このブログは二次創作イラストやオリジナル小説を中心とした作品置き場です。
気まぐれに更新しているのでどうぞご覧になってください
主に描いているもの
二次創作:任天堂中心。カービィやピクミン、スマブラが好きです。
一次創作:主に童話モチーフの小説を書いています。現在は「The Wonderful Melody of OZ」を執筆中
インクリング参戦ムービーを基にしたお話です。是非、スマブラSP制作決定発表のあのムービーをご参照ください。
スプラの世界はオクト後の時系列で、そこから過去のブキを持って参戦してるというイメージなので舞台はスクエアだったり深海メトロだったりします。
あと若干オクトのネタバレなので注意です。
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「レギュレーション改変からもう一年以上も経つのかぁ」
デカタワーを正面に仰ぐインクリングガールが、ぐっと手を上に伸ばして伸びをしながら、オレンジ色のゲソを揺らす。青空を見上げると、タワーに巻き付くオオデンチナマズの姿が目に入った。傍のモニターにはテンタクルズのライブ映像が流れ、明るい曲調の音楽が広場に響いている。
「シティにいた頃が懐かしく感じるね」
上げた腕をゆっくりと下ろしながら、彼女は独りでに呟いた。イカ達の間の流行は移り変わりが早いもので、若者の興味は一年前の流行の中心地だったハイカラシティからこの街、ハイカラスクエアへと移行している。それに伴い大幅なレギュレーション改変が行われ、ナワバリバトルのステージやブキも以前とは大きく変わっているのだった。
「新しいやつも良いけれど、やっぱり前のも好きだったなぁ……高架下とか」
「あー、デカラインな! 改装工事の後とかは特に、広々してて楽しかったな~」
ガールの後に、隣でガードパイプの上に座っていたボーイが言葉を続けた。彼は青い結いゲソをぴょこぴょこと機嫌よさそうに揺らしながら、器用にパイプの上でバランスをとっている。
「それとガラス通路の駆け引きとか凄かったよな! インク切れになると辛かったけど……」
「めっちゃ分かるそれ! またあそこでナワバリバトルしたいね~」
「そうだな~」
「……」
「……」
元気よく話をしていた二人だが、どちらも昔の思い出を回想しているのか、口を閉ざしてしまった。二つの視線がぼんやりと、スクエアの街並みを眺める。様々なインク色にゲソを染めるイカ達、個性豊かなアイテムをウィンドウに並べたファッション店、眩しい光が溢れるゲームセンター。やっぱりシティとは違うな、とガールは建物達を見つめながら思っていた。シティでは、右手側の建物の二階にシオカラーズの録画スタジオがあり、その隣にはバトルドージョーがあった筈だ。よくドージョーの帰りに、シオカラーズの所に遊びに行っていたっけ……。
「そうだ! バトルドージョーだ!」
「お、おわぁビックリした……どうしたの?」
いきなり叫んだガールの声に驚き、ボーイは姿勢を崩すも、すぐに持ち直して問いかける。一方でガールは目を輝かせて、更に声を張り上げた。
「公式ではもう高架下でナワバリバトルはやってないけれど、ドージョーで申請すればあそこでバトルができるよ!」
その言葉に、ボーイはハッと目を見開いた。そういえばバトルドージョーでは、ナワバリバトルとは別にステージを使用できる仕組みがあったのだった。対戦は一対一形式で、塗った面積ではなく風船を割って得たポイントで競うルールだが、個人でもステージが使用できるのが大きな利点だった。これならば、懐かしいあの場所で戦うこともできる。
「ということで、ワタシとバトルしてみなイカ?」
ガールはいつの間にか、手にスプラシューターを持っていた。街でよく見かける、斜めラインが強調された新モデルではなく、緑色ベースのボディに縦ラインの旧モデル……シティで流行していたころのスプラシューターだ。彼女は銃口をボーイの方に向け、挑発的な笑みを浮かべる。
「……良いぜ! 負ける気はないからな!」
ボーイもインクから旧モデルのスプラシューターを作り出すと、ガールの方へ銃口を向け返した。オレンジ色と青色の二つの視線が噛み合う。両者とも歯を見せて笑いながら、確かな闘志を胸にたぎらせていた。
「待てこのーっ! 勝ち逃げなんてゆるさないからねー!」
「逃げるのも作戦のうちですよ~っと」
「いいからとにかく待ちなさーいっ!」
オレンジ色のインクが、コンクリートの上に飛び散る。地面に広がったインク溜まりの中を、何かが泳いでいった。インクと同じ色をしたイカだ。飛び跳ねながら泳ぐイカは、不意にひときわ大きくジャンプすると、飛沫を散らしながらその姿を変化させる。長いゲソ髪を揺らすヒト型のガールだ。彼女は宙に浮きながらも手持ちのスプラシューターからインク弾を発射し、辺り一面をオレンジ色に染め上げていく。彼女の視線の先にいるのは、対戦相手のボーイだ。追ってくるガールに気が付いたのか、彼は振り返り、青色のインクを撃ちだして応戦する。向かってくる青の弾をひらりとかわしながら、ガールは素早い動きで距離を詰めていく。
「大体わざわざオレを倒さなくても、風船を割ればいいじゃんか~!」
「だってこのポイント差で追いつける気がしないんだもの! 倒したほうが早い!」
ボーイは大きく横に飛びのいてオレンジ色のインクから距離を取りながら、相手にそう投げかけた。だがインクは休む間もなく撃ち出され、彼の背中に迫っていく。ガールはなんとしても敵を倒そうと、素早い動きに必死に照準を合わせていた。
現在の双方の得点は、ガールが十六点、ボーイが二十二点。風船一つで一点分、三十点を先に獲得したほうが勝ちということを考えると、ボーイの方が随分とリードをとっている。だが試合はそう単純ではない。試合中に敵に倒されてしまうと、五点もポイントを失ってしまうのだ。ガールはこれを狙っているのだろう。自ら相手に向かっていき、果敢に勝負を挑む。
激しい撃ち合いが続く中で、ガールは背中のインクタンクに手を伸ばす。直後、何かを敵に向かって投げつけた。ボーイは宙を横切るその姿を目で確認する。淡く光るそれは、スプラッシュボムだ。彼は背後のインク溜まりに咄嗟に潜ると、素早く泳ぎ去り爆風から距離をとる。弾けるインクの向こうで、ガールが再びこちらへ駆けだしたのが見えた。ボーイは来た道を逆走し、長く続くインク道を活かして遠くまで逃げていく。
「はぁ……もー、しぶといな~! って、あれ……?」
息が切れたのか、ガールは徐々に速度を落とす。数歩歩いたところで、彼女は辺りを見回す。と、いつの間にかデカライン高架下ではない場所にいることに気が付いた。薄暗く、何もない平坦な空間だ。青空すらも見られない。そもそもここは室外なのだろうか、室内なのだろうか? きょろきょろと不安げに視線を泳がせるその間にも、辺りはさらに暗い闇に包まれていく。
「一体何なの……? おーい、ちょっと、バトルしてる暇じゃないってこれ! 一回戻ってきてよ~!」
ボーイに呼びかけるも、一寸先は闇の状態で、散らばるインクすら見えなくなっていた。これでは跡をたどることもできない。心細さに肩を落とした時、ふと、背後が明るくなったような気がして、ガールは後ろを振り向いた。顔を向けた途端に、眩しい光と熱気が襲い来る。目に飛び込んできた光景に、彼女は目を大きく見開き、口を開けて呆気にとられていた。
「な、なにあれ……」
巨大な炎が浮かんでいる。真っ黒な空間の中で、赤く輝く円が燃え盛っていた。円には十字のマークが入っており、そこだけは、燃えることなく背景の闇に溶けている。どういう仕組みなのか全く想像がつかない。非現実的な光景を前にして、ガールはその場に立ち尽くしていた。
「あ、いたいた、急に真っ暗になるから心配したんだぜ、って……え、えぇ……?」
遅れて戻ってきたボーイも、炎に気が付いたのか、同じように動きを止める。二人並んで呆然としている最中に、浮かぶ炎の下で、いくつもの影が蠢いた。よく見るとその影は大小様々で、ヒトのようなシルエットのものや、真ん丸のシルエットも見える。メラメラと炎が燃える音だけが鳴る空間に、不意に、パチンと音が響き渡った。空気が揺らぎ、二人の前に巨大な白手袋が現れる。更なる驚きに言葉も出ない彼らの前で、白手袋は、口もないのに張りのある大声で喋り出した。
「ごきげんよう、インクリングの若者達よ! 大乱闘の舞台へようこそ!」
「うぎゃぁぁぁっ!? お化けだぁぁっ!」
「えっ」
インクリング達は二人揃って悲鳴を上げると、イカの姿に変化し、インクの中に潜って逃げて行ってしまった。
取り残された白手袋は、静かにその場に漂っていた。
「サプライズで脅かそうって言ったのはマスターだろ……」
「インクリング達、凄い勢いで行っちゃったね」
「いやそれにしてもお化けか……そうだよな浮かぶ手は怖いよな~ハハハ……」
明るくなった空間の中、地面に横たわる白手袋の傍に、二人の人間が立っていた。一人は赤い帽子にオーバーオールを身に着けていて、もう一人は青い衣装に剣と盾を背負っている。帽子の青年、マリオは落ち込んでいる白手袋を見て小さくため息を付く。
「まぁ誰だって暗闇でマスターを見たら驚くさ。そうくよくよするなって」
「全然慰めになってないぞマリオ……」
「ところでマスター、二人を追わなくていいんですか?」
隣でやり取りが交わされる中で、剣士の青年、リンクはオレンジと青の道の向こうを眺めながら呟く。周りを見てもイカ達の姿は見えない。どこかに隠れているのだろうか。知らない空間に取り残された二人はさぞ心細い思いをしているに違いない。
「そうだよな、追いかけないとな……悪いが二人とも、他の皆を連れて先に戻っていてくれ」
言葉と共に、白手袋がふわりと浮き上がる。そのままインクの道の方へ向くと、手袋は空中を飛んで遠くへ行ってしまった。マリオとリンクの二人は顔を合わせ肩を竦めると、振り返り数々の仲間達が待つ方向へ歩き始めた。
一方、空中に浮かぶ手袋は静かにインク溜りを見下ろしていた。そこら中が塗られたこの状態で、インクの中に潜むことができるイカ達を見つけるのは困難だろう。しかし、手袋がパチンと指を鳴らすと、二色のインクは跡形もなく消えてしまった。隠れる場所が無くなって慌てるイカの元へ、手袋はゆっくりと近づいていった。
「捕まったら絶対ヤバイって……あわわ……」
「イカソーメンにされちゃう……」
「イカソーメンにはしないし、お前達を襲うつもりもない。脅かしたのは悪かったが……ともかく、話だけでも聞いてくれ」
小さなイカの体を更に縮めて、ぷるぷると震えるインクリング達。そんな彼らをこれ以上怖がらせることがないように、手袋は、精一杯優しい声色で語りかけた。ついでと言わんばかりにもう一度指を鳴らすと、辺りの景色が一変し、高架下のコンクリートと緑が共存する広場……馴染み深いデカラインへと戻る。見知った場所に戻ったことで安心したのか、インクリング達はヒトの姿になりゆっくりと立ち上がった。警戒を解いた二人を見て、手袋は体を上下に動かした。頷いているのだろう。
「改めまして……俺はマスターハンド、創造の化身にして大乱闘の主催者だ」
「創造の化身……?」
「大乱闘ってなに?」
二人から同時に質問が飛んでくる。白手袋ことマスターハンドは咳払いをすると、両方の質問に同時に答えるべく、解説を始める。
「大乱闘というのは、互いに戦ってステージから落ちたら負けの、シンプルな競技だ。大体は四人でバトルロイヤルをするのが多いが、チーム戦をしたり、八人で同時に戦ったりもするぞ。戦士達が互いに技をぶつけ合う様はまさに『大乱闘』だな!」
「へぇ〜」
「ねぇ、その大乱闘って、戦争とか……そういう殺伐としたやつじゃないよね……?」
ガールが恐る恐るといった様子で口を挟む。そういった質問をされることも想定内だったようで、マスターハンドは、落ち着き払った様子で言葉を続けた。
「安心してくれ、勿論、スポーツマンシップに乗っ取った純粋な競技だ。お前達がナワバリバトルをするような感覚だと思ってくれ。個性豊かな戦士達と、勝負を通じた友情を築くことができると思うぞ」
「そっか、良かった……」
「ねぇイカちゃん、戦争ってどういうこと?」
「んっ!? い、いや何でもないよ」
ボーイの純粋な瞳に見つめられるも、ガールは気まずそうに目を逸らした。青色のゲソを揺らして不思議そうに首を傾げるが、結局ガールは黙ったままだ。まぁいいか、と興味がそれたところで、「そろそろ次に行っていいか」とマスターハンドが切り出す。
「そして俺は、大乱闘を運営する場所……『世界』を創り出した化身だ。神様みたいなものだな。双子の弟がいるんだが、そいつと一緒に試合の準備を整えたり、大乱闘に参加する戦士を招待しているぞ」
「カミ様なのか! カミ様って、ピーって言ってお告げするだけじゃないんだな」
「……あ、お前達がやっているフェスのことか。そうだな、神様といってもいろんな神様がいるからな」
「マスターハンドはどういうことができるの?」
「なんだってできるぞ! 一瞬で建物を創ったりワープしたり、とにかく色々だな」
話題に興味を示してもらえたことがうれしいのか、マスターハンドは得意げに自らのことを話し始める。インクリング達は時々感嘆の声を上げながら聞き入っていた。そのまま数分間は話していただろうか。喋りすぎたかもしれないと僅かばかりの不安を覚えるが、インクリング達と打ち解けることには成功したようで、彼らは今やマスターハンドのすぐ近くまで寄ってきている。そんな二人の様子を見て、これなら大丈夫か、と彼はここに来た一番の理由を打ち明けることを決意したようだ。
「ということで、だ。インクリング達よ、お前達を大乱闘の舞台へ招待しよう」
彼の手のひらが二人に向けられると、きらきらとした光が空中に漂い、やがて二通の手紙の形を成した。手紙は輝きながらすいと宙を飛び、インクリング達の前に差し出される。よく見ると封蝋には、あの炎と同じ円に十字の組み合わされたマークが入っていた。
「参戦した際にはこの街を離れて別の場所に滞在してもらうことになるが、快適に過ごせる場をこちらから提供しよう。乱闘の無い日には、街に戻ることもできるように配慮するつもりだ。環境が大きく変わることになるが、それに同意してくれるなら、是非とも我々……スマッシュブラザーズの仲間へ加わってくれ」
インクリング達はマスターハンドを見上げ、次に目の前に浮かぶ手紙へ視線を落とす。この手紙は招待状ということなのだろう。ガールとボーイ、二人はちらっと互いを見やると、ほぼ同時に手紙を手に取った。
「ワタシは参戦するよ! ナワバリバトルじゃないバトルっていうのも、楽しそうだし」
「オレも! 戦士達の皆にも、会ってみたいからな~!」
若者達は、屈託のない笑顔を浮かべる。好意的な反応に、返事をするマスターハンドの声色もどことなく嬉しそうだ。
「そうか、それは良かった! では数日後、改めて迎えにくるとしよう。歓迎の準備をしなくてはならないからな! お前達も準備を整えておいてくれ。……と、その前に」
現れた時と同じようにワープで帰ろうとしたのか、指を鳴らす構えをとったマスターハンドだったが、何か用事を思い出したようで構えを解いた。彼の周りに先程と同じ手紙が五通現れる。マスターハンドは、空中に整列した手紙を二人の前へ差し出した。
「今回はインクリングという種族の選手として、全部で八人招くつもりなんだ。お前達以外の残りのメンバーは常駐していなくても大丈夫だが、こちらから呼んだ時には試合に参加してくれる者がいいな……二人とも、フレンドに声をかけてくれないか?」
「フレンドに? もちろんいいぜ! 皆賑やかなのが好きだから、来てくれると思うよ。グリーンさんとか、ピンクちゃんとか……」
「後はネイビーくんとパープルちゃん、ミズイロさんも参加しそうだよねこの五人に声をかけようか」
「話が早くて助かる。では彼らにも後で会いに行くとしよう。協力ありがとうな」
マスターハンドがお礼の言葉を述べる。と、ガールは、手紙の数を改めて数えて、違和感に気が付いたようだ。
「全部で八人、なんだよね? 一人分足りなくない?」
「もう一人は既に決まっているんだ。顔を合わせるのは後になるだろうが、楽しみにしていてくれ」
残りの一人はどんなインクリングなのだろうか。気になったものの、インクリング達はマスターハンドの言葉通り素直に待つことにするようだ。深く追求することはなかった。
その後、迎えに来るまでの大まかな流れを説明し終えると、彼はパチンと指を弾くと共に一瞬で姿を消してしまった。なんだか夢だったみたいだ、とインクリング達は顔を見合わせるも、彼らの手元にある招待状が、夢ではないことを現していた。
(……行くって言っちゃったけど、パトロールの任務はどうしようかなぁ……帰ってこれるみたいだけど、出れる頻度は減っちゃうだろうし、四号と八号に任せるか……)
ハイカラスクエアの路地裏、あまり他のイカが通らないような小道を、オレンジ色のゲソをしたガールが走っている。彼女は周りに誰もいないことを確認すると、黒い色をしたブキを取り出し地面にインク溜まりを作った。イカの姿になった彼女はそのままインクの中へ飛び込む。再びヒトの姿で外へ現れた時、ガールが身に着けていたTシャツは蛍光色のダウンベストへ、スニーカーは丈夫そうな厚底シューズへと姿を変えていた。インクリング特有の尖った耳を、青く輝くヘッドホンがすっぽりと覆っている。「3」のワッペンが付いたボロボロのマントを翻し、彼女は、立ち入り禁止のテープを飛び越え薄暗い地下鉄の入口へ入っていった。
「あ、イカちゃんこんにちは~」
「おぉ、三号か。よく来たのぅ」
ガールが、停車した電車の中へ足を踏み入れると、すぐに二人の人物が出迎えた。イカ……ではなくタコの女の子、八号と、長い髭が特徴的な老イカのアタリメだ。
「やっほー、二人とも」
二人へ挨拶を返すガール。そう、彼女は陰で街を守るヒーロー「New!カラストンビ部隊」の一員なのだ。隊員番号は三号、その為仲間からはそのまま三号と呼ばれている。
「軽くパトロールしてきたけど、特に異常は……なかったよ」
「そうか。ご苦労じゃった」
三号はアタリメに向かって、活動成果を報告した。部隊の中でアタリメは司令官にあたり、彼女の上官ということになる。しかし、マスターハンドのことは言わないようにしたようだ。彼は特に危害を与えてきたというわけではないし、そう考えると、異常というには大げさだろう。三号は車内の座席に腰を下ろす。
「いつもお疲れさま、やっぱり平和なのがいちばんだよね。街を守ってるイカちゃんはやっぱりカッコいいよ」
「そ、そうかな……ありがとう」
八号が近くまで歩み寄り、三号の隣に腰を下ろした。褒められたことが気恥ずかしいのか、三号ははにかみ笑いを浮かべる。そんな二人の向かいに座るアタリメは、突如、「そうじゃ、三号、おヌシに客人が来ておったぞ」と話を切り出した。
「客人って?」
「あ、さっきのお客さん、凄かったよね。大きな手がふわふわ浮かんでたんだよ」
「えっ!? それってまさか……」
アタリメは、立ち上がって荷物置き場をがさがさと探り出す。暫くして「これじゃ、三号宛と言っていたぞィ」と何かを手渡してきた。円に十字の組み合わさったマークの封蝋で留められた、一通の手紙……見覚えがあるどころか、先ほどマスターハンドに貰ったものと同じだ。
「あーやっぱり!」
「なんじゃ、もう知っておったのか。説明の手間が省けたわぃ」
アタリメの手から手紙を受け取った三号は、手元でまじまじと観察をする。見れば見るほど、全く同じだ。マスターハンドが言っていた「もう一人」は自分のことだったのか。謎が解けると同時に、どうしようという思いが浮かんでくる。招待状を二通も受け取ってしまった。
「イカちゃんのことを大乱闘に招待したいって言ってたよ。なんだかよく分からないけれど、凄いところらしいね」
「英雄達が数多く集まるとも聞いたのぅ。そんな集まりに呼ばれるとは、おヌシなかなかやるではなイカ」
二人が話しているも、その内容は三号の頭に入ってきていなかった。どちらかを断るべきか? 断るにしてもどうやって? 迎えが来た時に伝えても遅いだろう。かといって連絡先は一切知らない。どうしたものかと三号はしばし思考をフリーズさせる。
「大乱闘がどんなものか、ワシも一目見てみたいのう……そうじゃ三号、任務として大乱闘の様子を偵察してくるのじゃ!」
「アタリメ司令、それ単に自分が気になってるだけでしょ……わたしもちょっと気になるけど」
そもそも一通目を貰った時も、何故自分に声をかけたのかが不思議だ。ヒーローとしての三号を招待するのなら分かるけれども……わざわざ一昔前のステージで戦っていたところが、目に留まったのだろうか?
「黙っとる、っちゅう事は『YES』ちゅう事じゃな!」
「ん、うぇ!? な、何?」
アタリメ司令の言葉に、三号はハッと我に返る。自分が考え事をしている間に何か話が進んでいたのだろうか。
「イカちゃん、頑張ってきてね~」
「えっ」
どうやら自分は、三号としても大乱闘へ参加する羽目になるらしいとようやく気付いた様子で、彼女は慌てて隣に座る八号とアタリメ司令を見比べる。笑顔で応援の言葉を述べる八号と顔を合わせると、非常に断りづらいことこの上ない。
「ィよーし三号! 大乱闘へレッツゴーじゃ!」
「え、えぇ~!?」
アタリメ司令もノリノリのようで、彼女は二通目の招待状を持ったまま、完全に周りの空気から取り残されていた。
地下鉄の車内の中で、困惑する声が隣の車両まで響き渡っていた。
「タコを見たような気がするんだけどなぁ……」
スマブラSPの情報にワクワクしているうちに乱闘熱が再熱し始めて、最近になってforを連日遊んでいる甘輪です。お久しぶりです。
落書き絵を数枚ですがまとめました。
4コマ。現実年齢最年少と最年長でありイカとタコのこの二人の絡みが描きたかった。あとゲムヲがいる状態で75mが出るといつも思う実録です。
インクリングとゲムヲは対照的な要素が多くてコンビで合わせたくなりますね。そんなような内容の小説をちまちまと描いているのですがその息抜きでもあります。
75mとオービタルゲート周域とかの宇宙系ステージは自分が操作していたとしてもマジで背景に溶け込んで見えなくなる。
しずえさん戦!と聞いて。6年前の、とび森をやってる真っ最中の自分にこれが二世代後のスマブラの絵だと言っても信じてもらえないだろうなぁ…
あのむらびとくんも、しずえさんが隣にいると自然とどう森感が増してほのぼのになる気がします。
そんなしずえさんの可愛さは偉大…というのを描きたかったけどそういえばマリオ達先代ファイターとしずえさんは顔なじみでしたね(アシストで参戦してたし)
スマブラダイレクトにて
「オリマーの風防にヒビが!」→「すぐに直ります」
ってどんな変更点だよ!
すぐに直るならいいんですがそのまま割れちゃいそうで怖いなぁ…と思って描いた落書きです。
原作ではメットが割れたら死んでしまいますからね。
インクリングのカラチェンに3号ギアがあるのを発見してしまった。
スプラ1をやっていたのもあるんですが、オクトの影響で「3号」という存在がかなり好きになったんですよね~特にオクトの後半戦…まさにヒーローなあの身のこなしはカッコいいです。スマブラでイカちゃん使うときは是非とも3号ギアにしたいです。
ここから擬人化↓
思い返すとレトロ亜空コンビはスマブラの世代が変わるたびに擬人化のデザインも変わっていたので、SPに合わせてまた変えてみることにしました。配色やボタンにゲーム&ウオッチ本体っぽい要素が増えましたね。
forのキャラ専用装備品を見て衝撃的だったのですが、ゲムヲの防具がボタン電池で速度装備がLSIということは彼はゲーム&ウオッチ本体も含む概念のキャラクター化…なんですかね?今まではずっと「フラットゾーンの世界に住む住民の一人(いろんな他の住民から技を伝授されてきた)」のが「Mr.ゲーム&ウォッチ」だと思っていたのですがちょっと違うのか…?まぁフィギュアの世界なので深く考えないことにしましょう。
ということでロボットも変えてみました。以前よりメカメカしい感じになったと思います。
SPでのロボットの主な変更点としてはやっぱりホバーゲージだと思うので、その要素を取り入れたくて今までワンピースのような感じだった衣装を上着とスカートに分けました。あと今更ですがロボちゃんの目って元は全然緑じゃなかったですね。昔はなんで緑にしていたのか思い出せませんがたぶんエインシャント卿のイメージからでしょう。でもよく見たらゲームでのロボットの目はピンクに光ることが多いのでハイライトをピンクにしました。
今まで普通のリボンだった髪飾りはなんとなく四角っぽい感じに…RCA端子の飾りもロボットっぽくてなかなか可愛いんじゃないかと気に入っております。というか元のスマブラロボちゃんが可愛いですよね。
以上です。それでは!