代の最先端として持て囃されたし、またこの映画の発想のようにテロリストに狙われ
れば、「大惨事」を引き起こす危険性を孕んでいて、映画のテーマは日本にとって警
告の意味で良かったのだが、如何せんその目的と行動を起こす人達の不具合が、
「惜しい感じに仕上がってしまった・・・」

「新幹線大爆破」 七十五年公開作
当時の国鉄、最新鋭の旅客列車「ひかり号」に爆弾が仕掛けられ、パニックに陥る
乗客と必死で運行を支える国鉄職員、それに警察・国家が血眼になって氾濫を特定
し、新幹線の爆破を未然に防ごうと活躍する・・・。
という、列車爆破と「その乗客を人質」にした金銭目的の犯行なのだが、折角左翼
運動家とかを絡めるのなら、金のための犯行では少しばかり「拍子抜け」してし
まう。ここは国家転覆を図る左翼と、それに同調した技術者の「駆け引き」として
なら、もっと盛り上がったサスペンスが生まれたかも知れない。
それでも最初の夕張発の貨物列車爆破・脱線の「予告・実行」からのスピードは、
なかなか良かった。
ここでやはり、その事実と新幹線にもを「フェイク」にした、緊迫のやり取りへと
持っていけば、おそらく観客のスリルも上がり、息を飲むと同時にテロリストへの
怒りも増して、娯楽映画から警戒する気持ちを持つ人も出てこようが、犯行は金目
的で、主人公の境遇とか参加した人の面持ちとかが弱くて今一、大それた犯行を行
なう人々には見えないし、またそれが映画に真実性を失わせていたように思う。
折角「健さん」主演なのに、そしてこの主人公は緻密な計画も立てられる頭脳と、
決行後の警察のやり取りも堂にいっていて、「最後はあれかい」に少しがっかりさ
せられる。
ただ、この新幹線爆破は、テロとすれば盲点を突いた犯行で、警戒心のない日本人
にとってははっとさせられるものがある。
「人の命は地球より重い」とぬかして、ハイジャック犯に身代金を差し上げてしま
う日本政府である。
出だしのスピード感が、先に行くにつれ「くだぐだ」になってしまって、見終われ
ば「惜しいなぁ、もう少し、何とかなったんじゃないのか・・・、ただ現実問題と
したら、こりゃ由々しき事態」という映画の評価と共に、警戒心も芽生える警告に
なって・・・。
「〇系新幹線、最後の勇姿」
最新型にすれば、古臭く維持コストもかかりその上、乗客に取っては快適性が担保され
ねば、他の交通手段に取って代わられる・・・。
さすれば「引退」に追い込まれると、「鉄道ファン」にとっては、それこそノスタルジィー
に浸り切る流線型のフォルムが、時代を象徴しているようで愛着が・・・。
もっとも愛着といえば、他の鉄道の電車や蒸気機関車にも愛着はあり、たとえば蒸気機関車
の勇姿には、なぜか今でも胸躍るものだ。

この投稿映像は、特に面白い、新幹線と蒸気機関車が並走する場面など、なかなか見れるもの
ではない。
それにしてもスピードが出ていなくとも、この力強い動きには「見惚れる」。

その他にも特徴的デザインの機関車は、いや何の変哲もない量産型も過ぎてみれば
どれも懐かしいものになって行く・・・。

そしてこの「ブルー・トレイン」にも、それなりに思い出があるものだ。
「寝台特急 ふじ・はやぶさ」

「奥只見、只見線」
鉄路の旅、国鉄も民営化されてよりスピードとコスト・パフォーマンスの求められる
時代に変化すれば、「各駅停車の旅」なんて・・・。
なんだか、新幹線から脱線のし過ぎだったか・・・。
しかし空の旅や車の旅より、鉄路の旅の方に記憶が鮮明なのは、いかがしたものだろう。
そうそう「新幹線大爆破」の乗客で、タイコを叩き念仏を唱える白装束の団体には「笑い
がでてしまう」、他の乗客がどんなにパニックになろうとも、ただひたすら宗教に縋るか
のように一心不乱に、ただただお経?・・・。
まぁ、この白装束の集団、実際に見ているから余計・・・。
その昔、深夜列車(ブルートレインではない)での帰郷の時、二車両すべてこの集団
に驚き、そしてその団体がある駅で一斉に降りると、ぽかんとしたものだ・・・。
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といったところで、またお越しを・・・。