懐かシネマ Vol.7 エアポート'75 | B級パラダイス

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またこのサブテーマですんません(笑)
ちょっと前にBSで吹替版が放映されていて、久しぶりに見返したら、先日の「コンドル」同様、映画に夢中になり出した中学生当時を想い出してしまったので記します。
エアポート'75 Airport 1975 (1974年)
監督 : ジャック・スマイト  製作 : ウィリアム・フライ 製作総指揮 : ジェニングス・ラング 脚本 : ドン・インガルス 撮影 : フィリップ・ラスロップ 編集 : J・テリー・ウィリアムズ 音楽 : ジョン・カカバス
出演者 : チャールトン・ヘストン、カレン・ブラック、ジョージ・ケネディ、エフレム・ジンバリスト・Jr、グロリア・スワンソン、リンダ・ブレア、スーザン・クラーク、ヘレン・レディ、ロイ・シネス、エリック・エストラーダ、ダナ・アンドリュース、ナンシー・オルソン、エド・ネルソン、リンダ・ハリソン 、ジェリー・スティラー、マーサ・スコット、マーナ・ロイ、シド・シーザー、アリス・ナン、クライド・クサツ
 
懐かしいなあ、このチラシ。
これは映画を観出したかなり初期、中一の夏に観た一本だ。この映画の公開は1974年の12月だから75年のお正月映画扱いだったんだろう。当時の映画ノートを見てみたら、75年の7月、夏休みに入ってすぐに地元の洋画専門館で観ている。前の記事の「コンドル」の半年前。
映画を観だし、記録ノートを付け始めてまだそのナンバーが一桁の頃の映画だ。ちなみに併映は後にあの「ブッシュマン」を監督するジャミー・ユイスのユーモラスな動物記録映画「ビューティフル・ピープルゆかいな仲間たち」。ううむ、なんという2本立てだ(笑)。
 
以前書いた記事でも記したが、「エクソシスト」の音楽から、「ゴジラ」映画以外の映画に興味を覚えた小学生の俺は、その「エクソシスト」のテーマが入った映画音楽のオムニバスLPを買ったのだった。
サントラ版ではなく「なんちゃらオーケストラ」の演奏したものだったが、その中にはアラン・ドロンの「愛人関係」や「フェリーニのアマルコルド」から「ゴッドフォーザーPartⅡ」、「ボルサリーノ2」などが収録されていた。概ね74年頃に製作・公開された当時の「最新映画」のオムニバスだったのだ。その他「大地震」やロジャー・ムーアの「ゴールド」などに混ざって、この「エアポート'75」も収録されていたのだった。

ジョン・カカバスの哀愁を帯びたスコアは大空を飛ぶジャンボジェットの雄大さもイメージできて大のお気に入りだった。

勇んで映画館に行ったものの、当然聴きなじみのある「なんちゃらオーケストラ」の演奏ではない、本物のサントラのスコアに大いに違和感を覚えたのも覚えている(笑)。
 
当時はブルース・リーのブームでの「ドラゴン映画」、エクソシストのヒット後の「オカルト映画」に続き、本作や前述の「大地震」、そして金字塔の「タワーリング・インフェルノ」などのグランド・ホテル形式の災害物の他、「ジャガーノート」(おお、これもいつか書かねば!)や「ゴールド」などのサスペンス物もみんな「パニック映画」の括りだったのも懐かしい。
 
満員の乗客を乗せたコロンビア航空409便ボーイング747。
そこにパイロットが心臓発作を起こしコースアウトした自家用機が接近!
うわあ、前!前!
衝突されたジャンボ機の操縦室の右側一部が大破し、副操縦士は機外へ放り出され、機関士は即死、機長も重傷を負ってしまう。
操縦士たちを失った409便は、スチュワーデス(敢えて当時の気分でこう書きます(笑))のナンシー(カレン・ブラック)の手に委ねらる。
管制塔からの通信を頼りに、ナンシーは高度を上げたり旋回して山への衝突は何とか避けるものの、到底空港に無事に着陸するスキルは無い。
事態を知った副社長のパトローニ(ジョージ・ケネディ)は、ナンシーの恋人で元747機の教官だったマードック(チャールトン・ヘストン)と共に、120人の乗客乗員を救うべく作戦を立てる。
それは空軍のジェットヘリから空中給油のように、ジャンボの右上部に空いた穴からパイロットを送り込むというものだった・・・。
 
もうチャールトン・ヘストンとジョージ・ケネディが揃い踏みしたら絶対何とかなる感は間違いないのだが(笑)、実は本作でのヘストンはラスト近くまで活躍しないんだよなあ(笑)。
それでも操縦桿を必死に操作する元々斜視気味のカレン・ブラックの凄い形相と共に、空いた穴にヘリから吊り下げたパイロットを送り込む作戦は今観てもなかなかスリリングであった。
1人失敗の図!

その後テレビで観た前作「大空港」で、当時大好きだったジャクリーン・ビセットやジーン・セバーグがスチュワーデスだったのを見て、彼女たちがこっちに出ていればよかったのに!と思ったのもよく覚えている(笑)。

まあ、今回見直しても主役の3人はともかく、その他は、腎臓移植手術を控えている少女にエクソシストのリンダ・ブレアは有名だったけど、彼女を励まし寄り添うシスターのヘレン・レディ(歌手なのですぐわかった)以外は、映画女優のスワンソンを自身を演じたグロリア・スワンソンや、副社長のパトローニ夫人のスーザン・クラーク、機長のエフレム・ジンバリスト・Jrや機外に放り出される副機長ロイ・シネス、即死の機関士エリック・エストラーダや客席にいたシド・シーザーなどは、俳優名だけ見ても当時は誰が誰やら(笑)。最初に出したチラシでも俳優名が写真順に並んで無いしで往生しました(笑)。

その後観た「タワーリング・インフェルノ」は出演者の大半が他の映画でも主役級の面々だったのにこちらはどうしても2流感が当時から漂っていた人が多く、色々俳優の顔を覚えた今観てもやはり地味だったな(笑)。
 
なんでも製作総指揮のジェニングス・ラングは、当時のユニバーサル映画副社長だったそうで、なんと「大地震」も同時進行していたとのこと。チャールトン・ヘストンとジョージ・ケネディは掛け持ちだったんですな(笑)。
重低音の新型音響の「センサラウンド方式」が宣伝された「大地震」の制作費700万ドルに対し、本作は300万ドルと半分以下の制作費であったので、「大地震」の余った製作費で作られたのではないかと噂されたそうだ(笑)。
だけどその「大地震」より絶対スリリングで面白かったと今でも思うのだ。「タワーリング・インフェルノ」には全くかなわないが(笑)。
 
何にせよ前作「大空港」のように空港が舞台にならない(笑)正調エアポートシリーズは、その後もジャック・レモンの「エアポート'77/バミューダからの脱出」、アラン・ドロンの「エアポート'80」とパイロット(と監督他出演者)は変われど、ジョー・パトローニ(ジョージ・ケネディ)だけは変わらず続いていくのも懐かしく思い出されるのでありました(笑)。