また逢う君へ。笑いや涙に包まれた日々をありがとう。 | きーぽんオフィシャルブログ「Keep on lovin' you」Powered by Ameba

また逢う君へ。笑いや涙に包まれた日々をありがとう。

ちょっと落ち着いたら書こうと思っていた話。長文です。お茶飲みながらどうぞ。



最近のブログの通り、引越したわけです。

きーぽんブログを以前から読んでる方は覚えているでしょうか?

私の隣に住んでいたメグを。



メグを初めて書いた記事はこれかな?

  ↓

きーぽんブログ「家賃が高いから引越しも考えてたけど、面白いからもうちょっとここで暮らそうかなぁ」




そのメグは「結婚」というめでたい理由で、隣に越してきてから1年半でいなくなってしまった。

そのメグを追って、私も引っ越した。8年過ごしてきた部屋は名残惜しかったけどね。




自分はどこに越したかというと・・・・







メグの部屋に。






そう、【202号室】に住んでいたが、隣の【201号室】に引っ越したのだ。よく「引っ越す意味あんの?」と言われたが、一瞬の迷いもなく私はこう答えていた。





「うん。大いにある」と。





この【201号室】・・・・隣に8年住んでた私はよく知っている。すごくいい部屋だということを。その理由はまた別の機会に書こう。

メグも「自分の後がきーぽんだと思うと、嬉しい」と言ってくれていた。





このマンションは2階にはこの二部屋しかなかった。となると・・・だ。

私が8年住んでた部屋に誰かが越してくる。またメグのように仲良くなれるかなぁ・・・いい人だといいなぁ・・・と、まだ見ない隣人を想像していた。





想像しながら半年たったある日。

やっと誰かが202号室に越してきた雰囲気。




その記事がこちら。

 ↓

きーぽんブログ「隣のかわいいあの子」




不思議なことに、隣に越してきた子とはメグのようにまたすぐ仲良くなってしまった。




でもさー、自分の部屋の前の住民が隣に住んでて、間取りも何もかも全部知り尽くしてるって嫌じゃね?




と思い、私が前の住民だということは伏せていた。

だが仲良くなればなるほどお互いの部屋を行き来するようになり、自然と「私が前の住民です」と話している自分がいた。



彼女は「きーぽんが前に住んでたなら逆に嬉しい」とメグのような言葉を笑顔と共に投げかけてくれた。





名は「かなちゃん」という。





かなちゃんはミュージシャンで成功することを目指して東京に上京してきた。私もこの【202号室】でお笑いを始めることを決めた。

「この部屋はそういう気質の子が住むのかなぁ」などと、夢や目標や色んなことを語った。お互いを応援し合っていた。





かなちゃんは私のライブに来てくれたり、私はというと・・・自分の部屋に帰らずかなちゃんちに帰ったり、きーぽん宅で音作りする芸人達をかなちゃんに紹介したり・・・と、まるで寮生活のような日々。

かなちゃんを見た芸人達は一様に「すごくいい子だ」という。





そう、本当にすごくいい子だった。

彼女ならミュージシャンとして成功する・・・誰もがそう思う子だった。





それから時は過ぎた。






昨年の暮れ頃。






携帯電話がなった。画面にはかなちゃんの名前が表示されてた。





かなちゃん

「きーぽん・・・ずっと言いにくかったんだけど・・・・私、明日引っ越すの・・・」





え?え?え?




どうしたの?急すぎるよ!何かあったの??





私は仕事終わりですぐさま【202号室】に駆けつけた。




彼女は私の顔を見るなり、号泣した。




ミュージシャンを一旦諦めて地元の広島に帰るのだという。だが、泣いている彼女には後悔や無念がありありと見えた。

部屋の中はすでに明日には旅立てるくらいのものしか置いてなかった。




彼女はこの一ヶ月間くらいずっと悩み、軽い鬱状態で、東京には相談できる相手もそういなく・・・そりゃそうだ。東京に出てきてまだ一年も経ってないし・・・でも・・・決断する時が刻々と迫ってきてしまい・・・・



理由を聞いた私は「どうしてもう少しでも早く相談してくれなかったの?」と問うた。

私たちにとって、夢を諦めるというのは生活が180度変わることを意味する。人生の重要な分岐点だ。




かなちゃん

「・・・きーぽん忙しそうだったから・・・」






・・・・・・





あ・・・・






またやってしまった・・・・・






私も丁度同じ時期、自分のことで頭の中がいっぱいな日々が続いた。そういえばかなちゃんから電話があったような気がする。

自分の都合いい時だけ連絡して、たった壁1枚しか隔たってない隣の状況に全く意識がいかなかった。思い返せば、最近のかなちゃん宅は静かすぎた。

ごめんよ。かなちゃん・・・。相変わらず自分はダメダメだ。




かなちゃん

「もっと早く相談すればよかった・・・・。そしたら違う結論出したと思う。でももう遅い。いつかまた東京に戻ってくるよう頑張るね・・・」




うん・・・絶対また会おう。私も次に会う時はもっと色んな意味で成長していたい。




その後、私は彼女の残りの荷物などの引越しを手伝った。

同じ部屋の引越しを二度経験したことになる。自分の時と、かなちゃんの時。よっぽど縁あるんだなぁ。この部屋に。

駅まで見送り、お互い泣きながら抱き合った。住宅街の中にある駅が空港のターミナルのように思えた。




数時間後、かなちゃんからメールが来た。


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件名:今、新幹線の中




本文:きーぽん、いってきます!!


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うん。いい文章だ。



メグといい、かなちゃんといい、私は隣人に恵まれている。




次はどんな方が越してくるんだろう・・・・。と想像はもうしない。

私自身が、その合計約10年お世話になったマンションから引っ越してしまったからだ。





現在、【201号室】・【202号室】どちらも空室である。





もし想像するのであれば、今度はどんな人達が入居してくれて、仲良く暮らしてくれるんだろう・・・と、期待を込めて想像するのみだ。