怖さに笑いを加えて成功した「バタリアン」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

ジョージ・ロメロという監督が「ナイト・オブ・リビングデッド」なる、今で言う「ゾンビ映画」を撮ってヒット

すれば、その低予算で恐怖が演出出来るのがわかって、続々作られ今日のホラーの主流になったが

そのコンセプトに、笑いを織り交ぜて作り出したのが、この邦題「バタリアン」である。


流浪の民の囁き-バタリアン


http://www.youtube.com/watch?v=wylpeAXYcBQ
「バタリアン」 八十六年公開作


原題の「リターン・オブ・ザ・リビングデッド」と、前作にある程度の尊敬を込め

そこに怖がらせと共に、笑いを混ぜ合わせコミカルにリズミカルに観客に飽き

を感じさせない手法は後の作品に影響を与え、コメディ・ホラーとでも言うべき

ジャンルを創造した。

この映画、ともするとキワモノ扱いにされそうだが、怖がらせるだけ一辺倒ホラー

等に比べたら、だらける部分もなくロックを効果的に使い、結末まで一気に笑いと

悲鳴とで突っ走らせ、深夜の映画館で大笑いしたのを覚えている。

これと「霊幻道士」だったと思うが、笑いと怖さにスピードが重なれば、おもしろい映画

は出来上がるのだ。

にしても、この映画の配給が「東宝東和」だからか字幕に超訳があって、本来言ってな

い言葉や名称がついてしまって、それがまるで怪獣映画の名前さながらに周知の事実

化しているのには驚いた。

もっとも設定が、死体置き場に火葬場に墓場が一緒くたの場所、そして軍事秘密のドラム缶

が無造作に腐食して置いてありって、出来すぎだろう・・・。

それでも保管員が自分が「化け物むに変わってしまい、自ら火葬炉に飛び込むとかには、

お笑いの中に責任の所在もありと、脚本はそれなりに練られて、都合良く遊ぶ若者とかも

実際は仲間を待ちながら、墓場で乱痴気騒ぎの少しずれた人々と、「いねえだろう、そんな

奴」と観客が安心する墓場となって、じめっとした箇所がない陽気に見終える手法は、勿論

続編を作る気がない、前作のオマージュだったはずだが、当たればそうもいかない・・・。



流浪の民の囁き-バタリアンⅡ


http://www.youtube.com/watch?v=a4AtSWPrB0o

「バタリアン2」 八十七年公開作


前作の続編なのだが、踏襲したはずが脚本が悪いからかねそれとも演出の

不出来か、大して盛り上がらず、そしてあくびが出る出来には、やはりお笑いと

ホラーの融合も、脚本や演出の出来不出来では、差が出て来る・・・。

第一、トラックから落ちたドラム缶からして、そんなかい・・・、そんないい加減で

いいのかい・・・、仮にも極秘だろうに・・・。



流浪の民の囁き-バタリアンⅢ


http://www.youtube.com/watch?v=PsyLN9fixm4

「バタリアン3」 九十三年公開作


シリーズ化されたかのものだが、「東宝東和」も買わなかったのは、正解か・・・。

こちらははコメディ部分を廃して、シリアスなホラー仕立てにしたかったのかだが、

脚本が「ロミオとジュリエット」を持ち込んだようで、死なせた恋人とを蘇らせるのに

またまたあの「トラキうんたら」だと、しかし「おぼっちゃま」のやることなすことで大騒動

に発展して行くさまは、シリアスにしてしまうと「どっちらけ」な出来になる。

どっちつかずいけないが、やはりこの映画なら悲恋を笑いを交えたら、気分も「可哀想

に恋人が・・・」がってな、同情も湧く・・・、はずはない「何しろ生きている死体」では・・・る



流浪の民の囁き-バタリアンⅣ


http://www.youtube.com/watch?v=jnyltgl3vCg&feature=related

「バタリアン四」 〇六年公開作


製作した人々の国が違っているらしいが、未見である。

流浪の民の囁き-バタリアンⅤ

http://www.youtube.com/watch?v=R4jqUfBdCCs

「バタリアン5」 ゼロ六年公開作


こちらも四の続編らしいが未見である・・・。


この映画、邦題のつけ方で日本でヒットしたかも、だがそれがホラーにコメディの融合

させた点を、ただのお馬鹿映画にしてしまっている気がする。

何しろ影響が強いのか、バタリアンが原題になるとロメロの後継の出色の出来も、お笑

いで埋もれてしまう・・・。って、今だからいえるのだが、当時は「馬鹿な映画」を見た。

それでも気分が悪なるでなく、明け方の空に笑いが漏れた・・・。

ここらか「オバタリアン」なる流行語がとかあるのだが、本当かいな・・・。

「集団」とかの意味があるらしいが、小畑さんがおばさんだからと・・・。

まぁ、今となっては邦題の付け方なんて、どうでもいいかもしれないが、この映画は

その邦題に影響された?、一本かも・・・。

バタリアン [DVD]
¥2,705
Amazon.co.jp                       といったところで、またのお越しを・・・。