
K-20 怪人20面相・伝
監督・脚本: 佐藤嗣麻子 アクション監督: 横山誠・小池達朗
エグゼクティブプロデューサー: 阿部秀司・奥田誠治
原作: 北村想 『完全版 怪人二十面相・伝』
出演:金城武・松たか子・仲村トオル國村隼・高島礼子
正月休みは泥棒映画と決めてるわけではないのですが(笑)
昨年のナショナル・トレジャーに続いてこの手の映画となりました。
個人的には「ミラーズ」だったけどR15で一家では無理、なら「WALL・E」でも「」良かったのですが
この映画が「原作:北村想」とわかって、かみさん共々「おおおお」と反応、
俺個人としては「エコエコアザラク」の佐藤監督ってこともあって期待度アップ
娘たちも依存なしとのことで行ってまいりました!
結論から言えば「期待した以上に面白かった!」でありました。
日テレ55周年記念作品らしいので来年の今頃TVでやっていそうではありますが(笑)
きちんと金払って観るだけの楽しい時間は保証できる1本です
原作小説を書いた北村想は彼が「プロジェクト・ナビ」という名古屋の劇団を主宰していた頃
ええっと20年ほど前かなあ・・自分とかみさんがかなり気に入ってまして
二人して彼の芝居を見に下北の本多劇場とかに良く観に行っていたのです。
宮沢賢治を下敷きにした芝居を中心にけっこう観た記憶があります。
なんか切なくて、いい芝居が多かったんですよねえ。。。
『想稿・銀河鉄道の夜』 とか『雪をわたって…第二稿・月のあかるさ』とか
『寿歌』なんてのを青山円形劇場に観に行ったの覚えていますが
今日の映画にも出ていた怪優「神戸宏」さんなんかも在籍していた劇団でした。
最近は全然名前を聴いてなかったので久々に「北村想」の名前を見て
その「切なさ」をちょっと期待したのも確かでありました。
彼=北村の好きそうな、戦後間もないレトロな雰囲気を携えながらも
舞台となるパラレルワールド(日本は第二次大戦を回避したという設定)
「帝都」の無国籍レトロな描写が特に功を奏していて結構いい世界観となっています。
そこに単純と言えば単純、えげつなくない程度のドンデン返しのストーリーに
希望を失わない主人公の姿勢と、周囲の一癖ある面々との絆を散りばめ
小気味よいアクションと適度なユーモアを交えた作劇に前述のレトロフューチャー的小道具もあり
観ているうちにどんどん宮崎アニメの実写っぽい感じがしてきます・・・(笑)
すなわちカリオストロの城とかラピュタとか紅の豚などを思い出すところもありましたが、
あれが実写で表現できてると思えばなかなかのものでしょ?
全体的に雰囲気作りから、意外なほどにきっちりした追っかけアクションまで
十分楽しむことができ、気持ち良く暇つぶしできることは受け合います。
まあ金城武や松たか子になんの思い入れもないんですが(笑)
正月家族で行くにはうってつけであります。
個人的には「K-20」が邪魔で(笑) 「怪人20面相・伝」部分を前に出したいとこでしたが
出来上がった映画はやはり「K-20」の方がしっくりくる出来でありましたな。
ちゃんとアクションしている邦画としても自分は評価したいな~という2009年初の劇場鑑賞作、
昨年は尻つぼみだったけど今年はこの勢いでちゃんと劇場でも見るど!と誓うのであります(笑)