ブランコにスベリ台…

 

各々の町内などにある普通の公園に比し、 交通公園 という名の公園があるのをご存知だろうか?

 

その昔…

昭和30年代からはじまった モータリゼーション は、一気に自動車保有台数が増えたため、街中の細い路地まで自動車が入り込むようになったので、それまでの平穏な暮らしが破壊されてしまった。

 

 

加えて交通事故が頻発したことから、せめて幼い命を事故から守る目的で、子供たちが 楽しみながら交通ルールを身に付ける ことを目的に、いわゆる 交通公園 が全国に出来だしたのが昭和40年代でしたが、その数は年々減少傾向にあるようです。

 

 

 

さて、そんな中で大阪府は、浜寺公園に 交通遊園 を併設し、見て聞いて楽しみながらルールーを学べる施設が今も健在です!

 

遊園地のそれとは違い、本格的な周遊鉄道を筆頭に…

 

 

現役を引退した、実物の路面電車…

 

 

常時ではありませんが、交通指導教室も無料で開催されているようです。

 

 

で、園内には自動車が通らない交差点があって…

 

 

信号機なども見やすいように、子供さんの目線に合わせて低く作られていますので、安心してルールを学べるのです。

 

 

 

ルールのお勉強中でしょうかね?

ほほえましい光景ですね(笑)

 

 

さて、私の知る限り、もうひとつ現役の交通公園が存在していて、浜寺公園から更に南下すると、大阪臨海線「松ノ浜西交差点」に隣接する 助松公園 があるのです!

 

 

こちらは、私が小学校高学年になってから出来たと記憶しているので、昭和40年代の後半でしょうか?

 

前述の浜寺公園を更にグレードアップした設備が自慢と言いますか、泉大津市の意地とでも言いましょうか、小さな自動車教習所と見紛うばかりで、どれもが本格的なのです!

 

 

 

おっと!

これは踏切でしょうか?

 

 

立体交差の下はトンネルに…

 

 

父に連れられ、この園内を自転車で回遊した記憶が蘇りますが、あまり手を入れられていないようで、木の枝が目線まで伸びているのは残念でしたが、今も健在のようです。

 

 

 

 

そして、もうひとつ父に連れられてよく訪れたのは、貝塚市にある 水間遊園 でした。

 

すなわち、現在は貝塚市が管理する「水間公園」として健在していますが、元々は水間観音背面にある山の山頂付近を切り開いてできたのであって、元は 水間鉄道が建設した遊園地 でした。

 

 

 

かの「小林一三氏」が鉄道の沿線培養計画のひとつとして 宝塚遊園地(ファミリーランド) を成功に導いたことから、戦前の在阪大手私鉄はこぞってそれを真似ました。

 

すなわち、

近鉄が「あやめ池遊園」など

南海が「淡輪遊園」→後にみさき公園

阪和電鉄が「砂川遊園」

 

そして、かの水間鉄道もそれに刺激されたのか、終点の水間観音駅周辺をリゾート地にすべく、大胆に開発を行いました。

 

実は、この件についての記述は皆無に等しく、幼い頃に父から口伝いに聞いてはいたけれど、真相を探るべく水間鉄道の本社に問い合せてみますと、快く下記のような回答をいただきました。

 

 

 

水間遊園の全貌

 

昭和2年に着工。

総工費は15万円で、鉄道から10万円+観音から5万円を負担して完成。

 

当時はジェットコースターなどの設備は無く、簡単な遊具に サル山 を併設し、神戸市動物園から7匹のサルを譲り受ける。

 

 

(イメージ)

 

加えて、傍らに 料理旅館 一龍(いちりゅう)旅館 を建設するも、戦時下には大阪府の施設になり、後に自社経営に戻す…。

(※昭和18年という時代背景からすると、恐らく軍が強引に徴用したと推測できる。)

 

要は、終点まで水間鉄道に乗って、参拝して山上の遊園地で楽しんだ後に一泊できるスポットが、かつてはここに存在していて、そう考えると戦前の鉄道は成長産業だったと断言できるでしょう!

 

 

 

ただ、私が幼少の頃に訪れた際には、遊園地という呼び方をされておらず、いわゆる 交通公園のような使われ方 をしていて、傍らの「サル山」はあったものの、1匹のサルしか居ませんでした。(昭和45~50年頃)

 

 

 

 

あれから45年…

 

 

現在の様子です。

 

 

普通の、少し大きな公園になっていました…。

 

 

ただ、当時は外周道路にアップダウンが1箇所あって、中央には交差点と小さな信号機があって、売店もあったように記憶していますが、その痕跡は微塵も残っていません…。

 

黄昏の交通公園…

 

交通環境が大幅に整備されて歩道なども拡充したことに反し、あまり子供が外で遊ばなくなったこも一因かも知れませんが、特殊であるがゆえに維持費のかさむ 交通公園 が、少しづつ我が国から姿を消しているのかも知れませんね…?

 

 

追記

多忙にも関わらず、水間鉄道本社で質問に対応いただきました方々に感謝申し上げます。