『成瀬は都を駆け抜ける』宮島未奈 感想




○やすらぎハムエッグ

語り手は坪井さくら。この春から京大生になりました。しかしさくらの心は晴れません。


さくらが京大に入ったのは、気になる男子、早田くんが「京大理学部」を受けると言ったから。


なのに先生は「早田は夏から東大に変更した」という言葉で、さくらは何もかもどうでもよくなってしまいます。


キャンパスで転び、出会ったのが成瀬でした。桜の着物と袴姿にさくらは心を掴まれます。成瀬に「失恋した」ことを話すとなにかに没頭することを勧められます。


成瀬の話すハムエッグを美味しそうだと思い、まずはハムエッグを作ります。美味しく食べ進むさくら。


成瀬も「シマザキ」と離れてから、辛かった日々を語り、さくらはこれから京都で新しい思い出を作っていこう、と思えるようになったのでした。


○実家が北白川

京大にに入学し、今日は健康診断の日です。梅谷誠はキャンパスを歩いている途中に達磨を発見。

「達磨研究会」に入ることになります。


会長の輝翔(きらと)は達磨研究部に新入生を集める目的があるのです。それは「黒髪の乙女に出会いたいから」


会長は中高男子校だったことから、女子への憧れが強いそう。誠は「黒髪の乙女捜索」に協力するのでした。


もちろん出会った黒髪の乙女は……。



○ぼきののか

日商簿記1級合格を目指すYouTuber、「ぼきののか」(本名 田中ののか)は北八幡宮への参拝時、成瀬に遭遇します。


びわ湖大津観光大使の衣装を着た成瀬に視聴者も盛り上がり、一緒にお参りをすることになりました。


しかし、実は日商簿記2級に落ちていたののか。生中継中に嘘がバレ、炎上からの謝罪となってしまいます。


ところが成瀬がののかと一緒に勉強して、うそを本当にしよう、と。成瀬の京大でできた友達と勉強会をして日商簿記2級合格を目指すことになるのでした!


○そういう子なので

滋賀のローカルテレビ番組「ぐるりんワイド」に成瀬がスカウトされ、この番組に出ることになりました。母の美貴子も一緒に映るとのこと。


取材の準備にあかりの生まれた時からの写真を整理するうち、両親に、あかりの生まれてからこれまでの思い出が蘇ります。



○親愛なるあなたへ

『成瀬は天下を〜』に登場した、広島県の西浦航一郎君が再び登場!成瀬とは月1回文通をする仲になっているのですが、西浦君はもっと会いたいと思っています。


それもそのはず、西浦君も今は京都で下宿しているのでした。(同志社大学)


ちょっとした事件によりやっと成瀬と会う時間が取れた西浦。しかし、昔の成瀬とは違い「成瀬にはゆっくりした時間がほぼない!」それは成瀬が育んだ、人々との関係によるものでした。



○琵琶湖の水は絶えずして

びわ湖大津観光大使を島崎が⁈

成瀬は観光大使最後の日になんと盲腸で入院していました。


東京から駆けつけてくれた島崎に、成瀬は「自分の代役として大使になってほしい」といいます。


琵琶湖疏水に集まる今までの知人達。

島崎の「ニ百歳まで生きるって大変そうだね」の言葉に少し表情を変える成瀬ですが…?


【感想】

大団円!最後が琵琶湖というのも物語の最後として最高のロケーションです。


「二百歳まで生きる」と言った成瀬への島崎からのアンサーは……「私も二百歳まで生きる」でした!


「しかし最近は二百歳では足りない気がしていて…」と続ける成瀬が最高でした。


3部作ということで、これで最終回なのですが、読んでいる間中楽しかったです。


宮島さんの他の書籍も読んでみたくなりました。