一昨日まで自宅のベッドの中でずっと寝ていましたが、昨日は移動だけにしぼりました。
今日の夕方に抗がん剤イリノテカンの副作用から一気に抜けたので、旅行スケジュールとしては一日早かったかなと振り返ります。
でも、昼過ぎまでホテルの大きなベッドでダラダラ寝て過ごし、午後になって到着した同僚の運転するクルマに揺られて現場視察にでかけました。
今回の仕事の視察先は、みかん農園。
山の斜面をぐねぐねと走る細い道をのぼって、柑橘の植った広い農園を眺めるのはとても気持ちが良いものでした。
見上げると、石垣の上に植えられた防風樹が山の斜面の段々に積み重なって見えるので、まるで強固な城塞のようにも見えたりするのも面白く、つい数日前まで自宅のベッドに閉じこもってたのが夢だったみたいな感覚になります。
こっちが現実。
広い空の下にある山の稜線、そして見え隠れする石垣。
仕事とはいえ、日常とは違う景色の中に溶け込めるのが旅の醍醐味だといえます。
視察のあとは、仕事先の仲間たちとの楽しい宴会。
わたしの体調としてはイリノテカンの副作用から抜けるかどうかというタイミングでしたが、宴会の途中に何度かトイレに中座するだけで復調を果たせ、美味しい料理とお酒も味わって飲むことができました。
お酒を味わうというのは、文字通り、ほんの少し良いお酒の味を確かめる程度でした。
というのは、タリージェの副作用もあり、いつものように途中30分ほど意識が飛んで寝ちゃったから。
お酒もほんの少し口にしたところで、30分ワープ。
それでも、良い感じのほろ酔いで、最後の一本締めでしめるまで仲間たちの仕事の話、家庭の話、職場の愚痴までおしゃべりが止まりませんでした。
どこかで抗がん剤がつらいなんて本音を書きましたが、そのつらい抗がん剤の効果でちゃんと転移先の痛みも抑えられ、こうして仲間たちとワイワイ騒げるのですから、やっぱり抗がん剤はありがたいものだと今一度、次の抗がん剤サイクルもがんばろうという気になりました。
宿泊先への帰り道、
「ヤギさんは、海外にはもう行かれないのですか?」
なんてことを聞かれました。
いろいろな思いがこみ上げてきましたが、返事はひとつ。
「行きたいですねー。」
やっぱり海外に行きたい。
そんな話をしながら、これからやりたい仕事の話などで盛り上がりました。