イベルメクチンについて
「1シートが12ミリグラムだと勘違いして2粒24ミリグラム飲んでしまいました。とくに体調に変化なし」
また、mcg(μgマイクログラム)の表記と、mg(ミリグラム)表記がなされている場合があり、
間違った量で飲まれている人も多くいるようです。
特に日本では、体重=mgでのの見方が言われているので、以下でmgに変換して個人輸入をされている方は間違わないようにしてください。
一般的に副作用もほとんどなく、安全とされている人間用のものでも、
過剰摂取で、副作用や死に至る場合もあります。
イベルメクチンは適切な量を守らないと、世界で言われているコロナの予防にもならず、回復もしない
こともわかっています(そのため、承認しない国や使わないと決めている医師なども多くいます。)
そのため、飲まれる場合には個人輸入で手に入れても、必ず医師や薬剤師の指導の下正しく飲むようにしないと、効果もないと言うことにもなります。
また海外で行われている臨床試験の用法用量などを勝手に解釈し、ツイッターに掲載している個人輸入の業者もおり、偽物のイベルメクチンも多く出回っています。
イベルメクチンは臨床試験によって、プロトコール(治験実施計画)が違い、
1回のみの服用もあれば、連続5日間服用の研究もある。
1回の服用量もさまざまで、海外のイベルメクチンの場合は1錠当たりの量の差もが違うことがあります。
「イベルメクチンは安全な薬」とされるが、それは承認された効能効果のために、
定められた用法用量が前提です。
新型コロナの予防や治療としての有効性と安全性が担保された用法用量は、医師によって違い、
まだ確立されていないので、海外のように牛などのイベルメクチンを購入し、服用して重篤な副作用や死に至ることも起こっています。
人間用でも同様なことが起こる場合もあるので、独断飲みは避ける必要があります。
メキシコなどでは、「偽イベルメクチン」の方が圧倒的に出回っていることが報道されています。
アメリカの食品医薬品局(FDA)は、「新型コロナの予防や治療にイベルメクチンを服用すべきではない理由」とする注意喚起がありました。
「コロナ治療薬としてのイベルメクチンは、まだ初期研究の段階だ。未承認の段階で、
イベルメクチンを服用するのは非常に危険である。
『イベルメクチンを大量に服用しても大丈夫』という誤情報で、
イベルメクチンの過剰摂取によって、嘔吐、下痢、アレルギー反応、めまい、発作、昏睡、
そして死を引き起こす可能性がある」
現在、北里大がイベルメクチンの第2相臨床試験を行いながら、
コロナ治療薬としての承認を得ようとしているが、第3波の影響で、遅れが出ていることを
花木教授は明らかにしました。
「患者が急増して、イベルメクチンの臨床試験は事実上ストップになりました。
治療が優先だからです。
東京都医師会や都立病院が臨床試験に参加してくれることになりましたが、
空白期間を巻き返せるかは、わかりません。
イベルメクチンは30年以上、年間約3億人が服用して、大きな副作用もなく、価格も安い。
海外で有効性が報告されているので、第2相臨床試験の結果をもって
特別な承認も検討してもらいたい」
(医薬品の承認は通常は第3相臨床試験まで必要)
信頼性の高いとされるアメリカ医師会の医学誌『JAMA』に、コロンビアで行われた
イベルメクチンの研究論文が公表され、
新型コロナの軽症患者400人をランダムに2つのグループに分け、
5日間連続でイベルメクチンを投与したグループ、
プラセボ(偽薬)を投与したグループを比較したRCTである。
その結果、コロナの症状が解消するまでの期間に2つのグループに統計的な有意差はなかった。
北里大・花木教授は、この研究について次のように指摘する。
この論文は、悪化率がイベルメクチン投与群で2.2%(6人/275人)、
プラセボ群で3.0%(6人/198人)でした。
通常、感染者の20%が悪化するので、本治験は信じられないほど低い数字です。
97%以上が自然治癒する母集団になります。
この母集団ではイベルメクチンが効いても効かなくても有意差はつきません。
このRCTの本来の目的はイベルメクチンの悪化率抑制ですが、
悪化する患者がいないので目的を達成できず、そのために目的を変更しています。
通常、治験の根幹となる目的変更を行ったRCTの信頼度はとても低くなります。
ほかにもプラセボが準備されていないのに試験を開始するとか、
プラセボ群の75人にイベルメクチンを投与するとか、
95%以上が在宅患者など、どうやって治験をコントロールしているのか不思議な治験だと思います」
一方、医薬品の臨床試験に長く関わっている、日本医科大学の勝俣範之教授(腫瘍内科)は、
別の見解を示した。
コロナ軽症患者に大きな有効性は認められない?
「イベルメクチンの研究は、後ろ向き研究や小規模の前向き研究(※)など、
信頼性の乏しいものばかりでした。
今回の研究はイベルメクチンの有効性を検証した、初めての質の高い大規模臨床試験の結果です。
評価を悪化率から完全寛解率に変更したり、一部のプラセボ群にイベルメクチンが投与される
プロトコール違反があったりするなど、問題点も見受けられました。
ただし、その問題点を考慮して、完全寛解率75%と計算、誤って有意差が出なくするエラーを20%に保つようにして、プロトコール違反があった症例を除いて解析するなどしています。
さらに複数の方法で念入りに解析した結果、イベルメクチン投与群とプラセボ投与群に有意差はみられませんでした。
少なくとも、コロナ軽症患者に、イベルメクチンは大きな有効性は認められないと判断してよいでしょう」
(※後ろ向き研究は、治療が終了した患者を対象に、
仮説を立てて過去にさかのぼって原因と結果を研究する手法。
研究側の選択バイアスがかかりやすい。
治療開始から追跡する前向き研究のほうが、質が高い)
コロナ軽症患者を対象にした治療薬の候補として、イベルメクチン以外にも複数の薬が存在している。
その1つが痛風治療薬のコルヒチン。
カナダ、アメリカなど6カ国が参加したCOLCORONA試験では、
重症化リスクのある軽症患者4488例が対象。
コルヒチン投与群は、30日後の死亡および入院リスクが、プラセボ群より21%抑制された
(公表データは査読前論文)。
日本でコルヒチンの医師主導治験を進めている、琉球大学の植田真一郎教授(臨床薬理学講座)に研究の意義を聞いた。
「コロナウイルスの変異株が出ているので、ワクチンだけでコロナを解決できるかどうかわかりません。
少なくとも軽症患者が重症化しない治療薬があれば、病床逼迫も回避できるはずです。
日本でコルヒチンがまったく評判になっていない理由ですか?
それは治験中に期待を持たせすぎると、患者の誘導になるので、
私たちが積極的にアピールしていないからでしょう。
有効性があるか否か、わからないから治験を行うのです。
それなのにコロナに効くというイメージを、患者に与えるのは倫理的に問題です」(琉球大・植田教授)
国のコロナ対策や専門家に対して不信感が深まり、
SNSでは個人の思い込みや根拠に乏しい情報が飛び交うようになった。
一例として、「アビガンが承認されていないのは陰謀」という説が一部で信じられている。
医薬品の承認を受ける際のRCTは、「治験薬」か「プラセボ(偽薬)」か、
患者にはわからないようにするのが大原則。
アビガンの場合、それが不完全だったというのが真実だ。
現在、アビガンは再審査に向けて臨床試験の準備が進められている。
イベルメクチンを特効薬とする報道は論外
医薬品の承認審査に詳しい東京大学薬学部の小野俊介准教授は、
イベルメクチンをめぐる騒動についてこう述べた。
「ちょっと頭を冷やして、と言いたいですね。コロナ禍という非常事態であっても、
イベルメクチンを特効薬とする報道は論外です。
現時点では、イベルメクチンは効くかもしれないし、効かないかもしれない。
RCTにも、研究によって信頼性に差があるので、海外のデータが日本で同じ結果になるとは限らない。
質の高い数千人、数万人の大規模臨床試験を行わない限り、当面の有効性はわからないのです」
軽症患者の治療薬があれば、新型コロナも「ただの風邪」として、恐れる必要はなくなるかもしれない。
いま日本を含めた世界各地で、さまざまなコロナ治療薬の臨床試験が進んでいる。
その結果は、そう遠くない時期に判明するだろう。
見解も様々だが、
FLCCC allianceのイベルメクチンの推奨投与量
イベルメクチンは添付文書上空腹時投与となっていますが、脂肪を含む食事と一緒に内服した場合、吸収が2~3倍増加する。
そのため過剰摂取の場合には、重篤な副作用につながる可能性もある。
FLCCCは食中・食後の投与を推奨しているが、吸収増加を考慮しなければならない。
➡Ivermectin is best taken with a meal or just following a meal (greater absorption).(10page)
2021.6.8 FLCCC&BIRD Protocols for treatments of Covid-19 including ivermectin
イベルメクチン投与量
予防内服 18㎎、週1回
早期自宅療養 24㎎、5日間
暴露後予防 18㎎ 48時間おき
入院治療 0.4–0.6 mg/kg 1日1回 5日間あるいは回復するまで
最新のプロトコールは用量が多めになっているようです。
Ivermectin as an adjunct treatment for hospitalized adult COVID-19 patients: A randomized multi-center clinical trial
この論文では1イベルメクチン投与量を4つの群に分けて、検討しています。
Ⅰ群 200μg/kg, 1回のみ投与
Ⅱ群 隔日3回投与 200, 200, 200 μg/kg 初日、3日目、5日目に投与
Ⅲ群 400μg/kg 1回のみ投与
Ⅳ群 隔日3回投与 400, 200, 200 μg/kg, 初日、3日目、5日目に投与
➡わたしはⅡ群あるいはⅣ群の方法で投与している。論文ではⅢ群が最も有効だった。
大村智先生が2021.5.7日本感染症学会の講演で引用された方法
早期には0.2~0.4mg/㎏1日1回5日間、
遅れた時は0.4~0.6mg/㎏1日1回5日間、
予防内服では0.2µg/㎏週1回
➡予防内服は曝露後予防(つまり濃厚接触時)で使うのがいいのではとも言われています。
A five-day course of ivermectin for the treatment of COVID-19 may reduce the duration of illness Int J Infect Dis, 2021
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7709596/
バングラデッシュ、ダッカでの小さなRCT(n=72)。
この論文では、1回12mg 1日1回 5日間投与が推奨されています。ドキシサイクリンの併用効果はなかったようです。
Ivermectin for Prevention and Treatment of COVID-19 Infection: a Systematic Review and Meta-analysis
この論文はいくつかの治療論文、予防論文をまとめている。
その中からいくつかを投与量を英語でそのまま、投与回数順に記すと、
治療のためのイベルメクチン投与量
①12mg x 1 dose
②9 mg PO if 45kg to 64kg,12mg PO if 65kg to 84kg and 0.15mg/kg if body weight ≧ 85 Kg
③0.2mg/kg x1dose
④0.4mg/kg x 1dose
⑤12mg at 0, 12, and 24 hours(3 doses)
⑥0.2mg/kg x 2days* Some had a 3rd dose a week later
⑦0.4mg/kg x 3 days
⑧14mg daily x 3 days
⑨0.15 to 0.3 mg/ kg x 3 days
⑩0.4mg/kg daily x 4 days
⑪12mg x 5 days
⑫0.2mg/kg x 5 days
⑬0.6mg/kg/day x 5 days
⑭6 mg every 84 hrs x 2 wks or 12 mg every 84 hrs x 2 wks
予防投与量
①2 doses (15mg – 24 mg depending on weight) on day 1 and day 3
②0.4mg/kg, weekly x 2 weeks
③12 mg (in drops) weekly + lota-carrageenan 6 sprays daily x 4 wks
よくある質問 | 医療法人杉原クリニック
https://sugiharaclinic.com/%E3%82%88%E3%81
>Q:イベルメクチンを個人輸入で購入しましたが、飲み方が分かりません。
教えていだけないでしょうか。
A:現在、非常に、電話でのお問合せが多くなっているのが、イベルメクチンです。
しかし、日本では治験が開始されたばかりのため、新型コロナウイルスに対する効果は、不明です。
また、国内向けのプロトコルもありません。
杉原クリニックでは、Front Line COVID-19 Critical Care Alliance(FLCCC)の
プロトコルをもとに、治療を行っています。
当院以外で、新型ウイルスの治療目的で服用される場合は、
必ず医師等にご相談ください。
■新型コロナウイルス・投与方法・使用方法
※服用量の目安
0.2㎎/㎏で計算
※体重 服用量の目安
15~24kg 3mg:1錠
25~35kg 3mg:2錠
36~50kg 3mg:3錠
51~65kg 3mg:4錠
66~79kg 3mg:5錠
80~90kg 3mg:6錠~
※以降体重1㎏あたり約200μgを追加(体重15Kgにつき3㎎の場合1錠)
※個人輸入では12㎎錠が多いようですが、
9㎎にするには4つに割る必要があります。
しかし、実際は困難であるため、
体重が43㎏までの方は、6㎎(半錠)、
43~50㎏までの方は、12㎎(1錠)で、いいと思います。
・体重が15㎏未満の子供は服用できません。
■予防および早期の外来患者治療に関するプロトコル(FLCCC):
・ 予防:0.2㎎/㎏を初日と48時間後に1回、その後2週間ごとに服用
・ 軽症~中等症:0.2㎎/㎏を1日1回5日間、または回復するまで
例. 体重50㎏の方は、3錠を5日間内服
※ 食前または食後に服用、1日1回なので、朝、昼、夕は自由です。
ただ、朝内服したら、翌日以降も同じにして下さい。
■注意事項
・高齢者への安全性は確立されていません。
・イベルメクチンに対し過敏症、既往歴のある方やアレルギーの方は服用できません。
・胎児への影響は不明のため、妊娠中、妊娠予定の方は服用前に必ず医師にご相談ください。
・母乳に移行する可能性があるため、授乳中の場合も同様に、
服用前に必ず医師にご相談ください。
また、通常細菌である結核菌に有効とされるペニシリンがありますが、
このペニシリン系の抗生物質が
中等症までのコロナ感染者に対しての重症化を防ぐとされ、海外では予防にもなると言うことでつかわれています。
日本では報道も含め言われていませんが、イベルメクチンと併せて三日で完治したと言う例も増えています。
もちろん抗生物質は乱用はできませんが、自宅療養者に対しての大きな救いの一つになるかもしれません。
コロナ予防で処方はされないので、いざというときのために用意しておくと良いかもしれませんね。
(関連記事)
イベルメクチンの承認に関する質問主意書 松原仁(立憲)
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