実家に通い続ける生活がもうすぐ終わろうとしている。

 

家族信託の検討を始めてから今に至るまで、母はある程度の理解力を維持して前向きに受け止めてくれている。そして特養の生活にも適応し、当初は想像できなかったくらい元気になっている。むしろ元気になりすぎて特養では物足りない様子さえある。

 

介護度は現在【要介護3】となっているが、もしかしたら今後の認定でもっと低い結果が出るかも知れない。この先、母にとって最適な居場所についても再考が求められる日が来るような気がする。

 

それはさておき。

 

 

実家を売却したことで、ずっと実家に置いたままになっていた母の住所を他に異動させる必要があった。


母においては、住所(住民票)の異動先は下記の2択となる。

 

①入所中の特養

②長男(自分)宅

 

入所とともに特養へ住民票の異動を求められることが多いらしいが、母が入所している特養では特に取り決めは無いようだった。相談員さんからは

 

「保険証などの変更があった際すぐに連携してくれれば、どこに住民票があっても構わないですよ。」

 

と説明をもらった。

 

少し考えた結果、郵送物等の取り回しのことを考えて②の長男(自分)宅住所を母の転入先とした。

 

この場合、既に居住している長男(自分)一家とは“別世帯”とするのがポイント。もし同世帯としてしまうと全員の収入が世帯収入として合算されてしまい、保険の負担額が増えてしまうことが多い。

 

 

住民票の異動で考えられる問題といえば、介護保険料が上がる可能性がある点。保険料は市町村によって異なるので、思わぬ負担増になることがあるらしい。幸い、今回の異動では負担額はほぼ同じのようだった。

 

あと母が新しい住所を覚えることができない点も問題と言えるかも知れない。新しいことを覚えるには時間がかかるし、認知機能の回復もこれ以上は難しいだろう。これは仕方がない。


それぞれの市民課に行き、住民票の転出入手続きを進める。

 

本人以外が手続きをするので、それぞれのホームページから『委任状』をダウンロードして、事前の面会時に母に記入してもらっていた。

 

本人の心身機能によっては委任状を書くことすら難しい場合もあると思う。委任状が書けないために手続きができない…という事例もあるらしい。先日の携帯電話の解約手続きのように、柔軟な対応が広がれば良いと思う。

住民票のほか、市区町村単位での管轄になる介護保険も転出入の手続きをした。都道府県単位の管轄になる後期高齢者医療保険も市区町村が窓口になっているので、そのまま市役所で手続きができた。

 

 

これら手続きをまとめると以下の通り。

 

①転出元・転入先の委任状をダウンロードして印刷。

 

②母の面会予約を取り、面会して委任状に記入してもらう。

 

③特養に預けていた保険証類を全て返してもらう。

 

④転出元の市役所で住民転出の手続き。

⑤転出元の市役所で介護保険・医療保険の転出手続き。

 

(移動)

 

⑥転入先の市役所で住民転入の手続き。

 

⑦転入先の市役所で介護保険・医療保険の転入手続き。

(約1週間で新しい保険証が届く)

⑧新しい保険証類を特養に預ける。

⑨古い保険証類を転出元の市役所へ返納する。


これらは祖母の介護をしていた時にも何度か経験済み。1日がかりの仕事になったものの、過去にやったことがあるだけでも気分的なハードルは低い。

 

 

母の住所を異動させたことで、いよいよ実家が無くなる…という実感が湧いてきた。

 

完遂まであと少し。