「ケン・アナキン」の訃報に寄せて・・・。 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


老齢の監督が亡くなった報に接すれば、やはりすぐに頭に浮かぶのが
印象深い映画となって、そこに思いをはせれば、死を悼む気持ちにもなる。
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 [ロサンゼルス 23日 ロイター] 英国出身の映画監督ケン・アナキン氏が、


米カリフォルニア州ビバリーヒルズの自宅で死去した。94歳だった。家族が23日明
らかにした。英ヨークシャー州生まれのアナキンさんは、コメディーから冒険活劇、ドキュ
メンタリーまで幅広く手掛け、60以上の作品を残した。代表作に1965年の「バルジ大
作戦」などがある。また、人気SF映画シリーズ「スターウォーズ」の登場キャラクター
「アナキン・スカイウォーカー」は、ジョージ・ルーカス監督がアナキンさんにちなんで名
付けたとされる。

最終更新:4月24日13時8分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090424-00000766-reu-ent
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この監督で思い出す映画、いろいろなジャンルものを撮っていたが、やはり第一に上げると
すれば戦争ものになってくる・・・。
名を売った「史上最大の作戦」そして「バルジ大作戦」は忘れられない・・・。

流浪の民の囁き-市場在代

http://www.youtube.com/watch?v=nqFn_pM5QxU&feature=related

「史上最大の作戦」 六十二年公開作
この映画は劇的な反転攻勢と呼ばれる連合軍の「ノルマンジィー上陸作戦」を再現したもので、
その連合軍側の監督をしていたのがアナキンであり、これで一定の評価を得て任されたのが「バル
ジ大作戦」となる。
このモノクロで描かれる海岸線での攻防は、確かに見ごたえがあり迫力満点なのだが
出ているスターの数だけカットが連なり、印象が散漫になってくる場面も・・・。
それでもこの大作戦を余すことなく描くとすれば、ショート・エピソードの連続はやむ終え
ないし、スケールが拡がって・・・、その上にバックの勇猛果敢さを後押しする「マーチ」
が勝利する側の映画として引き立てている・・・。
ここでも音楽がなかったら、いやこの「マーチ」でなかったら、もしかしたら退屈な大作映
画となっていたかも・・・。それを救うかのような男臭さをちりばめた演出が合体すると、
勇猛果敢な兵士が活きて来る・・・。

その反攻を許し、じりじり後退して戦局が不利になり、これまた大反撃に出るドイツ軍の
快進撃と、その反攻が費えるまでを描くのが「バルジ大作戦」であり、どちらかというと男の
ある種の美学、「滅び」に対する憧憬が描かれて、とても印象に残る・・・。
この映画は以前取り上げていて、それを再掲載。

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今日から八月、そして八月といえば「お盆」でその中日は日本の「敗戦記念日」である。
あれからもう六十年以上が過ぎようとしているが、いまだに当時のことで日本に強請り
をかけて来る国もある。「謝罪と賠償」の聞き飽きた言葉だが、金になれば何だってする
精神の気高さのない民族には、ほとほとあきれ返るばかりである。
そんな第二次大戦末期、敗走するドイツの最後の反転攻勢だった「バルジ」の戦いを描い
たのが「バルジ大作戦」である。
結局はその戦いにもドイツは敗れ、降伏へと進んでいく・・・。


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http://www.youtube.com/watch?v=6kplJq1DSME&eurl=http%3A%2F%2Fblog%2Eameba%2Ejp%2Fucs%2Fentry%2Fsrventrylightpreview%2Ejsp%3Ftime%3D1240576980445&feature=player_embedded

バルジ大作戦」 六十五年公開作
この映画の一シーンは、「硫黄島の手紙」の少年兵に通じる。敗走を重ねるってことは、
兵が消耗していることを表し、それに伴って配属されてくる新兵は、幼さの残る少年になる。
で、新兵を見た上官の落胆を肌で感じた新兵が軍歌を歌いだす。ここには歌が士気を高め、
使命感を年や経験を越えて合致させていく心意気が見て取れる。
この映画の中でも特にいいシーンだ。この工業先進国、ドイツでも物量によって最後は敗れ
去っている。この「バルジ大作戦」も、タイガー戦車の前に連合国軍は敗走に次ぐ敗走を繰り
返すが、物量だけは豊富だった。この映画のラスト・シーンは、そんな喉から手が出そうなエ
ネルギーを求めて無敵のタイガー戦車に向けて、惜しげもなくエネルギーに火を放ち勇猛果敢
なあの「軍歌」を歌った新兵もろとも、焼き尽くしてしまう。工業的に優れていても、その代
謝を計るエネルギーの枯渇が明暗を分ける。それは同じ工業的に優れ、一時代前だったら無敵
だった日本の太平洋艦隊と相通じる。日本のシンボルであった「大和」の最後の出撃は、この
エネルギー競争に敗れ去った両国の最後を象徴している。物量の差が勝敗を分ける。
アメリカ・イギリス合作の戦争映画はこの他にもあるのだが、イギリス人監督が>指揮をすると、
ここでも見られるがアメリカの兵士のいい加減さとドイツ兵の規律正しい姿勢の妙が、やはり同
じヨーロッパと遠い大陸、アメリカへの皮肉がちょっぴり表現されていて面白い。敵・味方の描
き方にも色々あるものだ。だから「硫黄島の手紙」みたいな映画も生まれる。


http://www.youtube.com/watch?v=CqlE9eNWYj4&mode=related&search
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こちらの映像は、当時のフィルムに「軍歌panzerlied」を組み合わせたものである。
こんなものを見ていると、好戦的と見るむきもあるが、元来人間は好戦的な部分を持ち合わせて
いる。でなかったらスポーツに置いてのモチベーションは保てない。それよりは好戦的をすぐに
結びつける、戦争はいけないの頭からのただただ否定するだけの教育がいいとも思えない。
しかしこの世からなくならないのも事実だ。自虐的史観が浸透しつつある日本だが、
しかしこちらが何をしなくとも、敵視する国が近くにあるのも事実なのである。
「友好」の名のもとに侵食する変な国には、充分に注意が必要であろう。
もう戦後六十年が過ぎているのである。
暑い盛りに「靖国神社」で御霊に参るのを、感謝の気持ちで行いたいものだ。同じ敗戦国で
あったドイツも、工業的には同じく先進国になった。
国民資質の賜物であり、先人の残してくれた知恵に感謝・・・。
あの「軍歌」を歌う若者も、あるいは生き残り、敗戦からの復興に一役かったかも
知れない・・・。努々歴史を蔑ろにするものではない。
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この「バルジ大作戦」、設定は冬であり途中までは雪混じりの景色に、ドイツ軍戦車の
勇壮な姿が映し出され、それなりに強烈な印象なのたが、それが映画舞台の設定とロケ地の
関係か、まったく雪がない場面になると、「ここはどこ、私は誰?」となってしまって
「はれっ」ってな部分はあるが・・・、(欠点には目を瞑る・・・) 何より、あの新米兵士
の「上官の空気」を読み、戦車隊の唄を歌いだすところには、ほろりとさせられる。
勿論、歴史をなぞれば「敗戦するドイツ」なのだが、そこにある兵士らの意気軒昂な態度に
「滅びの美学」が潜み、更なる印象を与えてくれる・・・。
ここらは脚本もそうだが、見方がドイツよりであって、あの「ホロ・コースト」の残虐性は
見出せないドイツ人気質をイギリス人監督が、汲み取ったと見るべきな、戦争における
敗者・犯罪は皆無とまでは言わないが、どちらも「祖国」のため、死力を尽くした・・・。
となってくると思うが・・・。
過去をぐたぐだ言う人たちにとっては、聞けないお話ではあるだろうが・・・。



このマーチに乗せた日本の自衛隊の雄姿を投稿しているものがあった。

北の台地を守る「自衛隊」に、温かな眼差しを向けなくては・・・。


バルジ大作戦 特別版 [DVD]


¥3,300

Amazon.co.jp             といったところで、ケン・アナキンの戦争ものでした。

                      引き続いて、ユーモアたっぷりのコメディ作品は

                      次のエントリーで・・・、またのお越しを・・・。