世の中には、一見では本物と錯覚してしまいそうな ニセモノ やダミーで溢れかえっている…。

 

ミッキーのニセモノに…

 

        

 

ダミーカメラ…

 

      

 

ただ、滑稽で笑い飛ばせるのらまだ良いとしても、笑うに笑えない事件が過去にあったのをご存知だろうか…?

 

 

 

そう!

お題の 大阪ニセ夜間金庫事件 である。

 

 

 

 

時は1973年の2月…

 

場所は、大阪北区梅田にある当時の三和銀行だった。

 

※1980年頃の三和銀行のキャラクターは、「ワンサくん」という豆知識。

 

      

 

 

で…

今でもある夜間金庫を、犯人らはそっくりそのままダミーで製作し、その中に溜まった現金をごっそり頂く計画であった。

 

 

 

そしてそして、彼らの計画はこうだ!

 

元々ある本物の夜間金庫の前に、このような張り紙をしたのである。。


「御利用のお客様へ
鍵の接損事故に困り投入口開閉不能となりましたのでで、誠に御足労ですが、当銀行専用通用口の仮金庫迄御廻り下さい。        三和銀行」



さて、その日の営業を終えて、その売上金を持ってきた店主らは、この張り紙にある地図を頼りに、仮設の夜間金庫のある場所へと向かったのだが…

      

巧妙な作りであった!

素人… いや、プロでもニセモノと見紛うような作りであって、何の疑いも無く次々と現金が放り込まれていった…。



がしかしだ!
あろうことか、予想以上に売上金が多かったので、ベニヤ板で作られたニセモノは、その加重に耐えられずに崩壊してしまったのである。


     

詳しいことは分からないけれど、要は通用口などの開口スペースの前にベニヤ板を設置しただけのもので、すばやく回収するための妙案だったのかも知れないが、崩壊したために警備員が駆けつけて未遂に終わってしまった。



ただ、一見間抜けに見えるこの事件も、犯人らは用意周到に計画を練っていて、その製作技術はプロ級の仕業であっとと言う…。

まず、ニセ金庫をすっぽりと設置できるよう、事前に念入りな採寸がされていたようで、

      

おまけに、畳一枚以上もあるベニヤ板を簡単に運べるように分割で製作して、短時間で組み立てれるように工夫されていたのだ!

加えて、ベニヤ板にステンレスの板を貼り、現金を投入する開口部も絶妙に作られていたので、まず最初に捜査のターゲットとなったのは、これらの製作に精通している 大工さん であった。

      

 

そして、夜間金庫という看板の文字や張り紙など…

 

当時はパソコンやプリンター、ましてやカッティングシールも無い時代だったので、もっぱら手書きが本職の 看板屋 も捜査の対象となったのである。

 

 

      

 

すなわち、当時はバリバリの 看板屋だった父 も捜査の対象となり、当日のアリバイを含めて何度か我が家に刑事さんが訪問してこられたのを、幼心にはっきりと覚えている。

 

とまあ、間抜けは間抜けな事件だったけれど、発想とその製作技術は卓越したものがあっただけに、その犯人らも違った場所でそれを発揮できたのなら、さぞかし儲かっていたのかも知れない…?