前回の続きである。

 

羽咋駅から、15時55分発の「特急 能登かがり火8号」に乗車し、金沢駅まで戻ったのは16時半過ぎであった。

 

お次は 北陸鉄道 石川線 に乗車するため、駅前からタクシーのお世話になるのだが、これまた起点の 野町駅 の位置というと、なぜここが起点になったのか不思議と言うか誠に中途半端な場所にあるのである。

 

(赤丸/野町駅  黄ライン/タクシー乗車ルート  →/西金沢駅)

 

ところで、乗車したタクシーのドライバーさんと、一言二言会話したのだけれど…?

 

車ドライバー

「お客さん、どちらから?」

お父さん

「大阪から… JR乗り放題きっぷで来ました!」

 

 

車ドライバー

「野町に、お知り合いでも…?」

お父さん

「いや、北陸鉄道に乗りたいので…」

 

車ドライバー

「だったらお客さん、JR乗り放題きっぷで次ぎの西金沢駅まで行った方が、楽で安く済んだのに…」

お父さん

「いや、どうしても野町から乗りたいんで…」

 

車ドライバー

「はぁ…?」

お父さん

「石川線の全線に乗りたいんで…」

 

「はぁ~?」と返されても返答に困るのだけれど、ドライバーさんは何度も首をひねっていて、おっしゃることは御尤もであって、単に移動するだけなら、その方が確実に便利でタクシー代もかからないのは百も承知である。

 

けれど、鉄道好きとしては、どうしても起点から終点までの 全線に乗るのが流儀 と言うか、そもそもの北陸鉄道に対する最低限のマナーのようなものであって、そう考えると毎度バカバカしいことをしているという自覚はままある。

 

 

 

 

さて、野町駅に付いた頃には陽もどっぷりと暮れてしまったが、場末感が半端ないこの辺りでも、 映画ゼロの焦点 でのロケ地があったようだが…?

 

 

もちろん訪問してみたいのは山々だけれど、いかんせん時刻表のイジリ過ぎが原因で時間が無いので、次のお楽しみとしておこう!

 

 

 

古めかしくもドッシリとした駅舎は、かつては 北陸の雄 として、県下に路線を張巡らせていた北鉄全盛期を彷彿させるほどの貫禄があって、やはりわざわざ野町駅まで来て良かったと思った。

 

ただ、建物の大半は「バスのりば」であって、片隅の待合室には、次の列車を数人が暖をとっていた。

 

 

列車が到着する寸前まで改札をしない田舎のスタイルと言うか、駅員が寒いから事務所から出たくないのが本音のようで、こちらとしては早くホームから列車を撮りたいのだけれど、これがルールのようだから仕方ないかな…(笑)

 

 

 

さて、下車客が全て済んでから入場するスタイルのようで、すでに発車まで1分も無いので、あわただしく撮影するものの…

 

 

 

 

駅舎やホームは、昭和の香りがプンプンしていたのに反し、肝心の車両は 東急のお古 であって、何の変哲も無い通勤型電車である。

 

 

 

と、ここでブレイク?

 

かつて、「加賀一ノ宮」まで電車が通っていた頃に訪問したことがあって、当時は 名鉄グループ に属していた関係から、瀬戸線のお古などが活躍していた。

 

 

 

 

さて、陽が完全に暮れてしまったので、車窓は全く楽しめず、ただ闇夜の中を走っているだけだが、それにしても40km/h程度のスピードしか出ていないのに、ジェットコースターに乗っているかのごとく揺れまくる!

 

 

 

なので、もしも車内に「ピンボール」があれば、間違いなく チルトだ!

(←わかる人だけお察しください)

 

 

 

 

ところで、石川線は歴記とした「金沢市の通勤路線」であるものの、終点から少し先に 白山ひめ神社 という超有名なスポットがあるため、すれ違う反対の列車は、その参拝帰りであろう人達でごった返していたものの…

 

こちらはその逆であって、この時間から参拝に出向く人は皆無であって、パラパラと散らばった人達が寂しさを倍増させていた。

 

 

それと、前述の「ゼロの焦点」の中でも、たった一瞬ではあるけれど、石川線の車内が登場している。

 

 

当時は 金名線 という名称で、金沢と名古屋を結ぶという壮大な計画があった名残で、終点の 白山下駅 という所まで路線があり、スキーを楽しむために乗車した若者達に、犯人らしき人物が目撃されていたというストーリーである…。

 

 

 

 

そうこうしているうち、「次ぎは終点の鶴来です」と放送が入った!

 

 

少し前に降ったであろう雪が所々に残り、底冷えがする 鶴来の街 に到着したのは、野町駅から揺られること30分であった…。

 

 

つづく