「クラシコプレビュー」
フットピーポーよ!さあ今晩は大一番、バルセロナ×レアルの「エル・クラシコ」が行われます!今回はそのクラシコのプレビューをお届けします!
さて今年のクラシコですが、戦前予想ではバルサ有利という意見が多いようです。体調問題から退任したビラノバの後を受け継いだマルティーノが、うまくチームの舵を取っています。ビラノバも、そしてペップも成しえなかった開幕8連勝を達成し現在首位。
アルゼンチンのニューウェルスを就任するやいなや強豪に押し上げ、リベルタ杯でもベスト4という結果を出したマルティーノ、通称“タタ”がバルセロナにもたらした事が2つあります。
1つは「プレッシングの強化」です。監督不在などもあって運動量が落ち、走らなくなったチーム全員に守備を求め、高い位置でボールを奪う事の必要性を訴え、実行しています。前々回にも書きましたが、ボール支配率はパスを回しているだけではあがりません。いかに早く相手からボールを奪い去るか。それができているから今季のバルサは80%近い異様なボール支配率を記録する事もあるのです。
もう1つが「メッシ依存症からの脱却」です。前述のプレスの強化のために、これまで守備は免除されがちだったメッシにもプレッシングを求め、アンタッチャブルだったメッシも動きが落ちたら交代。もちろんイニエスタだろうがシャビだろうが一緒。全員攻撃、全員守備を徹底しています。
その「メッシ依存症からの脱却」に一役買っているのがあのネイマールです。
ネイマール本来のポジションは真ん中です。ところがネイマールはバルサでは左ウイング。本来のポジションじゃないポジションで起用されている訳です。しかしネイマールはチーム合流後にそのコンバートを受け入れ、しかも数戦でフィット。ワイドストライカーという新しい武器を手に入れつつあります。
これは現在のセレソンの監督フェリポンの起用も大きいと思います。フェリポンはネイマールを左ウイングで使っていました。ネイマールはセレソンでそのポジションに慣れたので、特殊な戦術を使うバルセロナの左ウイングにもフィットすることができたのです。
話は横にそれますが、現代サッカーでは複数ポジションをこなすことが普通になりつつあります。代表で不慣れなサイドに置かれて、さらにクラブでも同様にサイドに置かれた場合に輝けない香川を観ると、どうしてもネイマールの成功がまぶしく見えてしまいます。
まとめると今季のバルサは初期ペップ時代のバルサに回帰しようとしているように見えます。ポゼッションと前陣速攻のショートカウンターのミックスを全員で連動して行うトータルフットボール。サッカーの理想です。タタは自分の色を出すことよりも、そんな「バルセロナニズム」にチームを近づけることだけを考えているようです。
一方のレアルですが、こちらは少し迷走中です。その存在があまりにも大きすぎるモウリーニョが去った「ポストモウリーニョ」時代まっただ中、そんな感じ。
後任のアンチェロッティに求められたのは、モウリーニョの「強いけどつまらない」からの脱却という難しくしかも抽象的なオーダーでした。それに対してアンチェロッティはボールを持ち主導権を握る「ポゼッションスタイル」を打ち出しました。モウリーニョがやってきたサッカーと真逆のスタイルを目指した訳です。
しかし、それが上手く行っていない。やはり3年間「高速カウンター」でやってきたチームがガラリとスタイルを変えるのは簡単じゃありません。そして今のレアルには「目指すスタイルと所属する選手の矛盾」という問題もあります。
ポゼッションスタイルを目指すのなら、はたしてベイルは必要だったのか。エジルを出してしまって良かったのか。ポゼッションスタイルでエースであるCR7は輝けるのか。左右に世界を代表するスピードスターを揃える今季のレアルこそ「超高速カウンター」スタイルがマッチするのでは?
メッシとタイプの違うネイマールはチームに違いをもたらすけれど、ほぼ同タイプのCR7とベイルはチームにさらなる純化か、もしくは衝突をもたらしてしまう。
極端にいうとバルサ化を目指しだしたレアルと本家の対決というストーリーが今回のクラシコです。もしそのままなら、レアルのぎこちないパス回しが中盤でことごとくカットされ、3-0、4-1級の試合になるような気がします。
しかし、舞台はカンプノウ。この完全アウェーのシチュエーションがレアルに変化をもたらすかもしれません。ポゼッションしたくてもできない。引かざるを得ない。耐えて耐えて、一瞬の隙をついて、前がかりになったバルサの背後にグサリとロングパスを刺す。そこに両サイドから超高速でスピードスターが駆け抜けていく…。レアルに勝機があるとしたらそんな展開では。
ホームのバルサがやることは決まっています。このクラシコの注目はレアルの出方です。本来はカウンターサッカーが得意なアンチェロッティが開き直ってカウンターに徹することができるのか。まあそれだったらモウリーニョのままで良かったんじゃないかなんて思ったりもしますが、とにかくレアルの出方に注目してクラシコを楽しみたいと思います。それではまた!

