美談なはずの「殉愛」の騒動と、日本武士の生き様「最後の忠臣蔵」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

タレントの闘病記について、余りの美談としてテレビメ・ディアで取上げられ、そして本も

出版となって、それが「内容についての批判」がね原作者が参戦して、どうでもいい

「騒動」となっているが、死を直前にした人と結婚した女性の様は、なんとも有名な人

との結婚に見える打算と財産の有無が、どうしても見え隠れして・・・。


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歌手やしきたかじんさんと妻さくらさんの出会いから別れまでを書いた、百田尚樹さんの

ノンフィクション「殉愛」(幻冬舎)が2014年11月17日付のオリコン週間BOOK総合ランキ

ングで1位を獲得するなど、大ヒットしている。
その一方、通販大手アマゾンのレビュー欄は賛否が真っ二つで、たかじんさんの弟子か

らは「みんな怒り心頭です」と内容の真偽について批判を受けている。

■アマゾン全347レビュー中193人が星1つ

写真=14年11月7日に発売された「殉愛」(幻冬舎)





「殉愛」は2人のフェイスブックを通じた出会いから、結婚への発展、たかじんさんの闘病

生活、そして14年1月の食道がんによる死去までをまとめたもの。百田さんによると「この

物語は全て事実である」というノンフィクションだ。11月7日の発売からわずか1週間ほどで
推定売上部数6万5000部(オリコン調査)を記録し、話題を集めている。
ツイッターでは読者から「感動した」「涙が止まらなかった」という声が相次いでいる。

2人を知る竹田恒泰さんは「十年分泣いた気がします。最高の作品です」などと手放しで

絶賛するほどだ。
一方、アマゾンのレビューでは全347レビュー中、星5つが119で星1つが193と評価は分か

れている。星1つをつけた人からは、あまりの美談ぶりを「これって本当なの?彼女は自分

を飾っているんじゃないの?という疑問も同時にわいてきます」「女性は、ただの悲劇のヒ

ロインだと言いたいのか最悪だ」など、病気のたかじんさんを支え続けたという、さくらさん

への疑問が相次いで投稿されている。
こうした意見に百田さんは素早く反応。「呆れるのは、証拠もないのに、嘘だ、インチキだ

と決め付ける人がいることだ。その決め付けはどういう精神から来るのかな」と8日、ツイッ

ターでクギを刺した。11日には「Amazonレビュー、未亡人に対する誹謗中傷がひどすぎる!
実態も真実も何も知らない第三者が、何の根拠もなく、匿名で人を傷つける。本当に人間

のクズみたいな人間だと思う!」と怒りをぶちまけた。
そんな中、80年代にたかじんさんの弟子をしていたという歌手の打越元久さんが13日、
「本でコケ落とされてるマネージャーK氏 前マネージャーN氏ほか、たかじんスタッフ/ファ

ン多勢。みんな怒り心頭です」
と百田さんに抗議する内容をブログに書いた。

元弟子「さも真実のように書かれてる」






「殉愛」にはしばしば元マネージャーのK氏とスタッフのU氏が登場する。

作中で2人は、さくらさんに厳しく当たり、たかじんさんから煙たがられているにもかかわ

らず、仕事を取り仕切ろうとする人物として描かれている。特にK氏は個人事務所の帳

簿をいじって、1000万円以上の使途不明金を出したと書かれている。百田さんはツイッ

ターでも「本には書いていませんが、彼は越えてはならない一線を越えました。いずれ

司法の場に引きずり出されるかもしれません(https://twitter.com/hyakutanaoki/status/531321319686537216 )」
としている。
これに打越さんは、
「百田氏は会った事も無ければ取材もしていないマネージャーKを仕事も出来ないミス

ばかりする運転手...とマネージャーK氏をコケ落とした。そして数千万の使途不明金が

あり着服したと記載した!全くのデタラメ話をさも真実のように書かれてる」
と反論。さらに、「あなたは間違った...認めれば良いではないか。奥さんの嘘話を信用し

て、、、いや信じ込んで、、、儲かると察して!そしてやしきたかじん氏の関係者に対し

て侮辱した事に素直に謝りなさい」「いつまでも私たちは百田尚樹という名声と金だけに

欲をむき出した最低な人間を忘れない。実に悔しくて悔しくてたまらない」と激しい言葉

をぶつけた。自身のネットラジオでも「殉愛」について批判を展開。なお、ブログは14日

に削除している。

はたしてさくらさんはどんな人物なのか。前出の竹田さんは「僕は、何度かさくらさんと

会っていますが、さくらさんの人柄は、この本に書かれているとおりです。さくらさんの、

たかじんさんを思う気持ちは本物ですし、さくらさんは、控え目で、気立てがよく、どこか

ら見ても、至極素敵な方です」と11日のブログに書いている。しかし、ネット上に依然とし

て、美談に懐疑的な見方が続いている。


(J-CAST)
http://www.j-cast.com/2014/11/14220950.html

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最期を看取るのは、それなりにけなげな姿勢と映るものだが、それ以後について

「美談としてしたためてしまった物語」について、なんともな批判が巻き起これば、

なんだか昔もそんな「騒動」があったなぁと・・・。

伊良部という野球選手の最後は悲惨で、それを知った時は「幸・不幸の選択」は、

自身の自己責任だからのだが、それでも「どこかに人間的対応」が残っていれば、

違和感もなく、また「守銭奴」「冷酷人間」等の言葉も浮かばないが、どこか生命

よりは金が勝る言動に「人でなし」の日本的感想が浮かぶ・・・。

まぁ男女の間の「トラブル」は犬も食わぬというし、それでも御本を出した人は、

余りにも「美談化」してしまったそれが虚偽であるなら、それこそ詐欺行為に当た

って、折角のベストセラー作家の称号も、翳む結果になる。


で、こういった作られたらしい美談の現実に沿わないお話と、その昔の「義理人情」

ましての武士という本分からは、生きるべき目的が過酷過ぎる物語なんてのがあり

なんとも上の「美談のご本」との余りの格差と重さに、かくあるべき・・・。

それが「最後の忠臣蔵」という映画である。






https://www.youtube.com/watch?v=eFDw6QpmhlY
「最後の忠臣蔵」 十年公開作


四十七士の「主君のあだ討ち」の有名な物語の隠された秘話として、幕府体制批判の

「忠臣としての大石内蔵助」のあだ討ちを敢行してしまった赤穂藩のちりじりになった

藩士の行く末にも配慮する万全の始末の付け方に任命された武士と、同時に大石の

隠し子の成長を託された武士と対照的な役目の二人の武士の歳月を丹念に描いて、

決断のあだ討ちの綿密な事後策までを思案した武士の生き様を、それが理不尽でも

受け入れて、そこに人生を賭ける・・・。

価値を見い出すのはとか・・・、重いテーマの映画は淡々として、華々しい「討ち入りの

裏側」に長年掛けて使命を遂行してしまう精神性は、一途な清々しさを伴う。

と、映画のテーマは「なるほど忠臣蔵」の最後のけじめは、ここにて終了なのだが、

流石に丁寧な心情描写を絡めても、見ているほうにすれば、いささか疲れる・・・。

それでも昨今の「遺産目当て」的な男女間のうんざりする報道とは、一線を画して

心の精神性を描いてみせる映画は、それなりに楽しめた。

もっとも現代的解釈は、そこが理想なのか、それとも脚色なく武士の生き方とは、かく

ありけり・・・。


http://www.youtube.com/watch?v=6zfLpTMxv04"


「俺も生きたや、仁吉のように、義理と人情のこの世界・・・」


江戸時代から明治・大正と時は流れて、敗戦後は美徳の「内容」も変わったようで、

大々的に美談が作り出されて、それが「メディア」の洗脳によって広報されて、

いつしか「価値観の変遷」まで起こり得る・・・。

なんとも変な人とメディアとのコラボは、凄いもんで・・・。

「壬生義士伝」というベースに乗った「永遠の〇」も、この騒動で色褪せてしまう

のは、惜しいけれど・・・、「自己責任」だものなぁ・・・。


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                         といったところで、またのお越しを・・・。