買主さんとの間で売買契約を締結した。不動産屋の部屋を借りて、数時間にも及ぶ大仕事になった。担当者さんは集中力を切らさず、難しいことを細かく説明しながら進めてくれる。その仕事ぶりにはすっかり感心してしまった。

 

 

ここまでは本当に想定外の早さ。

 

「欲を出してもっと強気に出ていたら、きっと売れなかったと思うよ。」

 

妻から言われた。

 

それはその通りだと思った。絶妙な判断が結果を引き寄せたと思う。“勝って兜の緒を締めよ”という諺が頭をよぎる。

 

 

実務では、実家の中に最後まで残していた家財の処分を進めた。

 

残していたのは冷蔵庫や電子ピアノなどの大型家電に加え、ほぼ造り付けに近い特大の収納家具など。1人では到底動かせなかったり、市の粗大ごみ回収では取り扱いが不可能だったモノたち。

 

業者を探し、見積もりを出してもらった上で回収してもらう。2名の作業員に来てもらい、中型のトラック1台で上記を全て回収。その費用は約6万円だった。

 

祖母の家、親戚のゴミ屋敷に次いで、これで3軒目の家じまい。処分費用の相場感もだいぶ養われた。今回も納得の金額。誰かの手を借りてモノを捨てるのには相応のお金がかかる。こうして個別に業者に頼むと、日ごろの自治体による家庭ゴミ回収がいかに安く済んでいるかを再認識する。

 

探せばもっと安く済む業者はあったと思う。しかし不用品回収業者は玉石混交で、違法性の高いことをする業者も多いと聞く。金額だけで決めることなく、多少高くついたとしても確かな業者を選びたい。

 

 

大型の家財が無くなると、室内の印象はさらに大きく変わった。

 

家財道具が全く無いと火災保険が効かなくなってしまうことがあるため、宿泊して作業ができる程度のモノだけは最後まで残すことにした。2階建ての大きなビジネスホテルみたいな感じだ。

 

モノだらけだった実家が、いよいよここまで片付いた。我ながら良くやってきたと思い、感慨深く室内を眺める。

 

引き渡しに向け、最後の掃除に力を入れる。