以前のブログでも何度も書いたように、現在の看板屋は ほとんどペンキを使わない のである。


だったら、どうして絵や文字を描いているのかと言うと、全てはパソコンで処理されたデータであって、カッティングシールやインクジェットシールという手法で表現している。


なので、もはや技術職と言うよりは、パソコンに詳しい オペレーター であれば、明日からでも看板屋として開業できるようになってしまった…。




しかし、どれだけパソコンに強かろうと、肝心の現場施工もこなせる人材が少ないのであって、そうなるとば私のような職人が駆り出されるのだ!


ただ、前述のように ペンキで描くこと が少なくなったので、職人の技術も塗ることではなく 貼ること にウエイトが置かれるようになり、現在では通称 貼り屋さん という職業まで現れる始末である。


と言うことで、先日は「貼り屋」さんに変身して仕事をこなしてきた。






某駅構内にある事務所のドアーである。




サビサビでボロボロだが、要はこれをペンキで塗装すると、多くの通行人の中には触る者が居るので、だったらシールでラッピングした方が安全という考えである。




で、下処理をした後、中心部から上下にシールを貼り込んでいくと、出来上がりである。






施工時間は1時間弱で、見た目は新品同様の質感になってしまった。






そして、お次はレストランで使用する 配膳ワゴン のラッピングである。





もちろん、そのままでも使用に何ら問題は無いのだが、どうやら高級ホテルで使用されるようなので、 目調シール を貼ってほしいとのご依頼であった。




なので、正面と左右を別々のパーツに分けて貼り込んでいく…。


(↓は、歯がほとんど無い相棒のM氏)




ふたりでサクサク仕上げれば、ご覧のような出来上がりである。





さて、この様にたまには「貼り屋」さんにもなるけれど、もっぱら看板の製作や取付けにはじまり、ポール看板の穴掘りなども含めると、看板屋の仕事内容は多義に渡ると言えよう!


そう考えると、日々の現場はもちろん、作業内容も単純でないことからか、私のような飽き性な性格でも続いているのだと思う。