自虐史観刷り込みに貢献した「地の群れ」 | 流浪の民の囁き

流浪の民の囁き

映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

「地の群れ」という小説があり、それが六十年から七十年代の風潮とマッチして、

映画化された。

勿論、アートシアター・ギルトという低予算・思想主張型のものとして・・・。

そしてその「地の群れの争い」を彷彿とさせる非難合戦と化しているのが、

「生活保護、母子加算」削減に反対する人々と、この格差社会に対する、そして

生活保護という特権化したものに対する若年層の反発が、ネットで言い争いの

というか、その「甘えの構造」にメスを入れることなく、ほったらかしの行政の監視

体制の不備に付いて・・・。

生活保護という「相互扶助の精神」も、格差社会では「働けど我が暮らし豊かにな

らず」と嘆く人もいれば、「働かなくても喚くだけで生活出来る」生活保護という制度

に対する・・・。

そこには「働かないのか、働けないのか」厳密な審査が欠落して「相互扶助」の名目

だけが一人歩きした、勤勉国家・日本の負の側面を見てしまう。


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生活保護の母子加算の復活を求めて、第2回「もどせ、母子加算」集会が30日、
国会内で開かれました。主催は、生存権裁判を支援する全国連絡会。
参院本会議で可決された母子加算復活法案。衆院での審議は不透明な中、
母子加算の復活を求めて生存権裁判をたたかっている母親や不服審査請求した

母親らが発言しました。
鹿児島市で審査請求した2児の母親(33)は「食事はラーメンや納豆ご飯。
生活がぎりぎりで子どもたちの栄養管理もきちんとできていません」と話しました。
札幌市で生存権裁判をたたかっている女性(46)は「月2万3260円の母子加算

がなくなり代わりに、就労促進費が1万円支給されました。それでも1万3000円

減りました」と話し、「最低限度の生活を満たすためにも母子加算を戻してほしい」

と訴えました。
日本共産党の高橋ちづ子衆院議員が駆けつけ、あいさつ。「母子加算復活の問題は、
社会保障を削る小泉改革路線はやめないという、今国会の象徴だ」として、「(母子加

算の予算)200億円を復活させることは、改革路線を突破する糸口になるだろう」と

運動を激励しました。
中央社保協の相野谷安孝事務局長は「当事者自らが運動の先頭に立ち上がって

世論を動かしてきた。自信をもってさらに運動をすすめていきたい」と話しました。
全労連の柴田真佐子副議長と反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長も、あいさつし

ました。

しんぶん赤旗 食事はラーメン・納豆ご飯…母子加算廃止 窮状訴え 国会内集会
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-07-01/2009070114_02_1.html



母子加算復活へ、民主が10月に予算案提出
9月1日8時6分配信 読売新聞

 民主党は31日、今年3月末で廃止された一人親の生活保護世帯に対する母子加算を
今年度中に復活させる方針を固めた。
必要な財源を手当てする2009年度第2次補正予算案を編成し、10月にも召集する臨時
国会に提出する考えだ。09年度予算の予備費から支出することも検討している。
13兆9000億円の09年度第1次補正予算は、執行を停止した上で不要な事業を廃止し、
浮いた財源を2次補正と10年度予算へ振り向ける。
民主党の母子加算復活作業チーム副主査を務める山井和則衆院議員が31日、厚生労
働省の担当者と母子加算復活に向けて協議した。対象は約10万世帯で、予算額は10月
からの半年で90億円を見込んでいる。
母子加算は、月約2万円を生活保護費に上乗せして支給。政府は加算が手厚いとして、0
5年度から段階的に削減した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000111-yom-pol
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この窮状訴えであるが、少し引いて考えると「生活保護」予算をやりくりするのに、公務

員の給料の削減を当てれば、何の事はなく「満額回答」となるのではないのか。

運動を勧めるのもいいが、増額ありきなら、削減もありきとバーターさせれば、それこそ

「相互扶助」であろう。どちらも税金での支出なのだから・・・。

公務員に「社会主義的心情」があるなら、まずは共産党らしく「自治労」に掛け合い、

「給料を生活保護に回せ」と、言えば済むことである。

と、そこに政権を担う政党が、見栄えのよいバラマキ福祉で、あっさり復活・・・。

今回の政権は「差別容認政権」と命名出来るかも・・・。

国民全体でなく一部高福祉、後は切り捨てでは、「地の群れ」の争いが、果てるまで続く

ことになりそうだ。



流浪の民の囁き-地の群れ


「地の群れ」 七十年公開作


監督は熊井啓で社会派ドラマという体裁で、救いがたい三者の関係

にとっても良心の呵責に苛まれる日本の青年は、やはり知能・知識の

秀でた人物だが、トラウマとなっている自分の原罪に、耐え切れぬ

思いを抱き、逃走という手段をとって・・・。

根底にある「差別されるものと差別するものが、互いに絡み合い」

ふつふつと煮えたぎる妬みやら羨望やっかみを抱き・・・。

喪失の時代には、互いに傷の舐めあいが「優しさ」の発露と思い込ん

でいた・・・。しかしその「優しさ」は差別されるものを思い上がらせる

側面も孕んでいて、後日になれば「被害者意識」の喚きに反論が

出来ずに、数々の特権がついて回って・・・。

と、被差別部落に原爆症部落に朝鮮が絡み合い、主人公の優しい

性根を蝕む、そしてそれに耐えられず主人公は押しつぶされていく

と、とっても暗い物語。

そして怨嗟と理不尽な差別と、渦巻く感情的軋轢は、性犯罪が起爆剤

となり・・・。


鑑賞の後味は、本の読後と違って今一・・・。

といっても、根底にある「差別意識」に対する批判も、ともするとすべり勝

ちで、以下のような現実を見せ付けられると、「既得権益」の四文字も

浮かんでくる。


http://www.youtube.com/watch?v=YZktqCIxMtA

「同和利権」


こういった利権も、その昔は「戦って勝ち得た」以下のような人々の

努力の賜物であったろうに・・・。


http://www.youtube.com/watch?v=P3DO6si6Uwc

「橋のない川」


差別意識の変遷は、いつしか日本対云々になってきたが、

新たな「差別」は、もしかしたら「働いたら負け」対「働く喜び」

の怠惰意識か勤勉意識・・・。

そして責任を取りそうもない「口の軽いリーダー」は、どこぞの思惑に

取り込まれて、より以上の怠惰意識を振りまくか・・・。


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Amazon.co.jp                といったところで、またのお越しを・・・。