですな、兄貴よ!
さて、我が家にやってきたカイコの幼虫は、ほどなく繭に包まりサナギになってしまいましたが…
歴史を紐解いてみますと、元々は野生の 蛾 を人間が飼いならして家畜化したもので、要は良質な生糸が獲れる繭を人間が欲して出来上がったため、人間の手でしか繁殖出来ない唯一の生き物だそうです!
すなわち、幼虫も脚力が無いので木に止まれないし、自ら移動して捕食することは絶対に不可能で、成虫になったとしてもそもそも口すら備わっておらず、飲み食いすることなく数日であの世へ旅立つようです。
ただ、明治維新を迎えた我が国は、このカイコを増殖させることで大量の 生糸 の生産が可能となり、これを輸出することで外貨を稼いで近代国家の仲間入りを果たしたのです。
表現が少し荒くなるのですが、男と女が夫婦になったとしても、今のように24時間やっているコンビニも無いしスマホもYouTubeも無かった時代ですから、要は夜な夜なすることと言えば チョメチョメ しか無かった時代が長く続いていました…。
ですから、当然の流れで子供がバンバン産まれたんだけれど、多くの民の所得が今よりもずっと低かったし、そもそも地方の寒村ではたくさんの子供を育てるのに、満足に食べ物すらありませんでした。
他方、都会では裕福だったと思うが否や、同じく食べ物にもことかく有様で、 残飯屋 という商売がまかり通っていた時代でしたし、 貧民窟(ひんみんくつ) という地域もたくさんありました。
※料亭や食堂などの残飯を回収して、それを再び分別して庶民に再度販売する商売でした。
ですから、要は 口減らし というやり方で、子供たちが小学校高学年くらいの年頃になりますと、男子は丁稚奉公に、女子はくだんの生糸をとる 女工さん に出されたり…
はたまた、 ドラマ「おしん」 や名曲 「竹田の子守歌」 に見られるように、10歳前後の女の子たちが、同じく口減らしのために富裕層家族の赤ちゃんの子守り奉公に出されることが常だった時代でしたが、彼らこそが鎖国で遅れをとっていたわが国を導き、近代国家へとのし上げた縁の下の力持ちだったのです。
かの名作、 映画 あゝ野麦峠 でも描かれていましたが、劣悪な環境の中で、カイコの繭から生糸を紡ぐ女工さんの汗の結晶で国家は外貨を稼ぎ、それを基にして 富国強兵 の道をひた走り、後に大戦へと突き進むのです。
さて、本来ならサナギが居る状態で繭を熱湯に浸けて生糸を紡ぐのですが、流石に殺生はしたくないので、サナギを取り出して生糸紡ぎに挑戦しましたが…
まあ、上手くは行かなかったけれど、四苦八苦しながらでも何とか数メートルの生糸を取ることが出来ましたね!
そして、繭から出したサナギをティッシュペーパーで包んでいますと、数日後にふ化して成虫になりました。
リアルモスラの出現ですね!
ただ、運よくツガイでふ化したため、いわゆめチョメチョメしたために大量の卵が出来てしまい、現在我が家にそれがあるんです!
で、冒頭にあった地図記号の答え合わせは、 桑畑の記号 だったのですが、実は幼虫を育てるのには新鮮な 桑の葉 が必要なんだけれど…?
近年蚕業が衰退してしまったため、大阪府下の地図をなめるように見てこの記号探し当て、現地へ馳せ参じて葉を分けて頂こうと画策しているのです!
ちなみに、令和徳仁天皇におかれましては、わが国の農耕文化の中心でもある稲作を大切にとの思いから田植えを…
皇后雅子さまにおかれましては、近代日本の礎をつくった養蚕業(ようさんぎょう)の伝統を絶やさないため、カイコに桑の葉を与える行事が今も続き、現在は愛子さまにも引き継がれています。
数日間ですが、カイコを飼ってみて色んなことを学びました。