先日はついに母を実家に連れていき、きれいにした家を見せることができた。

 

そしてその場での、妻から母への言葉。それが絶妙すぎて、つい自分の心も大きく動かされてしまった。妻のフォローはいつも絶妙。頭が上がらない。

 

帰宅後、妻が言った。

 

「お義母さん、やっと自分から謝ったね。」

 

やはり、あの場で母から謝罪の言葉を聞けたことは大きかったと思う。妻にとっても1つの区切りになったようだった。前進する脚にグッと力が入る思いがした。

 

 

それから数日後、司法書士さんから連絡が入った。家族信託の手続きが完了したとのこと。

 

これでまた1つ大きな山を乗り越えたことになる。今後、実家の売却を主体的に進める準備が整った。立ち止まらずに進めていく。

 

 

家族信託は家族構成や資産の状況により、その内容はケースごとに異なる。我が家の場合は以下のように組み立ててもらった。

 

・信託者(受益者):母

・受託者:長男

・信託対象:実家不動産の運用と売却/維持費の支払い管理

 

これらは全て公正証書で細かく規定してもらっている。同じ内容が登記にも記載された。

 

プランの作成から登記まで全て司法書士さんにお願いして、トータルの費用は100万円弱に落ち着いた。たまたま見つけた司法書士事務所だったが、家族信託にとても詳しくて信頼できるところだった。お願いして本当に良かったと思う。

 

 

親が認知症になってからでは、出来ることはかなり限られる。具体的には以前書いたように【成年後見人制度】を利用する以外の手段がほぼなくなり、はるかに膨大な手間と費用を取られる結果となる。

 

それで行き詰まっている家庭は既にたくさんあるはずだし、これから高齢化率の上昇と比例して急速に増えてくるのは間違いない。

 

我が家はたまたま、ぎりぎりで先手を打てた。事前に調べていたから動けた部分もあるが、全ては運が良かったからだと思っている。

 

制度を知っているか否かで大きく変わる運命。ある日突然困り果てて立ち尽くす人が1人でも減ってほしいと願うばかり。周りに困っている人がいたら、早急な検討を勧めてあげたいと思う。

 

とにかく、対策は認知症になる前にしか出来ない。