エルサレムはどっちを向いている「クルセイダース」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

幾多の宗教の聖地として有名なエルサレム、長い歴史の中で領袖がころころ変わり、

そのたびに紛争が起こり、今現在もイスラエルが実効支配しながら、パレスチナも聖地

として自主独立のなったあかつきには、首都として考える地域・・・。

そんなエルサレムを題材にした映画は多く、この「クルセイダース」も、十字軍の侵攻を

三人の若者の心情を描きつつ、ユダヤ、イスラム、そしてキリスト教の信徒入り乱れて

それでもある程度の調和を持って暮らす人々に、波紋を広げるキリスト教の侵攻という

側面をもって描かれたものである。



流浪の民の囁き-クルセイダース

http://www.youtube.com/watch?v=QxLL_kQViIQ&feature=related

「とても可愛い十字軍のお話」


〇一年製作の本作は、テレビ映画として作られただけに、公開作なら投稿もされている

だろうに投稿はなく、また紹介サイトも少ない映画だ。

それにしては長い物語で、ある地方の若者が、聖地としてエルサレムを目指して十字軍

に・・・、その中に異教徒の民族の若者もいて、また領袖の倅は権力者の追及を逃れるよ

うに、また貧しい村の中では大成しないと十字軍において名を売るという野心を持つ若者

と、三人三様の思いで、エルサレムを目指して十字軍に参加・・・。

しかし「正義の軍隊」という幻想を抱いた軍は、「盗賊」となら変わらず、幻滅を来たす者は

そこを離れて聖地を、しかし大成を願うものは、それには目を瞑りひたすら軍と共に、そして

恋人を残して参加した若者は、旅の途中で救った娘と恋に落ち・・・。

まぁ、物語を手短にすればこういったものになるのだが、それが単に緊迫感もなく「だらだら」

と長い印象があり、とてもまどろっこしい展開で、エルサレムに到着した後十字軍との当時の

権力との激突くらいまでは、あくびも出る始末・・・。

後半は展開も速く、それなりに見ていられる。

熱心なキリスト教徒になった領主の息子は、願いかなわず死に絶えてしまうが、そこが聖堂

設立の地になって厚く葬られるとか、十字軍に従事した者は、領主として凱旋とか、そして異

教徒も恋人の元に帰って来る・・・。

絵に描いたハッピーエンド・・・。 こりゃ、見るのに疲れる映画だなぁ、三時間近くの暇つぶし

と、言うのが感想・・・。

そしてフランコ・ネロが出ているとあとで知ったが、誰だかまったく分からず仕舞い・・・。

ただ、エルサレムとクルセイダースの文句で見たもので、「クォ・ヴァディス」からすれば四十年

過ぎているのに、古い映画の方が脚本がしっかりしているって、なんだかなぁ・・・。


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ドイツ南部ミュンヘンの裁判所は11日、ナチスの強制収容所で2万9000人のユダヤ人
虐殺に加担した戦犯容疑で、ウクライナ出身で米国在住のジョン・デミャニュク容疑者(88)
に逮捕状を出したことを明らかにした。
第2次大戦中の1943年3月から9月、ポーランドのソビボル強制収容所でユダヤ人虐殺
にかかわった疑いがかかっている。検察当局は「彼がドイツに到着し次第、尋問し、裁判に
かける」としている。
同容疑者に対しては、1988年に、別の強制収容所で「イワン雷帝」と恐れられた看守だっ
たとして、イスラエルの裁判所が死刑判決を下したが、93年に別人とわかり、判決が取り消
された。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090312-OYT1T00393.htm



流浪の民の囁き-ガザ


イスラエル警察は4日、同国ネゲブ砂漠のベールシバ付近にある同国軍基地に入ろうとした、
武装した15歳のアラブ系イスラエル人(ロイター通信はパレスチナ人少女と報道)少女を射

殺した。 イスラエル紙ハーレツなどが5日、報じた。
イスラエル当局によると、少女は軍基地で、入場を制止し投降するよう要求した警官に対しピ

ストルを発射したことから、警官は少女を射殺したという。イスラエル側に死傷者はいない。
射殺された少女は地元の高校の生徒だった。少女はピストルを所持し、爆発物も所持していた。
イスラエル警察は、同少女が自爆するつもりでやってきたとの見方を示している。
一方、イスラエル軍は同日、パレスチナ自治区ガサとの境界フェンス付近で、爆発物を仕掛けに
来たと思われる2人の武装パレスチナ人を殺害した。パレスチナのイスラム聖戦などが、
各々の組織に所属するメンバーであることを確認した。

http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/090405-184614.html


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で、イスラエルでは今は停戦状態だが、パレスチナとの紛争は、この昔からの入り乱れた

宗教の聖地も相まって、混沌からは脱がれられないのか・・・。



流浪の民の囁き-ガザ2

圧倒的な武力で制圧するイスラエル、それを支持する欧米・・・。

と、ここにも宗教の側面が入り乱れて、解決への道を閉ざしているようである。


この退屈な映画での唯一、キリスト教徒とユダヤ教徒とが争いもなく、またイスラム教徒も混在し

たままのエルサレムに十字軍が流れ込んできた時、一般的庶民をどちらに限らず逃がしてやる

という場面では、「平和の礎」は、こんなところにある・・・。

と、十字軍の蛮行を批判しつつ、静かに民族紛争を諌めるというところには、共感が出来た。


十字軍―ヨーロッパとイスラム・対立の原点 (「知の再発見」双書 (30))/ジョルジュ・タート
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Amazon.co.jp                     といったところで、またのお越しを・・・。