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“Life with Sports Brand” DLIVE
フットボールライター itch のブログ

Football goes on vol.87

「クラシコプレビュー」


フットピーポーよ!さあ今晩は大一番、バルセロナ×レアルの「エル・クラシコ」が行われます!今回はそのクラシコのプレビューをお届けします!


さて今年のクラシコですが、戦前予想ではバルサ有利という意見が多いようです。体調問題から退任したビラノバの後を受け継いだマルティーノが、うまくチームの舵を取っています。ビラノバも、そしてペップも成しえなかった開幕8連勝を達成し現在首位。


アルゼンチンのニューウェルスを就任するやいなや強豪に押し上げ、リベルタ杯でもベスト4という結果を出したマルティーノ、通称“タタ”がバルセロナにもたらした事が2つあります。


1つは「プレッシングの強化」です。監督不在などもあって運動量が落ち、走らなくなったチーム全員に守備を求め、高い位置でボールを奪う事の必要性を訴え、実行しています。前々回にも書きましたが、ボール支配率はパスを回しているだけではあがりません。いかに早く相手からボールを奪い去るか。それができているから今季のバルサは80%近い異様なボール支配率を記録する事もあるのです。


もう1つが「メッシ依存症からの脱却」です。前述のプレスの強化のために、これまで守備は免除されがちだったメッシにもプレッシングを求め、アンタッチャブルだったメッシも動きが落ちたら交代。もちろんイニエスタだろうがシャビだろうが一緒。全員攻撃、全員守備を徹底しています。


その「メッシ依存症からの脱却」に一役買っているのがあのネイマールです。


ネイマール本来のポジションは真ん中です。ところがネイマールはバルサでは左ウイング。本来のポジションじゃないポジションで起用されている訳です。しかしネイマールはチーム合流後にそのコンバートを受け入れ、しかも数戦でフィット。ワイドストライカーという新しい武器を手に入れつつあります。


これは現在のセレソンの監督フェリポンの起用も大きいと思います。フェリポンはネイマールを左ウイングで使っていました。ネイマールはセレソンでそのポジションに慣れたので、特殊な戦術を使うバルセロナの左ウイングにもフィットすることができたのです。


話は横にそれますが、現代サッカーでは複数ポジションをこなすことが普通になりつつあります。代表で不慣れなサイドに置かれて、さらにクラブでも同様にサイドに置かれた場合に輝けない香川を観ると、どうしてもネイマールの成功がまぶしく見えてしまいます。


まとめると今季のバルサは初期ペップ時代のバルサに回帰しようとしているように見えます。ポゼッションと前陣速攻のショートカウンターのミックスを全員で連動して行うトータルフットボール。サッカーの理想です。タタは自分の色を出すことよりも、そんな「バルセロナニズム」にチームを近づけることだけを考えているようです。


一方のレアルですが、こちらは少し迷走中です。その存在があまりにも大きすぎるモウリーニョが去った「ポストモウリーニョ」時代まっただ中、そんな感じ。


後任のアンチェロッティに求められたのは、モウリーニョの「強いけどつまらない」からの脱却という難しくしかも抽象的なオーダーでした。それに対してアンチェロッティはボールを持ち主導権を握る「ポゼッションスタイル」を打ち出しました。モウリーニョがやってきたサッカーと真逆のスタイルを目指した訳です。


しかし、それが上手く行っていない。やはり3年間「高速カウンター」でやってきたチームがガラリとスタイルを変えるのは簡単じゃありません。そして今のレアルには「目指すスタイルと所属する選手の矛盾」という問題もあります。


ポゼッションスタイルを目指すのなら、はたしてベイルは必要だったのか。エジルを出してしまって良かったのか。ポゼッションスタイルでエースであるCR7は輝けるのか。左右に世界を代表するスピードスターを揃える今季のレアルこそ「超高速カウンター」スタイルがマッチするのでは?


メッシとタイプの違うネイマールはチームに違いをもたらすけれど、ほぼ同タイプのCR7とベイルはチームにさらなる純化か、もしくは衝突をもたらしてしまう。


極端にいうとバルサ化を目指しだしたレアルと本家の対決というストーリーが今回のクラシコです。もしそのままなら、レアルのぎこちないパス回しが中盤でことごとくカットされ、3-0、4-1級の試合になるような気がします。


しかし、舞台はカンプノウ。この完全アウェーのシチュエーションがレアルに変化をもたらすかもしれません。ポゼッションしたくてもできない。引かざるを得ない。耐えて耐えて、一瞬の隙をついて、前がかりになったバルサの背後にグサリとロングパスを刺す。そこに両サイドから超高速でスピードスターが駆け抜けていく…。レアルに勝機があるとしたらそんな展開では。


ホームのバルサがやることは決まっています。このクラシコの注目はレアルの出方です。本来はカウンターサッカーが得意なアンチェロッティが開き直ってカウンターに徹することができるのか。まあそれだったらモウリーニョのままで良かったんじゃないかなんて思ったりもしますが、とにかくレアルの出方に注目してクラシコを楽しみたいと思います。それではまた!



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Football goes on vol.86

「大胆な起用とは」


フットピーポーよ!2週間ぶりです!先週は新しいサカつくが発売された影響もあって、ちょっと更新をこじらせてしまいました(笑)いやあ今作やりこみ要素ハンパないすね。まずいっすよアレ!


さ、そんな事は忘れて今回はセルビア戦、ベラルーシ戦を終えた感想です。2連敗。まあ結果なんてどうだっていいんです。テストマッチですから。問題は“中身”です。テストマッチゆえのその“テスト”内容はいったいどうだったのか、という事です。


ザックはこの2戦のスターティングメンバーをまったく同じメンバーで始めました。


予選を突破し、プレW杯であるコンフェデを戦い、現在は来年のW杯に向けてチーム力を向上させようという時期です。その流れの中でのテストマッチでまたしてもザックは、予選とコンフェデを戦ったメンバーの経験と連携をより高める、という事を狙ったわけです。


それはそれで1つの価値観なので否定はしません。ただ問題なのはそれがいい方向に向かっていないという事です。


いつものメンバーで、いつものサッカーをして、淡々と負けた。この2戦の感想はそうなります。ベラルーシ戦では3-4-3を少し試みましたが、やはり“いつもどうり”機能しません。


個人的にですが、僕はもうザックの3-4-3には期待していません。ザックには複雑で高度な3-4-3を選手の個人能力に頼らず、理論で機能させる、ペップやビエルサやマッツァーリのような能力は無いと思います。ほとんどの時間帯が実質5-4-1と化してしまうザックの3-4-3はまったく意味が無いです。もっとも3-4-3というフォーメーションの狙っている長所からかけ離れて、短所ばかりが出てしまうのがザックの3-4-3だと思ってます。


大胆な選手起用とはなんでしょうか?スターティングメンバーを見た時に「えっ?」ってちょっと驚くような。これはもう監督の「選手のポテンシャルを見抜く目」と「思い描く理想のサッカー像」があるかどうか、だと思います。


例えばペップです。バイエルンは4-「1」-4-1のフォーメーションを採用していますが、現在その中盤の「1」の部分、アンカーを務めているのが、なんとサイドバックが本職のラームです。ほんと最初それを知った時は「えっ?」ってちょっと、いや、だいぶ驚きました。「ラームがアンカー?」って。。。


しかし、この「アンカー・ラーム」がまた悪くないんです。カバーリングと危機察知能力に優れ、さらに目の前に広がる2列目、リベリ、ロッベン、ミュラー、クロースへ状況に合わせてシンプルにパスを散らす。ペップには練習段階でまだ誰も見えていなかったこの「アンカー・ラーム」の姿が見えていた、という事になります。


しかしただその姿が見えていたからといって、うまく行くとは限りません。なぜならその姿が見えていない本人に、「お前ならできる」と説明し、そのまだ見えていない自分のイメージを見せてあげないといけないからです。


「思い描く理想のサッカー像」があるかどうかが関係してきます。「俺のサッカーのアンカーはこういう風にプレーすればいんだ」確固たるサッカー像があればあるほど、あれもこれも求めず、「こうすればオーケー」とシンプルに自分のタスクを伝える事ができます。


世界では頻繁にこういった「大胆な選手起用」が起こっています。ケガによる代役。突然抜擢される10代の選手。輝きを取り戻すもう終わったと思われていたベテラン。僕はその起用が大胆であればあるほど、「この監督はよほど自分の見る目と描くサッカー像に自信があるんだな」と思ってしまいます。


もちろん大胆な選手起用の全てがうまく行くわけではありません。しかしそこには「現状を変える」という強い意志を感じます。「勝ったメンバーはいじるな」という格言がありますが、それは裏を返せば「負けたメンバーはいじれ」。


コンフェデ以降、世界の中堅クラス以上にまったく歯が立たない試合が続いています。アジアでは王者でも、世界では弱者。そこの切り替えがザックのチームはできていません。同じメンバーが同じポジションで、いきなりサッカーを変えろと求められても難しい。この時期こそポジションをいじったり、メンバーを代えたり、いろいろな事を試さなければ、というより試せる時期。可能性を追う時期なんです。


ベストメンバーで自分たちのサッカーをするだけ、というのは「強者」のサッカーです。普通にやったら敵わない弱者でも、知恵を絞って、狙いをもって、運に恵まれれば勝ててしまうのがサッカーの面白いところ。世界ではまだまだ弱者の日本にとって、ザックがいま目指している方向性ははたして適切なのか?


しいつこいようですが、年内ならまだギリギリ監督交代も間に合うと思います。残り半年。それが僕の中で監督交代のタイムリミットです。コンフェデ以降の強化手腕に疑問を感じて、サッカー協会が密かに後任探しを水面下で行っていることを祈っています。






Football goes on vol.85

「超攻撃的守備」


フットピーポーよ!ああフットピーポーよ!とんでもない試合でした!今週ミッドウィーク注目の一番、CL第2節シティ×バイエルン!


奇しくも前回号で触れた2チームが直接ぶつかるこの1戦、戦前予想では実はシティ有利を予想していたんです。アウェイでは不安定だけどエティハドでは圧倒的な攻撃を見せる今季のシティ。同じく攻撃がウリのペップバイエルンと壮絶な打ち合いになって、3-2からのダメ押し4-2あたりでシティがいくんじゃないか、と。


しかしフタを開けてみたらあのワンサイドゲームですよ。


一体なぜ好調シティがあそこまで一方的にやられたのか?どこにそんな差があったのか?その辺の考察が今回のテーマです。


主役はペップ・バイエルンです。この重い試合で僕はペップ・バイエルンが目指すスタイルが見えた気がします。しかもその姿はやはりあの伝説のバルセロナを創ったグアルディオラ、時代の1歩先を行く、というよりもオンリーワンの相変わらず志の高いスタイルです。


アウェイのエティハドに乗り込んだバイエルンですが、試合の入りを観て思ったのは、この日のバイエルンはかなり守備に重きをおいているなという事でした。そこはやはりアウェイ。ごく普通な選択です。


しかし、普通じゃなかったのがその方法論です。というよりその目的、と言った方がいいでしょう。ペップはバルセロナ時代もそうでしたが、「守備」を「防ぐ」行為と考えていない。「守備」を「奪う」行為、もっと言うと「攻撃」の権利を「奪う」行為とみなしています。


サッカーとはボールを持ってなんぼ。ボールが無ければパスやドリブルそしてシュート、「攻撃」ができない競技です。ボールを持つとは、すなわち攻撃の権利を持つ、という事です。ペップのサッカーはその華麗な「攻撃」に目が行きがちですが、それよりも僕が心惹かれるのは、「攻撃」の権利を持ち続けるためには一体どうしたらいいのか、というとてつもない夢を追っている所です。


それはこう言い換えれます。「永遠に続く攻撃を実現するには」。もう攻撃的とかそんな範疇を超えたあり得ないような夢です。


そのサッカーを実現するためには「攻撃」だけ考えても無理です。どんな上手いプレーヤーでも、足でボールを扱う以上、必ずいつかはボールを失います。なにより「攻撃」の仕上げにシュートを打って、それがタッチを超えれば、ボールは相手に渡ります。もっと言えば「攻撃」がうまく完成して、ゴールという結果が生まれたとしても、試合は相手ボールでキックオフ。「攻撃」の権利は相手にわたる訳です。


だからペップはこう考える。

「相手がボールを持っている時間を少しでも少なくするためにはどうすればいいのか」


その答えが「相手のボールを相手の攻撃終了を待たずに、奪い去る」です。


その思想が全開になったのが、この試合の特に前半です。とにかくボールを失った瞬間に、ボールを奪った選手に猛烈なプレッシングをかける。そうやってボールを一旦ディフェンスラインに下げさせたら、次はくさびのパスに狙いを定めてプレス。高い位置で奪う、というよりも、攻撃のスタート段階ですぐさま奪ってしまう事を目指し、その結果、高い位置で奪っている事になる。そんな守備方法です。


もしもそのプレスをかいくぐられたら、当然大ピンチになります。安全第一が良しとされる防御的な、守備的な「守備」とは真逆。安全を捨ててでも相手からボールを取り上げる事を狙う攻撃的な、それも超攻撃的な「守備」。


こんな「守備」を観ていて面白いチームはありません。めっちゃスリリング!まさか「守備」でスペクタクルを感じる日が来るとは!


アウェイのエティハドに乗り込んでいるという条件が、その「超攻撃的守備」に集中力と結束力をもたらし、完璧に機能したのがこの試合だと思います。その結果、実にほぼ30%対70%というアウェイチームにあり得ないポゼッション率を記録。数字以上に、ピッチでは「永遠に続く攻撃」がほぼ実現されていました。この数字はただボールを回していたって実現できません。相手から素早くボールを奪い去った証拠です。しかも相手は地方の弱小チームではなく、あの名手が揃うマンチェスターシティ。


勤勉、忠実、組織的、そして強いフィジカル。ゲルマン民族とこの「超攻撃的守備」の相性はバツグン。わずか就任2か月でこのサッカーを見せられると、ひょっとしたらペップはドイツという地で、バルサ時代を超える、とんでもないサッカーを完成させるんじゃあという予感すら漂います。やはりとてつもない監督ですよ、ジョゼップ・グアルディオラという人物は!


バルセロナ時代よりも、ボール奪取の迫力が増したこのペップとバイエルンのケミストリー。今季はこのチームを追う事を決めた1戦でした。相変わらずかっこ良かったロッベンもいるしね!何より観ていて楽しいし!いやあ今季のヨーロッパサッカーに楽しみができました!


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