がん保険をかけた方が良いかとか、かけるならどの程度の金額がもらえるのが良いかとか世間でも話題になりますね。


発覚からそろそろ4年、緩和治療の段階まできた経験を踏まえて、がん保険のことを再び考えてみました。


考えてみたうちで、医療費については治療を受け始めた当初とあまり考えは変わってません。

すなわち、治療費そのものについては保険はあった方が良かったと思うけれど、無くても何とかなった。

いや、何とかするしか仕方ない。

振り返った感想としては、それだけ。


だって、治療費自体はバカ高いので、少々の個人保険をかけたところで追いつかない。

この辺りは患者になって初めてわかったことです。


よくドラマや小説などで出てくるような、生命がかかっているのだから全ての可能性を試したいとか、「お金はいくらかかっても良い」とかは、現実に治療を受けてみるとそんなシーンはあり得ないとわかります。


だって、手段選ばずに治療受けるってなると毎月毎月、数百万円の治療費を用意しなきゃなんない。

そんな世界です。


なので、治療費自体に保険はあってもなくても、そんなに大きな差はないかなぁと思います。


でも、違うのは治療費以外への出費ですね。

そこを考えると、がん保険をかけておいて良かったと、そう思います。


治療費以外で、何に使ったか?

保険金をもらえて良かったというのはどこだったか?


私の場合、ざくっと言えば次の2つ。

ひとつ目は、債務整理ができたこと。具体的には教育ローンの一括返済してしえたこと。

ふたつ目は、自分の療養生活する部屋の整備にお金をかけれること。



最初に大きな手術をした後、一時金をもらいました。

とりあえずは、いろんな立替に使えたのですが、それぞれの立替していたお金が戻ってきた時にやったことは債務整理でした。


ターゲットは、団信のついてないローンの一括返済。私の場合、子供の教育費のために教育ローンを借りていましたが、団信(団体信用生命保険)がついていないのでわたしが癌でこの世を旅だったあとの負債を家族に残すことになっちゃいます。

逆に、住宅ローンは団信がついてるので、私がいなくなっても大丈夫。


そう考えて、教育ローンはすべて返済しちゃいました。

家族に負担かけずに、安心して旅立てるというのは良いですね。


その後は、ちまにまと居住環境の整備にお金をかけました。

もともと自宅での仕事も多かった私の仕事部屋で折り畳みベッドで寝起きしていたのですが、ストーマのためのナイトバッグ(夜間蓄尿袋)を吊ったり、抗がん剤治療中の自宅で寝てることが増えることを見越してきちんとしたシングルベッドを導入。


妻から強く進められて、ニトリに引っ張っていかれました。

ベッドの大きさや高さ、マットレスの硬さは、夜のチューブの引き回しと寝る時の姿勢をシミュレーションしながら展示ベッドの上で転がりまくって慎重に選びました。


柔らかめのマットレスにしたおかげで、真横に寝た姿勢でも身体を保持してくれるのが私にとって良かったかも。


そして、ストーマのケアのためにベッドルーム脇にお湯の出る洗面台を設置。

電気式の簡易湯沸器をつけたので、冬でもすぐに温かいお湯が出ます。

これは想像以上に良かった。

お金をかけた価値を感じます。きっと、身体が動かなくなっていくこれからは重宝しそうです。


そして、昨日は、またニトリで電動リクライニングチェアを注文。

実はついでに電動ベッドも見てきました。


残額そろそろ僅かになってきてますが、最後に電動ベッドを買うところまでできれば、保険金があって良かったという結論が言えそうです。


まとめ

緩和治療までの過程での経験から言えば治療費については、あってもなくても何とかなったと思うものの、治療費以外に使えるお金という点ではありがたいものだと言えそうです。


私の場合、毎年必ず人間ドックで健康診断を受け、タバコは吸わない、お酒も1ヶ月に数回しか飲まないというそんな生活でした。それでも、がんになりました。

なる時はなります。


がん保険は、治療費以外に使えるのがありがたいと言えます。

でも、そうそう、私の場合は自宅からの通院はそれほど大変じゃないので意識してませんでしたが、病院が遠い場合には通院費に対して保険金が出れば良いケースもありますね。