椿屋四重奏の解散を惜しむ | B級パラダイス

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もっと早く書くつもりだったが、先日、昨年末をもって解散したことを発表した
椿屋四重奏のことを少し記しておきたい。

彼らを初めて聴いたのは2年前・・・かな。
大好きなTHE BACK HORNのような「昭和チックなカッコイイメロディ」のロックバンドは他にもないんか!
と探していたら、それらしく紹介がされていたのをネットで見つけたのが最初だった。
曰く「『和』を意識した楽曲」「『艶ロック』と称される強烈な個性」・・・。
インパクトある、そして想像力をかき立てられるバンド名もあり、一発で覚えたものだった。

最初に聴いたのがレンタル屋で見つけたBESTアルバムの「RED BEST」。
インディーズ時代からのアルバムも含めた初期3枚のアルバムからチョイスされた1枚だった。

正直自分が求めていたちょっとクサみのある「昭和歌謡チックメロディ」とは明らかに違ったし
これまた求めていた「激しさ」も違ったのだが、別の意味でカッコ良かったのだ、これが。

真っ先に気にいったのがこの「螺旋階段」
ライブでもカッコ良さは損なわれていないのがいい!


これもカッコいい「幻惑」


何だろう。曲が発散する情念と言うか、粘っこい空気感。
これを強調する最大の魅力は何と言っても、いつも濡れてるようなボーカル中田祐二の声なんだよな。

哀しさ、苛立ち、優しさを内包して、やさぐれているのに艶やかな・・・
なんとも形容しがたい「色気」を感じたものだった。

なんか椎名林檎やEGO WRAPPIN'のいくつかの曲のような、
昭和歌謡と言うよりもっと前のキャバレーのようなイメージ。
日本の歌謡曲で言うところの「ブルース」、ジャジーとも言えるけど和的なメロディ。
男でこんなのを歌いこなすのって、他に思いつかなかった。

下世話一歩手前の艶っぽさ。
そんなイメージが強く表れているのがこの曲「恋わずらい」。PVもやさぐれていて大変よろしいのだ。


上のPV観て、いやん濡れちゃう~っ・・・なんて女性がいても、俺、信じるな(笑)
これが入っているのがメジャー第一弾にして3枚目のアルバム「TOKYO CITY RHAPSODY」。
ベストを挟んで2009年に出た「CARNIVAL」アルバムは未だ聴いてないのだが、
収録曲「シンデレラ」はちょっと聴きやすくなった展開。儚なさ、切なさがいいんだよな。


昨年2010年は以前もブログで紹介したシングル「いばらのみち」が「娼婦と淑女」という
昼ドラマの主題歌になって(ハマりすぎだよな)ちょっとヒットしたのだった。
続いてのアルバム「孤独のカンパネラを鳴らせ」は、全体的にスケールアップしてトータルで好きな1枚だった。
こんなシュールでアングラなイメージの曲も大好きなのよ~「NIGHT LIFE


椿屋四重奏はTHE YELLOW MONKEYのTRIBUTE ALBUMでは「BURN」で参加していた。
元曲以上に粘っこく、エロく、そして切なくもうドンピシャで、大いに気にいったカバーだった。
YOU TUBEを観ると他にも安全地帯の「ワインレッドの心」やら
オリジナル・ラブの「接吻 KISS」をカバーしていたけど、
そう、あの何とも粘っこいボーカルはこれらの曲にほんと合うのだなあと、納得であった。

どうですか、気に入っちゃったでしょう?大人のあなたなら尚更(笑)。

でも・・・解散しちゃったんだよなあ・・・ほんとつくづく残念。

昨年夏から既にメンバー内では決まっていたっていうし、しょうがないとは思うのだけど。
もし、ネットで言われているように、こうした良質のロックバンドがの解散理由が
音楽不況で食えないこと、次に進めないことだとしたら、ほんと哀しい。

一言でいえば、
俺にとって椿屋四重奏は、
悪足掻きの青春でした。
それはとても愛しくて、切なくて、
憎たらしくもあり、
悩みの種でもあり、
希望の種でもあり。


椿屋の活動停止に際して、公式ブログに活動の日々をこう評した中田氏の言葉。
胸かきむしられるような愛おしさを感じてしまう。


最後の餞に、嵐が丘の一節で。

咲いて散りゆく花となり
夢と現を抱きすくめて
嵐の中 自ずと望んだこの場所に
涙と雨の
涙と雨の

祝福を



あぁ・・・切ないなあ・・・もう。ほんと、惜しいったらありゃしない。悔しいったらありゃしない。
再び、近い将来、どこかで彼らの音楽に触れられることを祈りつつ。

前にも紹介したけど再度「いばらのみち」。下世話な感じ&切なさがたまらんす(笑)