自分の名前が残る最後の仕事かもと、昨年、とある依頼原稿の仕事を引き受けていました。
依頼した側もわたしが闘病中であることは知っていて、無理なら断っても良いと言われたお仕事でしたが周囲にも相談して、ほんの少し無理するつもりで受けたのでした。
でも、これが思った以上に大変でした。
毎日の区切られたお仕事なら、抗がん剤治療中の動けない日だけ休んでおいて、動ける日だけお仕事できます。
でも、何十ページにも及ぶ原稿となると、資料の読み込みだけでも大変。頭に入れたと思ったら事柄が治療中の辛さですっとんでしまいます。
書き物専用マシンに使っているポメラ(キングジムのワープロ専用機)には、
らららららら…
のような、キーボードを叩きながら寝落ちしてしまったと思しき謎の文字列が連なります。
小さな文字が読めなくて、普段はiPadの上で校閲作業しているようなことができなくて、Amazonで安いプリンターを買って片端から印刷。
鉛筆と赤ペン、青ペンいろいろ使って校閲作業します。
ベッドサイドが印刷された紙片でいっぱいになりました。まるで昭和な風景だねー。
少し描き直しては、気分が悪くて書き物の仕事が中断して、ある程度まとまって送信して、修正要求とかされても対応できずに何日も放置した挙句、内容がなんだったか忘れてしまったり。
引き受けた以上、体調が悪いとかつまらぬ言い訳とかはしたくないし、もっとも依頼サイドも返事がなくても急かすこともなく待っててくれる空気があるだけに、
なにくそ!と
気分が悪くても、ベッドの上の昇降テーブルに印刷して赤ペンやら青ペンで書き込んだ修正に手をつけたり。
年を越してから、抗がん剤治療からバベンチオによる免疫治療に移ってから少しまともに作業できるようになったので、体調がマシになった分、ほんの少し睡眠時間を削ったりして頑張ってみたり。
2月末で校了となる予定で、今日なんとか無事送信。
おー。がんばった。やりきったぜ。
少しして落ち着いたら、闘病中の原稿執筆環境やグッズ、ソフトウェアなどをまとめてみるかな。
元気な時に使ってた当たり前だと思ってたものがまるで使えなくて、今回、あってよかったというメモ帳のような補助具もたくさん開拓しましたからね。
とにかく寝る。今日は満足したーーぁ