ご無沙汰であります。
恒例となった夏のイベントが21日にあり
その準備に追われすっかりブログから遠のいておりました。
今年で8年目のこのダンスイベント、主催者側の事情で残念ながら今年で最後となりました。
予算は初年度の2004年から比べたら半減、
主催者のトップは「高級なもの」がお好きなようで
プロじゃないアマチュアチームをプロの照明・演出で参加させる今の形は一度お休みとなることに。
所謂「ダンス文化の浸透に一定の効果があった」という理由で。
でも、そんな大人の事情は置いておいて、最後にふさわしい素晴らしい一日となりました
ダンスなんて全く興味もなく、未だに踊ることもできない素人の俺たちが関わって8年。
業界を知らないことが返って良かったのか、どのスタジオやチームに偏ることなく
誰でも参加できるダンスイベントとして認知も高まった8年でもありました。
豪華な照明、大音量の中、VJの映像演出まで加わる素晴らしいステージに県内のダンスチームが憧れ、このイベントに出演することを目標とされるまでに成長したのは嬉しい限り。
加えて今回は1日だけの開催だったのだけど、蓋を開けたら2000人を超える来場者。
たぶん最後ということでご祝儀的な来客もあったとは思うけど
1日の集客としては過去最高のカウントとなり、有終の美を飾ることができました。
アマチュアダンスチームは80数チームがエントリーしたオーディションを経て
キッズから大人まで21チームがショーケース出演したのだけど
思えば初年度はエントリーが13チームだけだったっけ。
このショーケースをメインに、初心者が事前にワークショップを重ねて作品を披露するコーナーあり、
それと並行して高校生ダンス部が対象の課題曲振付を競うコンテンツあり、
ダウン症の子供たちが「ダンスが好きだ!」という想いが溢れるダンスを発表するコーナーあり、
来場者が観るだけでなく一緒に踊るディスコタイムあり・・・と
盛りだくさんのコンテンツすべてに俺は程度の差こそあれ関わってきたのでした。
加えて今年はオリジナルメンバーはISSAだけになった某ダンス&ボーカルユニットに加入した
世界一に輝くダンサーがスペシャルゲストで登場するわ
日本のストリートダンスの基礎を築いた伝説のダンスチームのメンバーは来るわ
同じくかつて世界一に輝いたブレイキンチームのメンバーが60名のキッズと
リアルアキバボーイのメンバーも加えて圧倒的なオープニングを飾るわと
これでもかのコンテンツを1日につめこんだ結果、出演団体40、出演者だけでも450名、
キッズチームの父兄や関係者を含めると550名という人たちと関わりを持ったことになる計算で・・・
こうして書いてみるとほんと凄いイベントだったなあと、自画自賛させてください(笑)
毎年のことではあるけど、運営統括と言う「仕事はよろず引き受けます」状態の俺に
火災報知機が鳴ったとか、出演チームに差し入れしたいとか
会場が満杯で予定になかった席を解放しなきゃとかの色んな問題が降りかかり
それに対処するためあっちゃこっちゃ走りまわっていると、
ろくにステージを観れないのが悔しいところで。
そんな走り回る俺に、本当にたくさんの人が俺の名前を呼んで笑顔で近づいてきてくれました。
数年前のオーディションにチャレンジしたキッズの父兄、
昨年のワークショップに若者に交じって挑戦した40代のお母様、
毎年参加してくれているチームメンバーのお母さん
2年目に参加した時は中学生だったのに今や立派な大人になったダンサー、
昨年オーディションで通らなかった大学生ダンサー・・・
なんで俺の名前そんなに覚えているの?って聞きたいくらいです(笑)。
顔は覚えているのに名前が出てこない俺に
皆が笑顔でこのイベントを楽しんでいることを伝え、その終了を惜しんでくれました。
実は登校拒否だったというワークショップに参加した中学生の女の子のソロ。
その子を指導していたダンスチームの若手二人組の熱いロックダンス。
ゲスト参加を直訴してきた、気のいいブレイカーズ。
自分たちの出番が終わっても、ずーっと会場で、そしてディスコタイムではステージで踊っていた
今年解散するチームの女の子たち。
その姿を思い出すだけでどうしてこうも胸が熱くなってしまうのだろう。
学校や仕事の後に、寝る間も惜しんで、遊ぶ時間を削って
彼ら、彼女らがこの日のために一生懸命ダンスに打ち込んでいるのが透けて見えるからだろうか。
予算が減ってる割にコンテンツが増え、加えてPRやら何やら手間のかかる事に時間ばかりかけて
数字を稼がなきゃならない営業としては失格もいいとこだけど
事務局として、俺もまた多くの時間をそんな彼ら・彼女らと共に出来たことを、
結果、皆が満足するイベントに仕上げあげられたたことだけは誇れるぞ!と思うのです。
ちなみに最初にちょいと差し障りのある文章書いたのと
ここでは俺は匿名でいたいので、ずっとイベント名を記しませんでしたが
このアメブロ内の検索で「O TO MI CHI(実際はひらがなね)」で検索してみてください。
たくさんの方がスタッフ冥利に尽きる記事を書いてくれています。
8年前、初めてこのイベントに携わった時は
不慣れなこともあり、本番前はほとんど帰宅できず、夏なのに風呂にも入ってなかったものでした。
本番当日、かみさんに連れられ会場に来ていた当時小学1年生だった下の娘は
俺を見つけるといきなり抱きついてきて
「うーん、お父さん、カッパ寿司の匂いがする!!」と叫びスタッフの爆笑をかっていました
(カッパ寿司というのは静岡にある回転寿司屋の名前です(笑))。
抱きついてきた娘を愛しいと思いながら
「せめてただの「お寿司屋さん」って言えよ・・・」と思ったあの日からもう8年(笑)
その下の娘は、来年の高校受験の下見でオープンスクールに行ったのに、
こちらにも駆け付けてくれて、最後の方だけかみさんと一緒に観てくれました。
上の娘はダンスにも興味がないから、もう今年は来ないと思っていたら
なんとまあ俺の両親を連れて最初の方から観てくれていました。
大きくなったな。
8年間夏休みに何処にも連れていかなかったのに
文句も言わず、思えば毎年観にきてくれていたんだな。
・・・今更ながらに、ちょっと泣けてきます
プロデューサーやブレーンのディレクター、協力してくれているダンサーさんなど
何人も結婚し、子どもができたりで、我々スタッフにとってもそれぞれの人生に年数を積み重ねた8年。
終了後、皆でぐったりしていると「我々も年をとったという訳だ」とプロデューサーが苦笑い。
このイベントが始まった時に生れてもいなかったキッズダンスチームの初舞台と
同じステージに、世界一に輝くダンサーもあがる。
ある意味掟破りの、恐らく日本中、いや世界中どこを探しても無いこのイベントに携われたことを、
俺は本当に誇りに思います。
2年目からチャットで報告し、クルルで記事を書いたのが3回、アメブロでも3回かな。
毎年こうして顔も知らぬ仲間に報告を書くのも恒例行事だったけど
今年でおしまいです。
昨年より1週間遅い実施だった今年。
本番前日から涼しくなってきました。
今年も俺の夏が終わります。
来年から、こうした想いで振り返ることが無いってことが
今更ながらに堪えてきました。
素敵なステージを飾ってくれた出演者に、
来てくれた笑顔の来場者に
素晴らしい仕事をしてくれたスタッフに
応援してくれた仲間に。
そして、家族に。
ありがとう。
これが終わる。いや終わってしまったのは物凄く寂しいのだけど
俺の40代と共に終わる、宝物のようなイベントでした。
この仕事ができて幸せだったな。
心からそう思うのであります・・・。