えらく金の掛かったB級映画キリスト教原理主義「メギド」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

アメリカの大統領就任式に合わせて、侵攻していたガザから撤退したイスラエルだが

勿論、再びハマスのテロが起これば、即座に攻め込み「完膚なきまで叩きのめす」

を実行するだろう。

甘い顔は見せない決意とも、あるいは報復は倍返しを文字通り行動で示している。

とも取れかねない行動だが、そのイスラエルの領土に「メギドの丘」という旧約聖書で

ハルマゲドンの戦いがとかあったとかなかったとか、その聖書の福音に従ったかのよう

な映画が、ミレニアム時に前作が公開され、継いで終わりの始まりとばかりに、前作の

補強を行なうように公開されたのが、この「オメガコード、メギド」である。



流浪の民の囁き-メギド


http://jp.youtube.com/watch?v=gNduEUfkmPo

「メギド オメガコードⅡ」 〇一年未公開作


ありていに言ってしまえば、日本人の感覚ではこれはトンデモ映画である。

神とサタンの戦いとか、サタンが長い年月をかけて世界征服を狙うも、神は

一瞬にして、その力を、いや世界を変えうる力を持ち、悪戯をするサタンを地中

深く閉じ込めてしまう。ここらは「西遊記」の孫悟空並の教えと何ら変わらない。

そういった脚本の不具合が、どうしてもトンデモへの傾斜を深めてくれたか・・・。

ただ、金は掛かっている。

オーメン並の悪魔との取引で、じっくりと育って行くサタンの化身、ヨーロッパ連合

から世界連合とかの会長として君臨、そして最後の争いがアメリカ対世界連合で

大統領は弟・・・、ここらは「カインとアベル」だろう・・・。

そして化身が、本来の姿に戻って・・・、ここらのメイクは笑いながらも面白いし、「金

掛けてんなぁ・・・」とおかしなところに感心する。

勿論、それまでのストーリーが、もろキリスト原理主義が貫かれ、その上、それ以外

は全く無視であるから、自由の戦いも核兵器でなく戦車で地道に行なう。

ここらは前作で核が使われ、インパクトというより戦場とは、人の生き死にと捉えて、

派手に金を掛けたかった・・・。何しろメキシコ軍に中国軍、そして世界連合の軍が

メキドの丘に集いて、どうやって戦車がこの中東の地までやってきたのかは、超大型

輸送機でも大量に製造したらしいは、勿論無視して、戦いは始まってしまう。

まぁ、荒唐無稽の戦いも、神の威力で瞬時に反抗する人は死に絶え、そしてサタンは

地中深く閉じ込められ、アメリカやキリスト教的世界平和は保たれる・・・。

という独善的、ラストシーンでめでたし、めでたし・・・。



流浪の民の囁き-オメガコード



http://jp.youtube.com/watch?v=PyljDbkCGxw&feature=related

「オメガコード」 九十九年未公開作


こちらが前作であるが、勿論未見なのでどんな展開になったのか全く

分からないが、アレクサンダ・ストーンが新世紀を前に現れということが

海外サイトのもので少しわかった。

ここらは勿論ミレニアムの「ノストルダムスの大予言」的、世紀末終末論

がはびこった結果、それに便乗した作品・・・。

ただここでもキリスト教原理主義が顕著に表れていて、それなりの人達に

鑑賞され、日本では公開もその後の販売もされていないが、ホームページ

も存在し、報道機関のレビューもあった。

もっともB級という評価が、付き纏ったレビューばかりであるが・・・。

まぁ、どんな酷い映画だったとしても、ある程度その信心がある人々は、見るという

映画もある。あの橋本忍も特定宗教の映画を撮っている。

そしてそれは勿論、一般では受けなくとも、それなりに見る人もいて、そして金も掛

けられる仕組みがあるものだ。

それだけにこの映画も、マイケル・ヨークとかフランコ・ネロとか出ていられる。

そして、まぁ、このキリスト教映画に関連するでないが、ロンドンからのニュースに

少しばかり関心が起こった。


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【ロンドン=大野博人】神は多分いない。よくよするのはやめて人生を楽しもう――。
こんな広告を付けた路線バスが英国各地で走っている。無神論者のグループが

市民から寄金を募って始めた。
発端は同じようにバスを使ったキリスト教団体の広告。
劇作家アリアン・シェリンさんがその広告主のサイトを見たら「キリスト教徒でなけれ

ば永遠に地獄で苦しむ」。
カチンと来て反撃広告のアイデアを新聞のコラムに書いたところ無神論者のグルー

プなどが同調。1人5ポンド(約670円)の募金活動で、予想を超える約14万ポンド

(約1900万円)が集まった。
「無神論バス」は計800台。6日から4週間の予定で運行を続けている。
「多分」とあるのは、断定すると広告規制に引っかかる恐れがあるため。
ビール会社が「多分世界一うまい」とやってクリアしたのにならった。
神に限らず何かが存在しないことを証明するのは基本的に無理という事情もある。
それでも宗教団体は「消費者を欺く広告」と批判。
信心深い運転手の乗車拒否も起き、神の有無がバスの運行に影響し始めている。

朝日新聞 2009年1月24日18時30分
http://www.asahi.com/international/update/0124/TKY200901240121.html
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「キリスト教徒でなかったら、永遠に地獄で苦しむ」

物凄い宣伝だが、上の映画並に最後はキリスト教を信じた「正義が勝つ」

なら、やはり相当の観客を呼べるものなのだろう・・・。


といったところで、またのお越しを・・・。