普通の人には理解できないだろうけれど、他人様から見て馬鹿げたことをしたり、馬鹿げるほどお金をつぎ込んだりしているのが、本当の意味での趣味だと思う。
そして、私は幼い頃より 鉄道が趣味 であって、これさえあれば寝食を忘れることさえある…。
ただ、最近は仕事が忙しくなったりしていて、先日廃止された「トワイライトエクスプレス」にも結局は乗れず仕舞いだったので、最近ちらほらと廃止の声が聞こえる神戸の JR和田岬線 を訪れることにした。(神戸市が廃止の意向らしい…?)
早朝の4時半に起床!
始発の次の列車に乗るべく最寄り駅の「地下鉄 北花田駅」へ急ぐと、人っ子ひとり居ないコナンコースは不気味ですらあった…。
梅田からJR大阪駅へ…。
6時発の快速に乗車し、神戸の先の和田岬線の起点でもある 兵庫駅 へ急ぐ!
太陽がようやく顔を出し始めた頃、列車は黙々と西へと走っていくが、途中から貨物列車とデットヒートが繰り広げられるのは、複々線の醍醐味でもある。
さて、ここで「和田岬線」について少し触れておこう。
JR兵庫駅から分岐する路線だが、全長わずか2.7kmしかない ミニ路線 である。
ただ、元々は船の貿易が盛んだった頃の神戸港の貨物はもちろん、周辺の工場に物資を運ぶことだけに敷設されたため、人は運んでいなかったけれど、後に周辺の工員さんらを運ぶために旅客輸送が開始された。
しかし、あくまで貨物が主であるため、朝夕の通勤時間のみ電車が運転されているだけで、言わば 乗れるものなら乗ってみろ! と言わんばかりの路線であるが、こうして挑発されると逆にどうしも乗ってやろうと闘志が湧くのである。
そして、こちらがその和田岬線の時刻表である。
訪れたのが日曜日だったので、朝の 7時18分発 が1本あるだけで、これを逃してしまうと17時まで電車が来ない、摩訶不思議で全くやる気の無い路線である。
なので、自分でも馬鹿馬鹿しいことをしてる自覚はままあるけれど、たかだか2.7kmの路線に乗るがために、わざわざ早朝に起床したのであって、これこそが趣味と言えるのである。
ただ、兵庫駅に着いたけれど、お目当ての和田岬線はまだ眠りの中にあった…。
ところで、現在は貨物輸送も廃止され、朝夕に細々と電車が走る和田岬線だけれど、その昔に繁栄していた時代もあって、その頃には新しく路線を延長する計画があった。
実は、和田岬線は前述の兵庫駅を起点としていることから、貨物は一旦兵庫駅に集結されていたが、こうすると姫路方面への輸送がダイレクトで出来なかったので、西側へダイレクトで結ぶ 短縮線が計画 され、用地回収まで完了したのであった。
しかし、後に国道43号線と阪神高速の建設が優先され、ちょうど分岐点がこれに当たるため、工事が中断されてしまったのだ!
そして、今でも地図を見れば、その痕跡が確認できるのである。
(右上が兵庫駅、青線が和田岬線、赤点線が未成の計画線跡)
三角のデルタ路線のようにも見えるけれど、これとほぼ同時期に、大阪にあった 浪速貨物線 も弁天町駅へ短縮する路線が計画されたものの、同じく国道43号線の建設が優先されたため、実現していないのだ。
と…
こうしてウンチクを語っていると、和田岬線の改札が開いたようだ!
ではでは、さっそくホームへ出てみようと思う。
つづく