伝説・神話の類いのものに「魔除け」とかで重宝される「魔獣」というものがある。
神社の「狛犬」もこの範疇だろうし、沖縄のシーサーも守り神・・・、で、欧州では
「ガーゴイル」とかの名前の奇妙なものが、聖堂とかに四方を見張るようにデザイン
され、鎮座している。
画像もその一つだが、「魔物除け」としての存在が中世では信心深く見られるから
こそ、こういったものが残された。
で、由来を辿れば「雨樋い」で水を吐く出す、それが邪気を払うというような・・・。
こういったキリスト教以前の庶民には、日本に見られる「八百万の神」を崇める
姿勢も、排他性最強の「宗教」は、ことごとく一神教へと強引に向かわせていった
にも関わらず、そこは「魔除け」的シンボルとして残したのかも・・・。
で、この「ガーゴイル」を題材にした映画もあり、以前「題名パクリ」ものの「ガーゴイル
・トゥルパーズ」なんてものを書いたが、今度のは舞台がルーマニア・・・。
「ドラキュラ」で有名な地であれば、根拠はなくもそれなりの作品だと、踏んだものだが・・・。
先日のエントリーは「宗教」ものの「ファンタジィー」だったが、宗教の胡散臭さがぷんぷん
で、コメントを頂いた「朋ちゃん」さんの言を借りるまでもなく、お返事返さなくてごめんなさい
ね。舞台のルーマニアとなれば、思い出すのが独裁政権だった「チャウセスク」の政権崩壊
と「人民裁判」即処刑の映像二十年前の出来事だが、その独裁政権を褒め称え、そして革
命によって崩壊すると今度は臆面もなく人民と、誉めそやした人物を貶すという宗教指導者
もいて・・・。それを話題にしたサイトがあり、引用させて頂く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昭和五十八年六月にルーマニアを訪問した池田氏は、六月八日、大統領官邸で
チャウシェスク大統領と五十分にわたって会談した。その際、池田氏はチャウシェ
スク大統領を次のように賛嘆、「固い握手」を交わしたのだった。
「大統領は愛国主義者であり、平和主義者であり、民族主義者であることがよく、
理解できました」(「聖教新聞」昭和五十八年六月十日付)
「今後も世界の指導者としてのご活躍とご健勝を祈ります」(同)
また大統領との会談に先立つ七日には、首都ブカレストにあるブカレスト大学で「文明
の十字路に立って」との講演を行ったが、その講演を池田氏は次のような言葉で締めく
くっている。「ルーマニア建国の指導者、世界平和に尽力され、ご努力してくださっている
チャウシェスク大統領に心より、感謝の意を表し、私の講演を終わりたい」(「聖教新聞」
同六月九日付)
またこれに先立つ昭和五十年三月二十五日、池田氏は聖教新聞社において駐日ルーマ
ニア大使のニコラエ・フィナンツー氏と会談したが、その記録文書にも、チャウシェスク大
統領を礼賛する池田氏の発言が数多く記載されている。
「(チャウシェスク)大統領は若く、偉大なる指導者であり、独自の哲学をもち、また魅力を
もった方であると認識しています。
私はその大統領に将来見習っていかなくてはならないこともよく知悉しているつもりである」
「大統領のような聡明な指導者をもったお国は幸せであると申し上げたい。もはや大国の指
導者はみんな年輩者ばかりです。しかしお国は若い」「私の直観ではお国、今の閣下のあと
の代になっても、次の後継者はスムーズにいくように思います」
「(大使が『私の大統領はよく働きます。能率的に自分の国のためばかりではなく、世界中の
人々のために働きます。大統領は物の考え方が希望的であるという面では極めて若いと思
います』と述べたのに対し)すばらしいことです。それが指導者の条件の一つです。そこに必
ず次の民衆はついていくでしょう」
しかし、「聡明な指導者」であるチャウシェスク大統領に「必ず民衆はついていく」との池田氏
のご託宣とは裏腹に、チャウシェスクは独裁政治に対する民衆の義憤と憎悪の銃弾を浴び
て、平成元年十二月、打倒された。
チャウシェスクを打倒した救国戦線評議会によるチャウシェスクの個人資産調査によれば、
チャウシェスクはイギリスのバッキンガム宮殿の十倍の規模をもつ部屋数数千の「共和国宮
殿」をはじめ、「春の宮殿」「夏の宮殿」など、ルーマニア各地に五十以上の邸宅を所有し、贅
の限りをつくしていたという。
救国戦線評議会の資産調査に同行した産経新聞社の野村成次カメラマンのコメントを掲載し
た雑誌「SPA!」の平成二年一月十七日号によれば、「夏の宮殿」の周囲約四十平方キロメ
ートルはチャウシェスクの個人狩猟用の森であり、一般の立ち入りは禁止。宮殿内部には大
理石と純金で作られた室内プールと純金の池、純金風呂、純銀風呂、サウナルームからトレ
ーニングジム、映画館までそろっていたという。
こうして自らは贅の限りを尽くす一方で、極度の重化学工業路線などによる経済政策の破綻
により、国民には極度の耐乏生活を強いていた。例えばパンは一日一人三百グラムの配給
制。食用油も一人一カ月〇・五リットルに制限されていた。豚肉は店頭に並ばないので高額
のヤミ取引となり、日用品や耐久消費財も欠乏。電力も制限され、一般家庭には電球分しか
流されていなかった。しかも、こうした失政を批判する反政府活動に対しては、チミショアラで
の数千人規模にのぼる市民虐殺に象徴されるように、秘密警察による徹底した弾圧が加えら
れていた。池田氏がルーマニアを訪問した昭和五十八年当時、すでにチャウシェスクはこうし
た独裁体制を確立していた。にもかかわらず池田氏は唯々諾々とチャウシェスクを礼賛した
のである。ところが、平成元年末に、チャウシェスクが民衆の怒りを浴びて打倒されるや否や、
チャウシェスク礼賛を繰り広げていた自らの言動は棚上げにして、激しくチャウシェスクを批
判したのである。平成二年一月六日、池田氏は聖教新聞社でブラッド駐日ルーマニア大使と
会談し、ルーマニアの民主化を最大限、賛嘆したのだが、その際、チャウシェスクについて次
のように言及したのだった。
「民衆の総意による新生ルーマニアの誕生を、私はもろ手を挙げて、祝福いたします。
『民衆』が勝った。『人間』の叫びが勝った。私どもはもちろん、権力悪と戦う世界の民衆勢力
に、強い勇気を与えてくれました」(「聖教新聞」平成二年一月七日付)
「今、ルーマニアの栄光と勝利がもたらされたことを私は、心から喜んでいます。
また、ルーマニアの国旗の三色旗は、学会の三色旗と色もまったく同じで、親しみを感じて
いる一人です」(同)「貴国の不幸は、指導者が一族主義による『独裁者』に、いつしか陥っ
てしまったことにあったといえます。権力の腐敗にどう対処していくか――ここに将来にわた
っての大きな課題があると思うのですが」(同)
「残念なことに、変革以前の貴国には独裁体制があり、その統治が強固なだけに、識者の
間には、政権交代は暴力革命になるかもしれないとの指摘もあった。ところが、貴国の民衆
は、混乱はあったものの、できる限り暴力の拡大を防ぎ、自由を勝ち取りました」(同)
これに先立つ平成二年一月一日付「聖教新聞」には、池田氏が過去に対談した「識者との対
話」の一覧表が掲載されていたが、そこからはチャウシェスクとノリエガの名前が削除されて
いた。また、ルーマニア大使と会談した後の一月十五日に行われた創価学会の神奈川県青
年学生代表者会議の席上でも、池田氏は、「大統領のように一国の頂点に立つことにあこが
れる人もいる。しかし、栄華を誇った人生の最終章を、銃殺刑という悲劇で閉じた例もあった。
社会的立場や評価というものは、実に変転極まりない」(「聖教新聞」平成二年一月十七日付)
と、悪しき人生の事例としてチャウシェスクを引き合いに出したのである。
http://www.forum21.jp/contents/03-2-1a.html
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
引用おわり。
こういった記事が残る限りにおいて、宗教指導者の心眼は曇っているのか、それとも「その場
の空気読み」に長けて・・・、権力には「風に吹かれる葦のごとく」、そよぐのは生き方としては
懸命なれど、指導者の芯が定まっていないともとれ・・・。
あの「キングフォーバーニング」の指導者も、どんどん独裁に進み、やがて縋ったのが大道
芸人、そして最終的には「考えを曲げなかった」と、指導者へ脱皮していった。
大概、人間はそういった成長をして行き、悟りに近い心境を会得する。
生まれた時から指導者もいず、そこへなって行く・・・。
そして結果的に独裁で処刑され、持ち上げ落とされた「チャウセスク」だが、十年経った時の
世論調査ではルーマニア国民の六割が「あの当時の方が良かった」というアンケート結果が
出ている。すると、さて、論評した指導者は、どこまで悟りを開いたか、とっても怪しいと時の
流れからも検証され信心する人々に「波風」が立たないかと、危惧してしまう・・・。
この種のアンケート、日本でも一年後くらいに行なえば「自民党時代」の方が良かったにな
ったりして・・・。と、一くさり強引にカルト臭が漂う「宗教」の話題と、映画をくっ付けてみたが、
もとよりこの「ガーゴイル」なる映画が、それはそれはとっても「ホラー」でもないし、そしてコ
ンピューターグラフッィクと演技のギクシャクさには、溜息と失笑・・・。
「ガーゴイル」 〇四年制作
何よりな映画は投稿もなく、それだけの評価が示す出来である。
第一、原題の「リベンジ」とあり、続編かいなと思ったが、五百年前聖職者によって
石に変えられた「ガーゴイル」が現代に復活して・・・。
だから「リベンジ」かと思うのだが、中世の出だしから演技はグラフィックとあっていず
先ずもってこのギクシャクが、折角のルーマニアの妖しい空気感の出たしを台無しに
してしまい・・・、現代に移ればアメリカ諜報部とかのひんたらしたコンビが、これまた
銃をガーゴイルに向けて撃っているふりが、とっても滑稽な以前の着ぐるみ怪獣との
接触に似て、合わせ方が下手なのか、やはりやっつけ演技の下手さなのか、緊迫感は
全くない。まぁ、これは映画全体がそうでグラフィックもはっきりいってチンケである。
何より、諜報部の人間と現地の警察が言動が一致しないという脚本のまずさもウンザリ
させられる・・・。
ただ「ガーゴイル」つながりの、古い映画を思い出させてくれたのが、この映画も失笑だが、
古いものは「満点大笑い」のカルトである。
http://www.youtube.com/watch?v=WPy34DUom_c
「ショック、生きていた怪獣ガーゴイルズ」 七十二年未公開作
神話・伝説でない「生きた魔獣」として描いたこの作品。
その着ぐるみのインパクトと違って、何のための羽かいなと疑問が
発生する「お姫様抱っこ」の徒歩による誘拐に、これまたカーボーイ
を真似ているのか馬に乗ってとか、特撮のない時代ならではの車しが
み付きに至っては、「振り落とされるなよ」と心配になる・・・。
そもそも言語が英語なのは、いやガーゴイルが喋るってのにぶっ飛んだ。
それもオス・メスか、それとも予算の都合か扮装に羽のない部下ではショ
ッカーだな・・・。
にしても、誘拐するのは女って決まったパターンは、魔獣をタダの俗物に
してしまっていただけないものだ・・・。
邦題の付け方はある意味、親切なものとなった。
見ているのがショック、そして最後は「大笑い」に転じて・・・。
呟く言葉は「なんだ、こりゃ・・・」、ブラキュラって黒人の吸血鬼ものがあった
が顔が似ているなぁ・・・。
- 地下室の魔物/ガーゴイルズ [DVD]/コーネル・ワイルド,ジェニファー・ソルト
- ¥5,040
- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。