相続と後妻業、報われない嫁は・・・「恍惚の人」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

高齢化社会になればなるほど、連れ合いの片方が存命の者とそうでない者の、残さ
れた者の「寂しさ」を紛らわすのに甘言がほど良くきいて、なんともな業も存在し
て来るとなると、いささか「世の中世知辛い」をより実感出来る。

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百田尚樹『殉愛』(幻冬舎)騒動をめぐって、週刊誌がこぞって擁護に回っている
なか、「週刊朝日」(朝日新聞出版)「サンデー毎日」(毎日新聞社)という新聞
社系週刊誌が驚愕の事実を報道した。なんと、たかじんの妻・さくら夫人が、遺
書に記された寄付先に“遺贈の放棄”を迫っていたというのだ。
たかじんは、遺書に大阪市と母校である桃山学院高校、そしてたかじんが設立にか
かわった一般社団法人「OSAKAあかるクラブ」に遺贈することを書き残していた。
だが、その「OSAKAあかるクラブ」の関係者が「週刊朝日」「サンデー毎日」の
取材に対し、こう証言したのである。
「たかじんの死後、さくら氏から『あかるクラブ』に遺贈される2億円をさくら氏
が中心になって設立する新団体に全額渡してほしいという趣旨の要請があった」
(「週刊朝日」) 「さくらさん側は(たかじん氏が亡くなった)1月のうちに、
同クラブに2億円の寄付の放棄を申し入れたのです。10月になってからは2度にわ
たって自分に渡すように折衝しました」「サンデー毎日」)
関係者によると、あかるクラブ側は理事会でいったんは遺贈の放棄を決定したもの
の、さくら夫人側に「2億円の運用状況を開示してほしい」と条件をつけたところ、
さくら夫人側から「もう放棄していただかなくて結構です。その代わり、メモリ
アルでたかじんの名前を使わないでほしい」と通告してきたという。
そもそも『殉愛』で、百田氏は〈私は遺言書(コピー)をこの目で見ているが、
たかじんの預金は全額寄付することになっている。(中略)これらの金をさくら
はまったく望まなかった〉 と断言していた。だが、あかるクラブ関係者の証言
が事実なら、さくら夫人はたかじんの最期の意思を無視して、寄付金を奪還しよ
うとしていたということではないか。実際、「サンデー毎日」によれば、さくら
夫人側は「遺言書はたかじん氏の意志ではない」とまで言明したという。
しかも、「週刊朝日」「サンデー毎日」には、もうひとつ驚くべき事実が書かれ
ていた。それは、このあかるクラブとの協議の場に、“さくら氏だけでなく百田
氏も同席していた”ということだ。 この協議の席が設けられたのは、証言によ
れば今年10月。『殉愛』の出版前の出来事である。百田氏自身も同席について認
めている。 「さくら氏に頼まれて知人のプロダクション関係者とともに交渉に
同席しましたが、それはその場の発言をちゃんと聞いた証人としてでした」
(「週刊朝日」)
しかし、百田氏の役割は本当に「証人」という程度のものだったのだろうか。
じつは、いまから1か月ほど前、「Yahoo!知恵袋」に今回の記事と同様の告発
が書き込まれていた。 その内容はさくら夫人が寄付金の放棄を迫ったことや、
いったん放棄を決めたあかるクラブ側が条件をつけたところ決裂し、遺贈を受
けることになったことまで、かなり正確だった。 そして、この「Yahoo!知恵
袋」の告発には百田の同席もふれられており、こんな詳細が綴られていた。
〈理事の面々が報告を受けて非常に驚いたことは、その話し合いの場に、何の
予告もなしに、百田氏ともうひとりの放送関係者がさくら夫人に連れられて来
ていたとのこと。 そしてあかるクラブに出された要求というものは、一言で云
えば「つべこべ条件をつけずに全額放棄すればいいんや」ということだったら
しい。 誰であっても百田氏や有力な放送関係者がいれば、それだけで大きな威
圧を感じざるを得なかったのではないか〉
いずれにしても、金が絡んだ交渉の場に顔を出すということは、もはや作家と
取材者の関係を超えている。 ノンフィクションの鉄則である“客観性”はもと
から『殉愛』には微塵もなかったが、ここまでくると、百田氏はもはや、さく
ら夫人の“協力者”“グル”でしかない。

※全文は以下をご覧ください
http://lite-ra.com/2014/12/post-713.html



京都・連続不審死妻「青酸化合物」どこから入手?結婚直後に次々夫死亡
2014/11/20 12:47

京都府警はきのう19日(2014年11月)、夫を毒殺した疑いで67歳の妻・筧千
佐子容疑者を逮捕した。筧は4回の結婚相手がすべて死んでおり、交際中の男
性も死亡している。
このうち2人から青酸反応が出た。筧は「絶対に殺していない」と否定している。
大きな猟奇事件に発展しそうな雲行きだ。
今年3月から「週刊ポスト」が報道
筧は昨年12月(2013年)、夫の勇夫さん(当時75)を青酸化合物で殺害したと
される。2人は結婚相談所を通じて1か月前に結婚したばかりだった。「外出か
ら戻ったら夫が倒れている」と話している。遺産数千万円の一部を相続したほか、
保険金も受け取ったとされる。
発端は今年3月の『週刊ポスト』の報道だった。勇夫さんの血液と胃から青酸化
合物が検出されたこと、それ以前の出来事から「京都連続不審死事件」「67歳
の魔女」と報じた。彼女の周辺では5人が死亡していたからだ。
これを受けて、報道陣に取り巻かれた映像があった。筧は「死人に口なしやから、
私が犯人だと思ってるんでしょ。そんな人生歩みたくない ですよ」「(毒は)
入れてませんよ。私が毒を手に入れる手段がない」「(勇夫さんを発見したとき)
こんな人生なんだと、震えましたね。なんでこうなるの」などと答えていた。
家の中で「ここにこう倒れていた」と再現して見せてもいた。
警察はすぐには動かなかった。慎重に捜査がすすめられ、夏ころになって筧の関
係先から微量の青酸化合物を発見した。裏付けをとったうえで逮捕にいたった。
相当に慎重だ。

http://www.j-cast.com/tv/2014/11/20221316.html
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片方は「殉愛」なる造語での後妻に対する賛美が、いささか誇張されすぎて反発
以上に「胡散臭さ」がぷんぶんとなって、折角のベストセラー作家の評価はがた
ん落ちてのもので、そして下の記事は、それこそ業としての後妻もので、目的は
資産目当て以外ない事象のもので、驚いたことに以下の本にそっくりなので、
より話題となった。



後妻業とはこれいかにで、高齢になった一人者に対して癒しやぬくもりをと期待
させて、その実高齢な人の資産だけに興味があるなんともな性格の卑劣さを隠して
の結婚で、そり者が死んでしまえば相続という遺産の委譲が待っている・・・。
なんともな形容しがたいありさまだが、それが婚活としてありというものも、なん
だか「寂しい日本人」を滲ませてしまって言葉にならない。
それでなくとも高齢といえば、それこそ「痴呆症」のそれと付き合うなんてのがあ
って、介護のそれが家族に重くのしかかる・・・。

で、家族のあり方として「ボケ老人」を家庭内介護をしてみれば、その重責に押し
つぶされる家族・・・、介護される者も介護する者も意思疎通も思うように行かず
軋轢がストレスとして介護する者にどっとやってくる。
それこそ高齢社会の「後妻業」みたいな一人暮らしの老人も同じだが、介護をする
人を焦点を当てて、高齢化もそれ程問題になっていなかった七十年代に、その介護
に対して視点当てて描いて見せたが「恍惚の人」という映画である。



若い時代は自分の境遇に悩み、旅に出て何かを掴むなんてのも、若さゆえの冒険
としてありだが、それが結婚してそれが昔ながらの長男の嫁となれば、あるいは
「恍惚の人」の世話焼きに明け暮れることも・・・。


「恍惚の人」 七十三年公開作

有吉佐和子の原作を映画化したもので、痴呆の老人役が森繁久弥、介護する長男の
嫁が高峰秀子という配役でのモノクロ映画。
高齢になった老人の「ボケ」に付き合わされる嫁の苦悩とストレス、そして人間と
しての触れ合いとか、当時としては事例も余りないような社会派ドラマで、テーマ
は重いものだし、役者が達者だから、ボケ老人も鬼気迫る演技を見せていて、心に
沁みる家族のありようとして年齢を重ねての紡ぎ合いは愛しいのだが、そこに痴呆
という病気が、その触れ合いなどを意味のないものと消化してしまう。



介護するものが長男の嫁というのも、当時としてはありきたりのものだったという
ところは時代の変化もありだが、この長男の嫁という血縁関係から言えば、介護して
やっている血のつながらない者と、そしてその者が死して「相続」というものには
無関係であるを鑑みれば、さて家族の様々なありようの中で、一抹の寂しさも法律に
はあるようで・・・。
何しろ痴呆症となれば、遺言も期待は出来ないし、決して財産のために介護している
訳ではないだろうが、そこらには終末の時を世話した代償は無では・・・。
と、この映画とは違ったところで、なんだかなぁとなって「後妻業」と介護する長男
の嫁ってのでは、人間としては相当の差があるのになんて、映画の意味するところと
違った見方も浮かんできてしまう。
直面してしまう人もいる問題で、その解決法もはなはだないに等しい・・・。
そこらはなんとも不条理な、だが介護にある慈悲ってのが、昔の日本にはあったよう
であり、今現在との隔たりはに暗い気持ちになる。
まして「後妻業」の高齢者同士でも・・・、なんだか暗くなるだけだなぁ・・・。




動画に映画ものはなかったが、こんな歌もありで、そこにはある程度の希望的観測
も含まれて、老人は元気である・・・。



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                 といったところで、またのお越しを・・・。