かの大阪の報道には、いささか「釣堀の釣り人」対「餌付けされた魚」並みの
「引っ掛かり」を想起して、なんたらの意見と「バックボーン」のなさを露呈
してなんとも戦後の教育の「自由度」のいかがわしさを滲ませる。
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大阪市教委は21日、市立小計298校で同日行われた卒業式で、大領小(住
吉区)の女性教諭(55)が国歌斉唱時に起立しなかったと発表した。
市教委は、起立斉唱を求める校長の職務命令に違反したとして処分を検討する。
市立学校の卒業式で起立しなかった教員は、中学校を含め今春3人目。
発表では、女性教諭は校長から事前に職務命令を受けた際、「橋下徹市長によ
る急激な改革で教育の破壊が進んでおり、反対の意思を示すため教師生命をか
けて座る」と述べたという。

大阪府内ではこのほか、高槻、茨木、豊中各市の小中学校の卒業式でも教諭各
1人が起立しなかったことも判明した。
(2012年3月22日08時22分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120322-OYT1T00008.htm
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この発言した教師の年齢が中高年であるに「六十年代」から吹き荒れた「左翼
運動」の残渣をみるのだが、ただその頃の「学園もの」というものを鑑みると、
「既存の常識打破」こそが「暴力革命」のそれと「批判からしか行動出来ない」
偏りすぎた社会経験のない者たちの行動様式が透けてくる。
で、学園ものの変遷がくっきりと分かれる年代的にも、こんな人々が過ごした時
代が当てはまってくる。
戦中派から戦後派の制作側の「思惑」が、清純な青春から暴力的描写へと移り変
わる過渡期に「青春歌謡映画」というものも含まれ、価値観の変遷と共に映画の
生業のさまが色濃く残る三十年代後半の歌謡曲のヒットと連動したものが含まれ
るのでは・・・、特に舟木一夫のヒット曲を題名にしたものもこの中に入るだろ
う。

「高校三年生」 六十三年公開作
原作は富島健夫ものの作品に、当時ヒットした曲を絡めただのもので、
内容と主題歌は合ってはいない。
ただ当時の交通手段の「自転車通学」の出だしとバックに流れる歌は、溌剌と
した当時の高校生の躍動感を描写して、青春の絵としてははまっていた。

「学園広場」六十三年公開作
こちらは当時の日活の他の映画社への「対抗心」が、ありありとみられる。
こちらは「脚本」をオリジナルで仕上げたから、上の内容に合わない「刺身の
ツマ」的立場になっていない舟木一夫のセリフもなかなか上と違ってしっかり
しているし、展開もなかなか二転三転の内容で面白い・・・。

「君たちがいて僕がいた」 六十四年公開作
大映、日活と来て東映は、本間千代子を相手役にして、富島健夫の原作ものの
高校生の危うさと教師との関係、そしてやはりというか「青春」に付き物の恋愛
と、そしてそれらに歌の魅力をちりばめて、特に本間千代子の挿入歌がイメージ
ビデオのそれと同じで、映画を見る目的がこちらにある人にとっては、なんとも
東映のあざとさも嬉しいあざとさではある。

多感な時期を映像化するのに、時代の流れを見れば「ほのぼのとした時代」なの
を画像は物語り、それでいて高校生の行動様式はそれ程変化していない。
ここでもやはり「先生と生徒」の禁断の関係もそこはかとなく描きつつ、それで
もすんでのところで踏みとどまり、清純さのそれと女の成熟度を押しとどめて、
最終的には「清楚な関係」で、ハッピーエンドへと持って行く・・・。
時代が描く自由度をそれなりに規制したとも取れるし、ましてヒット歌謡のそれ
に応用となれば、より清々しい関係が求められる。
また見る人もそれを望む雰囲気はなく、青春の苦さと素晴らしさ謳歌が、こうい
った種のものを需要のための供給とすれば、世の中の青少年の思考もそれにおの
ずと導かれる。

「修学旅行」 舟木一夫
こちらは舟木のヒット曲に当てはめた六十二年の上の画像の作品のもの。
これも青春小説の「石坂洋次郎」の三度目か四度目の映画化だが、内容からす
ると、こちらは「禁断の関係」をそれなりに危うい関係に持っていこうとして、
それでも清純派の代表としての「吉永小百合」の小悪魔的奔放さで、教師役を
翻弄させると、何よりの魅力が高校生役のほうにあり、教師はそれに振り回さ
れる役柄となって「刺身のつま」的扱いとなるから、流石に石原裕次郎も二度
と共演するのは御免となってしまう。
この物語は以後、したのような形で受け継がれていくのだが、この作品の「焼
きまわし」ともとれなくはない。
「僕たちの失敗」
相当に古くて新しい「禁断の関係」を年齢ギャップのなさと捉えれば、日本で
も男女の成熟度において、やはり女の方がより奔放でそれでいながら「意思の
固さ」もと、なんだか女性視点で見れば、これらの作品以後「不良の暴力」的
な学園ものも、時代背景の「自由」の吐き違いも見て取れる。
にしても「教師の目指す理想像」は、本人の思考で「自分の意思の実現」のた
めの「道具としての生徒」となって、そこには上の作品群に描かれる教師とは
いや、時代の変遷が「自己愛」にしか傾注しない空気を七十年代から引きずっ
てしまったのかも・・・。
まぁ、難しい話よりは、ノスタルジィーに浸る歌はいいものだ。
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といったところで、またのお越しを・・・。