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エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーとのバンド・クリームのベース・
ボーカルとして活躍したジャック・ブルースが、10月25日に肝臓の疾患により
逝去した。27日には、ジンジャーがコメントを、クラプトンがコメントと彼にさ
さげた楽曲「For Jack」を公開しているほか、多数のミュージシャンが追悼の
言葉を捧げている。
ジャック・ブルースに詳しいライターの冬将軍氏は、彼のプレイスタイルが独特
のものであったとして、その功績を次のように語る。
「最近はいわゆる『弾いてみた』動画内で、個性的なベーシストたちが活躍して
いますが、そういった個性派プレイの祖といえる存在はジャックでしょう。彼の
手によってベースソロのようなメロディラインを弾く“歌うベース”は生まれた
といっても過言ではありません。フレットレスベースの弾きこなし方も彼の魅力
で、ミック・カーンのうねるようなフレーズや、ジャコ・パストリアスなどに見
られるインストで弾きまくるベースとは違い、あたかも“フレットがあるような
弾き方”なんです。チェロを学び、ジャズ・グループではアップライトベースを
弾いていた彼にとって、フレットはもはや邪魔なものでしかなかったのかもしれ
ません」
また、ジャックの巧みなテクニックの裏には、作曲家としての“歌を立たせる
ベース”が隠れているという。
「本来クリームのボーカルでもあり、作曲も手がけている彼は、歌を立たせるた
めのテクニカルなベースを弾きます。ジャックは楽器を使わず、頭の中で作曲す
るそうで、曲の組み立てがクラシックの室内楽に似ている。楽曲は演奏のための
設計図という捉え方で、ジャックのベースプレイはその設計図の中で最も効果的
な音使いとリズムを選んでいるように思えます。ジャックのベースは、個性的で
ありながらこれみよがしなソロプレイに走りません。曲が良いと思って改めて聴
くとベースラインのカッコ良さに気付く、そしてベースに注目すると楽曲の別の
良さが見えてくるんです。派手というよりも“印象に残る”ベースで、ロックに
おけるベーシストの役割を改めて気付かせてくれます」
ジャックのようなスタンスのベーシストは、日本にも少なくないと、同氏は続ける。
「ジャックのように一歩引いたところから楽曲とバンドアンサンブルを見る、プ
ロデューサー的な立ち位置のベーシストには、日本だと佐久間正英氏や亀田誠治
氏などが挙げられます。もしかしたら、ベーシストにはもともとプロデューサー
気質の方が多いのかもしれません。また、ギブソンのベース、EB、特にSGシェイ
プのEB-3はジャックが流行らせました。なので、EB-3使ってるベーシストは大な
り少なりジャックの影響を受けているといっても良いのかもしれません。佐藤研
二(ex.マルコシアスバンプ)さんも『日本のジャック・ブルース』と呼ばれる
ほど彼を尊敬していることで知られており、そのプレイスタイルも踏襲しています」
さらに、ジャックのスタイルを踏襲したベースは日本の音楽、こと歌謡曲にマッチ
していると指摘する。
「リズムやアクセントなどを重視する海外の楽曲と比較した際に、日本の歌謡曲
というものは、流暢であり、叙情的なリズムが多く、音符でも白玉を多用してい
ます。そこで楽曲にどうしてもうねりが生まれるため、ジャックが得意としてい
るような“歌うベース=歌と呼応するメロディ”が合うんです。ルートで弾くベ
ースラインと違い、ジャックのベースは、歌に寄り添い、時に相反する裏メロの
部分を弾いているともいえます。プレイヤーとしてだけでなく、ボーカリストと
しても一流であるからこそのスタイルでしょう。歌心のあるベースです。ちなみ
に女性ボーカリストはベースの音を意識して歌うと歌いやすいそうです」
ジャックが生み出した革新的な奏法は、これからも多くのプレイヤーの指針とな
りそうだ。
(文=編集部
http://realsound.jp/2014/10/post-1635_2.html

ジャック・ブルース追悼特別番組放送のお知らせ
2014-10-30 18:37:19 UPDATE
世界のロックシーンに影響を与え、ベースの新たなスタイルを確立した『クリ
ーム」のベーシスト
株式会社USEN(本社:東京都港区、代表取締役社長:田村公正 以下、USEN)
では、2014年10月25日に逝去したロックバンド「クリーム」の元メンバー、
ジャック・ブルースの追悼番組を放送いたします。
エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーと共に結成した「クリーム」で、
リード・ヴォーカリスト兼ベーシストとして、また代表曲の多くを手がけた作
曲家として、バンドを支えたジャック・ブルース。ロックサウンドにおけるベ
ースの新たなスタイルを確立し、後進のバンドに多大な影響を与え、最高のベ
ーシストとしてロック界に君臨した史上最高のロックトリオの真の立役者であ
る彼の音楽的功績は計り知れません。
追悼番組では、この偉大なロック・ミュージシャンに追悼の意を込め、彼の魅
力伝わる名曲や名演奏を通し、足跡を辿ります。“ベース・ソロ状態”と言わ
れたほど、骨太で尖った魅力と繊細さが同居したロック史有数のベースプレイ
をお聴きください。
【USEN音楽放送】
http://release.itmedia.co.jp/release/lifestyle/2014/10/30/80fd90482001153af1bf166e7e322462.html
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二年半余りの活動後は、それ程の活躍を残していないが、流石に一時代を築いた
二年が、それこそ「財産」として、こうして報道がなされる・・・。
当時は画期的なグループであったが、意見対立は激しく仲の悪さは際立っていた
なんてのを知れば、それでも年とともに人間は丸くなるを、こんなところでも見
せ付けられて、時は流れても、当時の雰囲気は動画に残されているいい時代では
ある。
この動画も、その昔日本放送協会で放映したことがあり、それを見た時は
衝撃的だった・・・。
ベースというリズム・セクションはどちらかといえば「縁の下の力持ち」的
側面があり、目立たぬがそれがいないと音の完成度が落ちる・・・。
だけにベース奏者は好きだが、この人の奏法は独特で縁の下から出てきてしま
っている点が、他のベース奏者とはなんとなく違っていて、なんだかなぁ・・・。
それでもトリオというものの力の均衡があったればこその名演となる。
ここのベースは、ティム・ボガードでドラムと共に下支えがしっかりしている。
この後に「クリーム」みたいなトリオとしても活躍するが、さすがジェフ・ベック
は「壊し屋」だったのかもで・・・。
ここのジョン・ポール・ジョンーズの控え目さがベースらしくて・・・。
日本のバンドも、それこそベースでは不満だとばかりのランニング・ベースを
弾いていたのが、ここの人。もっともこのアルバムはストリングスを取り入れ
てなんともな荒々しいベースの様を消し去ってしまっていて残念である。
ここのベースの音を聴いた時は、日本にもいるものだとびっくりしたのを覚えて
いる。
そしてここのベースの人も、歌っている人共に、今は亡き人だが、白人で黒人の
音楽への憧れが・・・。ダック・ダンなんてオモシロ名前は演奏と共に記憶に残る。
遅まきながらご冥福を祈ります。
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