
昭和歌謡大全集?(2002)
監督:篠原哲雄 原作:村上龍 脚本:大森寿美男
出演:松田龍平、 池内博之、 斉藤陽一郎 、 村田充、 近藤公園 、 安藤政信
樋口可南子、岸本加世子、森尾由美、細川ふみえ、鈴木砂羽
コピー通り「ガキVSオバサン」勝つのはどっちだっていうヘンテコなブラックコメディ。
昭和歌謡を歌うのが趣味という今どきの無軌道若者グループと
同じくカラオケが趣味というオバサングループが、ふとしたきっかけで関わり、
殺し殺され、全面対決になっていく話を「恋の季節」や「チャンチキおけさ」「また逢う日まで」
などの懐かしの昭和歌謡を象徴的な章立てにして進んでいきます。
村上龍の原作はまだ読んでないけど、随所に彼らしい冷徹な視点や
かつての筒井康隆を髣髴とさせるエスカレートする過剰な暴力、
それらが産みだすブラックな笑いが龍の小説の雰囲気を醸し出し結構痛快でありました。
昨今の邦画にありがちで、つい敬遠してしまうベタベタした
またはやけに訳知りであっさりしたドラマになってなくて、自分としては◎でした。
それにしてもその1.オバサングループ綺麗すぎだなー(笑)
樋口可南子のラストの自慰シーンと一瞬竹井みどりと見間違えた鈴木砂羽のエロさ加減!
ちょっとかみさんと見てるのが気恥ずかしくなりました。
でもピップエレキバンは最高だったなー(笑)。
彼女らのガンバリで、オバサンに肩入れしちゃう俺もおっさんになったもんだ(苦笑)
それにしてもその2.松田龍平!ますます親父殿に似てきたねえ・・・
(たまたま昨夜みた「ハゲタカ」でもそう思いました)。
ただしまだ「野獣死すべし」の時の冷ややかな狂気しか似てないけど
これからジーパンの「熱さ」や、工藤や鳴海の「軽さ」を
あの親父譲りの眼とともに見せてくれたら凄みが更に増すのではないかと。
(いや、本人は親父を「コピーする気はないんだろうが(笑))
それにしてもその3.こういう変な映画の芳雄ちゃんはいつも最高だ!
オバサンをやっつけると聞いて武器を調達しちゃう原田芳雄。
もう何も言うことはありません(笑)
万人に受ける映画ではないけど、こうしたR-15邦画もしっかりと作っていって欲しいものです。
村上龍の映画は「だいじょうぶマイフレンド」なんていうへっぽこ監督作見てから
しばらく敬遠してたけどこれはOKであります(笑)。
こんな空気感で「五分後の世界」の映像を観てみたいなあ・・・。