まずは「アリス・イン・ワンダーランド」 | B級パラダイス

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健康優良不良中年が、映画、音楽、読書他好きなことを気まぐれに狭く深くいい加減に語り倒すブログであります。

GW初日、だらだら過ごすのもなんなんで、映画に行こうと決めていた。
剣道やってる下の娘のリクエストで「武士道シックスティーン」を狙っていたが
なんと午前中のみの上映。観たがってる娘の部活が午前中だってば・・・!
こういう同じスクリーンで別の映画やる「シネコン的上映時間」ってのは
地方でもマイナーな映画が公開されるチャンスはあるものの融通が効かなくてすかん。
全席指定・入れ替え制っちゅうのも小賢しいのお、ワレ!
と上映時間をPCで調べながら広能ばりに呟いてみたがしょうがないので
かみさんリクエスト、自分も観たかったこいつを夕方から観てきた。


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アリス・イン・ワンダーランド ALICE IN WONDERLAND (2010)
監督:ティム・バートン 脚本:リンダ・ウールヴァートン 撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集:クリス・レベンゾン 音楽:ダニー・エルフマン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ

モンティパイソンやルネ・クレマンの「狼は天使の匂い」はじめ様々な映画で
引用や下敷になってるルイス・キャロル原作のアリスの世界。
すなわち『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』をブレンドした話かと勝手に思っていたら
なんとまあ「13年後」の後日談というオリジナルストーリーということで不安だったが
「不思議~」をなぞるよな導入に「昔来たことを忘れてしまっているアリス」という
キャラの立ち位置が明確になるにつれて不安は全く解消、非常に楽しめた1本だった。

イカレたキャラクターに振り回されて不思議の国を彷徨った原作と比べ
大人アリスは迷いながらも「自分で進んでいく」展開が面白い。
ティム・バートンらしい一見極彩色なのにダーク、楽しげかと思うと憂鬱という世界と相俟って
毒気は少ないながら、自分を見つけ成長することの苦さも纏ってなかなか良かった。

アリスを待ち望んで、彼女を助けながらも別れを惜しむジョニー・デップの既知外帽子屋ハッター。
原作とはかなりイメージが違うけど、メイクを含めシザーハンズを彷彿とさせるが
哀しさと狂気が交互に顔を出すキャラで大活躍。
デップは少しエキセントリックな役ってのが多いんだけど、どれもいいんだ。
バートン映画主演は7回目かな。よほど気が合うんだろう。
きっと大林映画の尾美としのりみたいに監督の分身って奴なんだろね。
(しかし・・・パイレーツ他この人の普通の顔って最近映画で観てない気がする・・・(笑))

彼をはじめ、キャラクターたちは俳優、CGともに魅力的。
っていうか元々の原作キャラがチョロチョロ顔を出すのが楽しかった。
別世界に入った途端に飛んでるユリウマバエとか、カエル執事とか。
特にヘレナ・ボナム=カーターのハートの女王ならぬ赤の女王なんて最高!ビックリしたわ(笑)
絵柄も含め余分な知識を事前にシャットアウトして観てよかったなあ。。。の一瞬でした。
惜しむらくはハンプティ・ダンプティが未登場だったことだな。あとグリフォンも。
でもジャバウォッキーがしっかりでてきたから許す(笑)

ディズニーのアニメとまったく違うこのアナザーアリス。
ワンダーランドならぬアンダーランドでの戦いを経て大人になる成長物語ってことで
非常にわかりやすい1本ではあるものの、子供はもちろん大人こそがしっかり楽しめ
観終わったあと一家で白の女王の手つきをマネして笑えるという、おまけつきの1本であった(笑)