その昔は「北の果て」に、失われた自然がそのまま・・・「地球の頂上の島」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

自然エネルギーの宝庫として注目を集める北極圏の権益に各国が血眼になり、確保

に激しさを増しているようである。


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北極に寄せる関心を北京が露わにするにつれ、利害をもつ各国に波紋を呼んでいる。

北極圏は第1に資源の宝庫、第2にその海が有望な航路となり得る。海の氷は融けつ

つあり、期待の眼は北の海に向く。
関係国が先住民などを巻き込み、利害調整とルール作りのため作った仕組みに北極

評議会(AC)なるものがある。この先、開発案件のあれこれをめぐって思惑渦巻く交渉

舞台となるのが必定のACは、参加資格が3段階だ。
決議権をもつ正式理事国と、発言だけできるオブザーバー国。それからオブザーバー

にしてくれと申請中の国という範疇があり、ここに属しても一部会議に出ることができる。
中国が、第3の範疇に加わったのは2006年のこと。米、露、加とノルディック各国の8国

からなる理事国総意の承認が必要で、オブザーバーへの道は遠い。だが挙手し続け

る限りACに影響を及ぼせる。かつその資金力と消費国としての存在感は、デンマーク

などを北京へなびかせつつある。
新たに国産砕氷艦を1隻追加するのだとか、ロシアの資源を大量引き取りするつもりだ

とか、中国の挙動が北極をめぐって注目を集めるのである。

■北極の地政学変える 初夢で見る25年後

新年号でお見せする夢として好適かどうかはともかく、四半世紀後、北極地政学に起

きていたとして驚くべきでない変化とはどんなものだろうか。
グリーンランドは、デンマークから独立している。手つかずだった膨大な油田の採掘を

担うのは中国国営石油会社。北京は独立時に資金を助けて採掘権を得、艦船の寄港

を認めさせた。
アイスランドには中国のインテリジェント倉庫がある。そこから欧州、米国の最終消費

者に、中国企業は即座に供給できる。誰より早く中国を北極海へ導き入れたアイスラ

ンド(10年10月号本欄参照)はまだNATO(北大西洋条約機構)の成員だが、軍事同盟

はとっくに形骸化、首都レイキャビクで中国人水兵の姿をよく見る。ここも中国軍艦船

の補給地だからだ。
中国が輸入する石油、天然ガスの3割は、もはや「北から」になった。ロシアで長い政

権を続けたプーチン大統領は任期中2隻の空母を就航させ、1隻を日本海の基地に

配備した。経済では中国に大きく依存するが、対中交渉力を残しておきたいからだ。
日本海は様変わりしている。朝鮮半島北部の港・元山は事実上の中国海軍基地だ。

日本海から津軽海峡か宗谷海峡を抜け北極海へ向かう中国商船隊を、元山の艦船

・潜水艦が守る。韓国に加担し中国が国連を動かした結果、海はいま公式に「東海」

と呼ばれる……。

■カナダと米国衝突 対立は中国に有利

現実に戻ろう。デンマーク対グリーンランド、カナダ対米国など、北極地政学には現

に活断層が何本か走る。
北極には南極と違い一般海洋法が適用される。しかし氷が張った海域に関する同

法の例外規定が解釈に幅を生む。例えばカナダが内水だという航路は、米国が公

海だと主張し譲らない。
つけこむ余地が北京にできる。その分中国の影が関係国には誇大に映り、それが

また北京に政治力を加算する循環ダイナミズムが既にある。
11年10月、在中国デンマーク大使は北京の北極に対する関心を「自然かつ正当」

だとし、中国をACオブザーバーにすべきだと述べた。ダイナミズムが早くも動き出

した表れだ。
上海から北極経由ドイツのハンブルクへ行くと、南回りより6400キロ短縮できる。

関心をもつ理由は中国にあるが、必ずや海軍力を随伴するだろうことが周辺国を

不安にする。
日本がACオブザーバーになる意向を示したのは中国に遅れること3年、09年のこ

とだった。実は韓国にも3年遅れた。うかうかできない。


WEDGE Infinity(ウェッジ) 2012年01月12日(Thu) 谷口智彦
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1647
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1647?page=2



「西側の差別だ」、アイスランドの土地購入を断られた中国人企業家が反論―英メディア

2011年11月27日、アイスランド政府に土地買収申請を却下された中国人企業家、黄怒

波(ホアン・ヌーボー)氏が「西側国家の差別だ」と怒りをあらわにしている。英BBC放送

の中国語版ウェブサイトが伝えた。
黄氏はアイスランドの国土の0.3%に相当する荒野300平方キロメートルを購入する計

画を発表、世界的な注目を集めていた。2億ドル(約155億円)を投じてレジャー施設を

建設する予定だと説明していたが、国際社会は北極航路開通の第一歩だと警戒を強

め、アイスランド国内でも黄氏が中国中央宣伝部の出身であることに懸念を示す声が

多く上がっていた。
同氏は中国国営の新華社通信に対し、「自分から売り込みにいったわけではない。

先方の外資企業誘致に応じただけ」と強調。「アイスランド内部の党派争いが今回の

申請却下の原因。自分はそれに巻き込まれた犠牲者」と不快感をあらわにした。
アイスランドのヨーナスソン内務相は25日、申請を却下したことについて「これは政府

の最終決定。
上訴はできない」と発表。また、同国政府によると、外国企業の土地購入には厳しい条

件を課しており、黄氏はそれをクリアできなかった。
これを受け、黄氏は声明を発表し、「アイスランドの土地購入計画に政治的な意図は一

切ない」と反論している。一方、同国のシグルザルドッティル首相は黄氏の投資計画に

は賛成の意を示しており、内務省の決定に落胆しているという。(翻訳・編集/NN)


Record China 2011年11月28日 17時42分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=56431


【エグモントアーンゼー(オランダ)16日ロイター時事】オランダが2006年に当地に同

国初の洋上風力発電設備を設置したとき、この設備はグリーンな将来のシンボルと見ら

れていた。
北海の洋上にそびえる設備は巨人の武器のようで、タービンは二酸化炭素(CO2)排出

を減らす一方で、増加する電力需要を満たす最大の希望でもあった。
30階建てのビルの高さがある36機のタービンは、年に10万世帯以上の需要を満たす

に十分な発電をしている。
 しかし、それから5年たった現在、グリーンな将来は先のことのように見える。
財政赤字削減を迫られたオランダ政府は、洋上風力発電は費用がかかりすぎるとし、キ

ロワット時当たり0.18ユーロ(19円)の補助金を続けられないとしている。
昨年1年間の補助金は約45億ユーロ(4650億円)に上った。


http://www.jiji.com/jc/rt?k=2011111700309r

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この資源に対する中国の注目度は尋常ではない。

官民上げて確保に動く姿勢は、中華思想の覇権主義のそれだろうが、海軍力を同時に

発揮となれば周辺国は警戒が厳しくなる・・・。

その一方でクリーン・エネルギーとされる風力発電の経費倒れは、北欧の国にとっはお

荷物と化していて、北極圏の資源開発がいよいよ活発に展開される・・・。

勿論、これに日本の注目もむくのだが、如何せん政治外交が三流と来てははなはだ遅

れをとってしまいそうである。


で、その昔は北極圏にはこの世とは別格のみどりの大地が存在していてと、未知の地球

に対する「憧憬」が、空想を膨らませて理想的な世界をそこに出現させていた。

そんなものを映画に求めれば、「地球の頂上の島」が当てはまる。



流浪の民の囁き

http://www.youtube.com/watch?v=IjHnvAHr3is

「地球の頂上の島」 七十四年公開作


デイズニー映画の見ていて安心する作り方と特撮の妙が楽しめるもので、

冒険テイストがふんだんに描かれている。

北極圏で消息を絶った息子の捜索に出かける博士達が遭遇する別世界の

島での出来事・・・。

飛行船での出発、その飛行船の行く先は、北極圏の「クジラの墓場」と呼ばれる

地で、やっとのことでそこまでやってきた博士たちを待ち構えていたのは、バイキ

ングの末裔達と、そしてそこは食料にも恵まれ人々がゆったりと暮らす地であった

と、未知の世界の桃源郷として描き、気候とかはかなり無視した洞窟での暮らしと

か、火山の爆発とか特撮も冒険アクションも適度に楽しめる・・・。

そしてこの地の秘密を保持するのに一人残る掟と、ここでもある程度の人間の諍い

は存在していてとか、ただ飛行船の危機などスペクタクル要素はそつなく描かれて

捜索の結果も良好と、後日の冒険談としての進行は面白い作品となった・・・。



流浪の民の囁き



http://www.youtube.com/watch?v=GwpBU_AAOFE&feature=related

「最後の恐竜」 七十七年公開作


上の作品をヒントにした訳ではないだろうが、北極圏での石油開発をする企業の

ボスは、極底探査船によって別世界を発見する・・・。

そこは恐竜が現存した原始の世界だった。

と、こちらは日本の特撮を使った恐竜物としての作りなのだが、やはりというかその

別世界は日本の風景、そこにティアノザウルスが、それもなんともな造形だから、笑

みが出てしまう出来で、何よりなのは別世界が上高地なのが丸分かりになると、流

石にげんなりしてしまう・・・。

脚本も程度問題のつたなさを見せて、一人この地に残るボスとかだが、そりゃ迷惑な

人だったのだから、それが最善と思われるのだから、なんともはや恐竜の造形と同じ

く、緊張感がまるでない映像は飽きてしまう典型・・・。



流浪の民の囁き



http://www.youtube.com/watch?v=Loj6Lpjf2r8&feature=related

「恐竜・怪鳥の伝説」 七十七年公開作


同じ年の公開というものだが、こちらは円谷の「血を流さない怪獣と人類の戦い」という

配慮は全くなく、どこ向けの映画か曖昧なまま映像に残酷場面をちりばめてしまい、そ

れで名を残すという手法・・・。

まして大人のロマンスとかもぶち込んでいるから、とっちらかったままのパニック・・・。


流浪の民の囁き


対決する恐竜も、なんともな造形で、これの対決よりは天変地異の火山・地割れの方が

迫力あった・・・、ってどこか違う気がする。

まして歌が歌だけに、任侠ものも下火、怪獣ものもとどんなテーマが流行るか暗中模索

した結果が、大金を掛けた割には評価は「残酷場面の描写のみ」に落ち着いてしまい、

やっぱり「東映だわ」の、子供と見れないものとなっている残念な映画。

何しろ併映されたのが「ドカベン」だもの、それも実写版・・・。

どこを見れば「子供祭り」との命名は出てくるのかって代物・・・。

ただ二十代での鑑賞だったから、恐竜に下半身を食われてなんてのは、それとヒロインの

服がどんどんなくなっていくくだりは、リアリズムありで、ある程度の年齢ならわくわくと鑑

賞出来そう・・・、しかし歌が耳に残って辟易する。


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                       といったところで、またのお越しを・・・。