あのライブ映像の衝撃から十一年過ぎて、慰霊の儀式もこじんまりとしたものとなって
来たが、それでも「飛行機を奪っての自爆テロ」の衝撃は、早々風化するものではない。
そんな中で「ハイジャック」されながら、目標物にぶつかることなく自爆を遂げた飛行機
は、乗客の行為として犠牲者が勇敢と称えられるのだが・・・。
それと関連して「イスラム教」の教祖に対する冒涜の映画がひと悶着を起こして・・・。
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11月の米大統領選の話題で一色になりつつある米国の首都ワシントンの博物館で5月
中旬、ブッシュ、クリントン前・元大統領、ベイナー下院議長ら政界関係者総勢約350人
が集まる夕食会があった。2001年9月11日の米同時テロでハイジャックされた4機のう
ち唯一、目的地への突入を阻止した航空機の乗客を追悼するのが目的だ。
米政界重鎮に混じって外国人としてただ1人招かれたのが日本代表の藤崎一郎駐米
大使だった。
米国上空でハイジャックされた航空機のうち2機がニューヨークのワールドトレードセン
ター、1機はワシントン郊外の国防総省にそれぞれ突入。別の1機だけは乗客が果敢に
テロリストに抵抗し、目的地のワシントンにたどり着かなかった。その乗客の1人が早大
理工学部の学生だった久下季哉さん(当時20歳)だった。
「ニューヨークで多数の日本人が亡くなったことは知られているが、テロリストと闘った乗
客の中にも日本人がいたことを、米国人はきちんと覚えていてくれる」。夕食会招待の理
由を藤崎大使はこう話す。夕食会であいさつした米政界関係者の中には久下さんの名前
を挙げて日本の若者に追悼の意を表する人もいたという。
日本政府によると、米同時テロで亡くなった日本人は久下さんを含め24人に上る。テロ全
体では約3千人が亡くなったとされており、ニューヨークでは日本人だけでなく、多くの国
籍の人が亡くなった。しかし「テロ行為を阻止した航空機に乗り合わせた外国人旅行者が
日本人1人だけだったということはあまり知られていない」(藤崎大使)。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0701B_X00C12A6000000/?dg=1
米領事館襲撃の発端映画、「同性愛者で冷酷」な預言者描く- ロイター
(2012年9月13日09時48分)
[カイロ 12日 ロイター] リビア東部ベンガジで11日夜、群衆による米国領事館襲撃を
受けて避難しようとしていたスティーブンス駐リビア米国大使と3人の大使館職員がロケッ
ト弾攻撃で死亡した。
襲撃の発端となったのは米国で制作された映画で、イスラム教の預言者ムハンマドが女
性好きのほか、同性愛者などとしても描かれている。
米メディアは、問題となっている映画「Innocence of Muslims(原題)」について、イスラエ
ル系米国人の不動産開発者が制作し、牧師のテリー・ジョーンズ氏が宣伝に関与したと
伝えている。ジョーンズ氏は2010年にイスラム教の聖典コーランを焼却すると発表し、
アフガニスタンでの抗議デモを誘発した人物で、映画について「風刺的だ」と語っている。
数週間前からインターネット上で広まっていたこの映画は、現代のエジプトでキリスト教
徒の医師がイスラム教徒に診療所を襲撃されるシーンから始まる。物語はその後、ムハ
ンマドの時代にさかのぼり、預言者が妻や他の女性と性的な関係を持つ場面もみられる。
また、コーランがユダヤ教の聖典やキリスト教の聖書から作られたと解されるエピソード
像化が侮辱的ととられて抗議になったり、当局者や聖職者のほか、一般のイスラム教徒
や中東のキリスト教徒が非難する問題に発展したこともある。
http://news.infoseek.co.jp/article/13reutersJAPAN_TYE88C00G.
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911の日を迎えれば、あの衝撃のビルに突っ込む航空機の動画が嫌でも思い出され、
それに関連したかの「イスラム冒涜」の映画のものが、以前から投稿されていたにも
関わらず、この日を境に、急激にクローズアップされてイスラム圏で「反米感情」が
爆発して各地で血なまぐさい騒動に発展している。
そこにはある程度の政治的思惑が透けて見えるが、それとは別に目的を達しなかった
航空機のあらましは、テロと戦い犠牲になった人々に焦点を当てる英雄的描写として
映画の題材になり易いもので、どきゅめんと風の作品が公開された。
http://www.youtube.com/watch?v=r1_cEs0VRKM
「フライト九十三」 〇六年未公開作
こちらは未公開作のやつであるのだが、乗り合わせた乗客の行動と勇敢な行為として
のテロへの抵抗と家族との絆を携帯電話という機器によってリアルな臨場感を描き出
している。
ただ少しばかり美化が臭く感じて、その場の再現には関心があっても、幾分作りが興味
を失わせる・・・。というか、公開された作品のドキュメント風なものを見た後では、やはり
二番煎じ的捉え方しかできない。
http://www.youtube.com/watch?v=gcdnf0Ckxmc
「ユナイテッド九十三」 〇六年公開作
無名の役者を使ってよりドキュメント風に描いた作品ではあるが、公開当時は衝撃的な
映像が過ぎた月日と、そして「陰謀説」を交えて思考すると、果たして乗客のヒーロー的
行動か、それとも軍の戦闘機による「撃墜」のそれかの確証もないから、乗客の描き方
に無理もありそうとなって来るのだが・・・。
何はともあれ、その場に立たされた時の行動力は「人間としての生き方」が試されるかの
緊迫感をこの映画からは感じた。
http://www.youtube.com/watch?v=VAk49-kpv-M
「恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ」 七十八年未公開作
911が起こって、俄然注目が集まったサスペンス・ホラー映画。
何よりビルに突っ込む航空機という場面には、やはりダブるものがある。
こちらは超能力の男の物語で、思念がとかの目に見えぬものを演技者の迫真の演技
に映像を絡めて恐怖を増幅させるという、趣のある映画だが公開されていないのは、や
はり思念の現実化が当時としては「受けない」と見られたからか・・・。
それが現実にビルに航空機が突っ込むという事態が起これば、思念での云々を抜いても
大きな危惧につながる便利な乗り物も災難をもたらす凶器になりうると、今更ながらに
思える・・・。
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といったところで、またのお越しを・・・。