憎まれ役いればこそ、主役が光る「フェルナルド・サンチョ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

憎まれ役がいるから主役がより以上に光るのは、何も映画とかの話でだけでな
く、抵抗勢力と改革を謳えば「判断材料」として、とっても分かり易い構図と
なって「雪崩現象」を起こすのは選挙前から予測出来た・・・。
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大阪市労働組合 「人件費削減? もっと税金取ったらええやん」

30日、読売新聞は、「橋下徹・新市長は29日、自らの月額給与を3割、
退職金を半額カットする条例案を、市長就任直後の12月議会に提案する意向」
と報じた。
この報道を取り上げた掲示板上では、過去に行われた、 大阪市労働組合と橋下
氏による人件費削減に関する討論の動画が掲載されたが、その内容が再び話題
になっている。
前述した動画では、大阪府知事だった橋下氏が「財政が厳しいので人件費削減
に応じて欲しい」と要請したところ、労働組合側は「もっと税金取ったらええ
やん」、と暴言ともとれる回答しており、ネットユーザーからは「クズの中の
クズ」「公務員ってこんなもんばっかりなんだからそりゃギリシャも破綻する
わ」など、改めて怒りの声が寄せられた。
橋下氏の提案が議会で可決されれば、大阪市市長の現在の月額給与は142万円、
1期4年の退職金は3953万なので、橋下氏は月給から約42万円、退職金からは
約1977万円がカットされることになる。
自らの給料を大幅カットする橋下氏に対し、大阪市役所の所員はどのような反
応を見せるのか、注目が集まりそうだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/6076877/

「(選挙結果という)民意を無視する職員は市役所から去ってもらう」「補助
金や職員の給与体系を徹底的に見直す」。橋下新市長は27日夜、当選後の記
者会見で宣言。ダブル選の旗印に掲げた
大阪都構想は市役所を解体する改革とあって、職員らは戦々恐々だ。
大阪市の職員は悪、というイメージを持っているように思う。市のこれまでの
行革努力もわかってくれると期待したいが…」。ある職員は、橋下氏への不安
を漏らす。
市幹部は「橋下さんの近くで仕える気はない。早く(人事異動で)どこかへ飛
ばしてほしい」とつぶやいた。
橋下氏の発信力に期待する声も。ある中堅幹部は、全国の市町村で生活保護費
受給者が最も多い現状に関し、「これまでも自治体負担の軽減などを国に求め
てきたが、なかなか実現する気配がなかった。
橋下新市長なら、国にもの申し、制度を動かしてくれるのでは」と歓迎。
ある若手職員も「あの発信力で大阪全体を盛り上げ、景気をよくしてほしい」
と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111128-OYT1T00486.htm?from=top


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府知事時代の労組とのやり取りから見られる「労働者という公務員」の言い草
からは、公僕とかの「公共性」は感じられず、組合幹部の「労働貴族」ぶりだ
けがクローズ・アップしている。
これでは改革を断行する者と、抵抗勢力の図式が出来上がり一般有権者にすれ
ば「公共の断絶」を見せられているかのようである。
こういった時、憎まれ役として見立てられる公務員の態度が、今回の選挙結果
に如実に現れるのは当たり前だろう。
何しろ税金で禄を食む者たちが不遜であれば、善悪がはっきりしてしまう。
そこに踊られやすい人は食いつき・・・。
もっともだからといって大阪の公務員が「すべて駄目」ではないだろうが、自
治労という組織自体は腐っているを物語っているのは確かだろう。
「労働」という言葉に酔い過ぎると「サービス業」であるの自覚は疎かになり、
社会主義の一番醜悪な面ばかりが出てきてしまう。
何しろ労働怠慢でも「クビ」の危険性を皆無にしている労働法に守られた待遇
で「倒産の危機」が皆無な職場なのだから・・・。

と、分かり易い構図の対立は、映画での憎まれ役の存在がでかければより主役
は印象に残るし、観客は憎まれ役がやられれば喝采となって、ひと時の溜飲を
下げる役目も果たすと、まぁ構図的には憎憎しい面構えとか行動とかが光ると
「憎まれ役」も、印象には残る。
そんな中で、憎まれ悪役なのだが、その体系も手伝って憎みきれない感じな
悪役としてマカロニ・ウェスタンの名物とあだ名されるのが、この男ではない
だろうか・・・。

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「フェルナンド・サンチョ」
流石にこのキャラクターは世界に「好きな人」が多数存在しているから、こん
なトリビュート動画も存在している。

で、映画といえば、モンゴメリー・ウッド主演の・・・。
マカロニに付き物のまがい物としての役者名もアメリカ・ネーミングでヒット
すればいたりあ名に変更して、ジャリアーノ・ジェンマ主演での競演が多いの
はカロニでもどこまでも「甘い演技」のものと、レオーネ的殺伐感が薄いもの
には、どこか悪役でも憎みきれないキャラクターとしての存在感は、残酷なも
のもオブラートに包んで・・・。


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「南から来た用心棒」六十七年公開作

ここでのサンチョはメキシコの大親分で、子分を増やす目的で刑務所を爆破
して、その中に主人公も含まれていてと、それが最後にはいろいろな事象の後
対決する。
物語り自体は有り触れたものであるが、ここでは印象的に主題歌にのって、正
義でもないが、それでもニヒルな主人公が最後は勝利して去って行くというマ
カロニの王道を貫いて、また邦題が邦題だけに見れた一本。

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サンチョの悪役振りが際立つのがこの「南から来た用心棒」であり、メキシン
人悪党として役名までも「サンチョ」で通るのだから・・・。

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サンチョの殺戮方法は、そのフッツな体つきで笑いながら撃ち殺すという
残虐な方法なのだが、その体つきからはどうしても「極悪」のイメージが湧か
ないで、軽い感じになるのはキャラクターのそれだからか・・・。

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「夕陽の用心棒」六十五年未公開作

このマカロニヒットの題名を二つくっつけたようなものが、ジェンマのそして
サンチョが認知されたもの。
サンチョ率いる一味が、強奪した十万ドルとともに立て篭もる一家に、無実の罪で
服役したジェンマが解き放たれて対決する。
報酬は一味の奪った十万ドルの三十パーセントとか・・・。

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「荒野の一ドル銀貨」六十六年公開作

日本ではこちらの方がジェンマのデビュー作となるもの。
これにはサンチョは出ていない。ただ歌がいいのでリンクした。


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「続荒野の一ドル銀貨」 六十六年公開作

これがおかしなことに「夕陽の用心棒」の続編・・・。
って、配給が東和映画なのだろうと思うが、用心棒が当たれば、続荒野のとか
真昼の、そして南からと、すべてにおいて全く関係ないものでも、「用心棒」
わくっ付けるとか・・・、まぁ、マカロニの設定は大概賞金稼ぎと「対立する
者たち」だから、あながち間違っているわけではないが・・・。

こちらは音楽のモリコーネも手軽な感じで一丁上がり・・・。
そして物語りもちょっと深刻に妻と娘の復讐劇と、何より痛めつけられた右手
に変わり、左手での対決とか・・・、
悪役のボスはサンチョから代わっているのは、夕陽の用心棒からの続編という
ことなのだろう。

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「さすらいの一匹狼」六十七年公開作

こちらも賞金稼ぎものだが、面白いのがスコープ付きライフルの凄腕という
設定が、荒野と呼べるスペインの山肌と荒地をスケール大きく見せるのに、
映像として役立っていて、立体感と共に射程距離の長さが緊迫感を生み出すのに
役立っていた。
この作品でもサンチョは悪役ボスでなく脇を固めるだけだが、そりゃ黙ってい
ても目立つから・・・。
こちらも歌が何より印象に残り、そして最後の対決シーンが・・・。
スコープ付きライフルが批判されれば、それをさらりと捨てて対決、息詰まる
対決シーンは息吹わ感じるようなショット割で、一秒の差で勝敗を分ける見事
な映像とりまとめをしている。
ちなみにスコープを貫いて敵を倒すのだが、そこには笑いが出てしまった。
それはニヒルなはずの主人公のキャラクターが似つかわしくないのも手伝って
場面展開がいいのだから、違った人を主役すればもっとと思われる・・・。

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「荒野の十万ドル」六十七年公開作

ここら辺からマカロニはマンネリとなり、熱心に見るのが「あほらしく」感じ
始めた・・・。何しろ日本語吹き替えなのである。
サンチョも・・・、これは劇場で見てあきれ返ったのを覚えている。
にしてもサンチョが主人公を助ける賞金稼ぎって、無理がありすぎ・・・。

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http://www.youtube.com/watch?v=InA2yrKw0y8&feature=related

「帰らざる戦場/ナチ占領軍に総反撃せよ!」七十一年未公開作

マカロニ衰退以後、こんな戦争映画で主役の親父役を演じていた。

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それ以後は、スペイン産のホラー映画で、人の良い町長役とかちょいちょい
出ている・・・。
ただ映画自体が、グダグタでヒットする要素がないものばかり・・・。

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あれっ、これにも出てた程度の役柄では・・・。
というかマカロニの憎まれ役のメキシコ人悪役の印象が強いと、どうもそれが
固定化してしまって・・・。

と、まぁ、憎まれ役が「はまり役」の脱皮は想像以上に難しいのかも・・・。
さて、役柄でもないのに「抵抗勢力」として認識される地方公務員の「矜持」
は、本来の役割に戻って受け入れられるか、それとも削減徹底抗戦の庶民との
意識の乖離にどんどん進んでいくか・・・。
納税の意義に疑問符を持たれる公務員では、道義的にも「納税」に躊躇が出て
きてしまうと思うが・・・。 憎まれない憎まれ役・・・、難しいものである。



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                 といったところで、またのお越しを・・・。