看板屋の商売を始めたのは、30歳をすぎてからである。


だから、今までは色々な職業を転々としてきた…(汗)


いわずもがな無類の鉄道好きなので、高卒で就職したのは当時の国鉄!



しかし、末期の頃には見聞を広めるため、自ら進んでJR直営のコンビニ(ハートイン)や、当時の大阪ターミナルホテル(現グランヴィァ)のレストランにも出向していた。


また、退職してからは阪神百貨店のレストランで店長もしたりしていた。


まあ、今の仕事に技術的には直接関係がないが、そういった意味では普通の会社員と比較して、色んな現場で色んな苦杯もなめてきている。




まず、

百貨店の店長時代は、昼間のランチで赤飯を桜型にして出していたが、ピーク時は手間取るので対応が難しいため、オーナーに「茶碗にそのまま盛り付けてはダメか?」、と直談判した。


すると、 「型に押す手間があり、見栄えが良いから同じ商品でも単価が上がるんだ、茶碗に盛れば100円値下げして出さないとな!」、と返ってきた。


大阪 堺・松原の看板屋 スマイルサイン奮戦記-赤飯


その言葉から、同じ商品でも手間ひまをかけることで、お客様からの見栄えも良くなり単価も上がるという、いわば共に喜べることを学んだ。





また、グランヴィアでは、現在も盛業中のパプレストランABに配属され、パントリーと言うドリンク類などの調理担当やウエイターをしていた。


そこでは、カクテルに付けるカットレモンがあって、単にカットしてグラスに刺すとマネージャーからすぐさま指摘があった…


「レモンのヘタの部分がそのままでは、レモンを絞った時に果汁がグラスに入らず左右に飛ぶ! だから、ここをカットするんだ!」


確かに、ここをカットすればグラスの中へしか果汁が飛ばない(汗)



大阪 堺・松原の看板屋 スマイルサイン奮戦記-レモン

「どんな、些細なことでも手間を惜しまず、常に自分がお客になって考えなさい…」、とよく言われていたのを、昨日のことのように思い返す。



そんなこんなで、今でもレストランに入ると細かなことが目に入ってしまうが、逆に言えばいくら豪華な設備であっても、こんなことからその店のレベルが分かってしまったりもするから不思議である。





まあ、今から20年以上前の出来事で業種は全く変われど、この教訓は今の仕事でも生かしている…


つもいりでいる…(汗)