キングダム(2019)
監督 : 佐藤信介 脚本 : 黒岩 勉、佐藤信介、原 泰久 撮影監督 : 河津太郎 美術監督 : 斎藤岩男 アクション監督 : 下村勇二 VFXスーパーバイザー : 神谷 誠、小坂一順 音楽 : やまだ豊
出演 : 山﨑賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、満島真之介、阿部進之介、深水元基、六平直政、一ノ瀬ワタル、髙嶋政宏、要潤、橋本じゅん、坂口拓、宇梶剛士、加藤雅也、石橋蓮司、大沢たかお
原作は最初の何話かを読んだが、アニメは全く観てないまま。おまけに、かみさんから「キングダムって三国志的な?」と聞かれても「もう少し前の話だと思うけどそんな感じ」としか答えられないくらい中国史にも疎いと言うのに(笑)、
金曜まで全く観る予定も無かったがムビチケが手に入ったので、出演者も監督もノーチェック、本当に久々に、まったく予備知識が無いまま観てきたこの一本。結論から言えば、なかなか面白かったのだ(笑)。
もっと白状しちゃうと、最近の女優はなんとなく顔と名前が一致する子が増えてきたのだけど、所謂イケメン俳優の区別がつかないんだな(笑)。
本作も主演の山崎賢人は見終わってからも顔が今ひとつ思い出せない(笑)。彼が出演した映画も、女子高生の好きそうなスイーツ系映画は観ないし、ジョジョの実写や「斉木楠雄のΨ難」などコスプレ的な映画もスルーしていたから、さっぱり顔がわからないままでして(笑)。
共演の吉沢亮は「やたらカッコいい奴だなあ」だったのが途中で「お、仮面ライダーメテオの彼だ!」と分かって、役柄も含め凄く良い印象だったのだが、主役の山崎君は、原作もそうなのか知らないが、なんか大声ばかり出してたなあって感じで…って身も蓋も無い言い方だな。ファンの方ごめんなさい(笑)。
まあ、彼の熱さは認めるとして、話は原作を知らなくとも良く分かるし、もう少し掘り下げても…って思ったところや、せっかく中国までロケしたなら、もっと雄大な自然や大平原を観たかった!とか不満は正直あったが、サクサクとテンポ良く物語が進み、2時間超を飽きさせなかったのは確か。
なんやかやで、「GANTZ」や「図書館戦争」「アイアムアヒーロー」と佐藤信介監督の作品は映画館で観てる確率が高いんだな。普通のドラマからアクションへの繋ぎが上手い印象があるが、本作もだ。
もっともこれはアクション監督の下村勇二の功績と言ってもいいかもしれないが。「いぬやしき」や「BLEACH」など佐藤監督と組んだここ2作は未見ながら、上記の3作に「修羅雪姫」など見る限り、本当に彼の手がけるアクションシーンは「日本映画もやるじゃないか!」と言える「活劇」の面白さが詰まっていると思うのだ。
素顔で出てないからパンフ買うまでわからなかった(笑)、清水元基、阿部進之介、一ノ瀬ワタルなどの「クローズZERO」シリーズ出演者など、「動ける」連中が出ているのがポイント高いところ。中でも坂口拓が、貫禄たっぷりに冷徹な殺人狂の左慈役で出ていたのが嬉しかったなあ。
他にも、本田奏多がねじくれた性格の権力者役でピッタリだった。小物感出すの上手いよねえ。
意外だったのは、昔からまったく好きになれない大沢たかおが、多分原作ではもっと大男なはずの王騎役だったのだが、変な性格&台詞回しがやけに似合っていたのも○だったな(笑)。
あと、最近お気に入りの長澤まさみも露出も多くて良かったなあ(笑)。あと、「もしかしたら彼女では?」と登場からしばらくしてからやっと気づいた(笑)橋下環奈も、もっと役柄をクローズアップされてもいいくらいだったしと、原作を知らないが故にキャスティングに違和感が無かったのも良い方向に作用していた。
思えば佐藤監督、漫画原作の映画が多いけど、作品の満足度のアベレージ高い気がするなあ。
少なくとも、かの「惨劇の巨人」いや「進撃の巨人」のような「あーあ、やっちまったなあ…」的な気分になる作品はこれまで無かったもんな。
と言うわけで、決して大傑作ではないものの、もし続編が出来て同じキャストなら、次は少なくとも「興味を持って」鑑賞を検討することは確定の一本でした。