文明の利器が未発達の時代は、空想好きにすればどんなことでも未知の産物として
物語を作り出せる。創造力が富んだ時代ともとれる前人未到の神秘には、ロマンも冒険心
も疼き、それを活字に活写してあると、読む人にとって自分の脳内妄想に相当な刺激が
入り込む。
さすれば地球や宇宙への「憧れ」も強くなり、それを映像で再現すれば興味津々で客が
押し寄せる。
今のように瞬時に情報が手に入る時代では、そういった未知への憧憬も少なくなったし、
解明していくにつれ、古典文学の「微笑みらしさ」には時代の動きの残酷さも垣間見れる。
今では完全に「子供向け冒険映画」としての存在しかない作品も、当時であれば「あるかも
知れない」いや「あると思います」という人もいそうな「地球空洞説」で、そこには全く別の世界
が拡がっていた・・・。で、人間の探究心が「探検」へと背を押して・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=fIQTjdM9PCA&feature=related
「地底探検」 六十年公開作
原作の小説の時代の雰囲気を醸しながら、苦難の末なぜを解明する。
そこに地質学者やらが加わり、死の原因を突き止めるため、地底への
探検を、そして未知の空間を色々な障害を経た後、たどり着く・・・。
そしてそこが失われた大陸、アトランティスであった。
冒険活劇風味の、少しテンポは現代と違って遅いが、そこがまた味わい深い
もっともどうしても特撮はアラが目立ち、くすくす笑いが漏れてしまう。
とはいえ、公開当時であれば幼い目には、とても輝いて見えてしまう冒険談
は、テイストとして良いものである・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=1yL7MTLCKgo
「地底王国」 七十六年公開作
こちらの原作はエドガー・ライス・バロウズとか言うことで、上の徒歩での冒険
に機械を用いて、より機械文明の恩恵を見せ付けている・・・。
ただ、今では「ハリーポッター」の盗作騒ぎがあったが、物語が似ていようが、
作者の元に届くまで、いやそもそも著作権なる概念も存在したかだろうから、
「アイデア、いただき」でそれに加味して仕上げてしまおう・・・。
というもので「鉄モグラ」なる機械での地底への旅が、機械故障で別の世界を
見つけてしまい、そこは人間が最下層の奴隷として暮らす・・・。
なんかここら、後の「猿の惑星」にもアイデアを取られたか・・・。
この映画を作ったのが、ハマーから枝分かれしたかのアミタスというところで、
あの「ドラキュラ」の博士役がはまったカッシングが、その冷徹な表情でずっこけ
と、少々映画自体が意識しない「お笑い」となっていて、ぬいぐるみ怪獣は出て来
るは、舞台設定が地上変わらなくなるはで、笑いどころ満載である。
ただここでもハマーの伝統は生きていて、目を楽します存在の女性が、飽きた
ころより登場と、分かっていらっしゃる・・・。
これポスターがあったから貼り付けたが、オーストラリア産のものらしい
が未見であるので、どんなものか・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=x4fs_OKzrjA&feature=related
「センター・オブ・ジ・アース」 〇八年公開作
こちらは「地底探検」の原作を、より子供向けにしてスリルと迫力を増して
その上、立体映画として公開したもので見ていて楽しい・・・。
現代的スピードのダレを感じさせないアトラクション・ムービー・・・。
上の立体映画に便乗したものも花盛り。
アルバトロスのものだが、流石に宣伝文句は「煽りたて」がすばらしいが
勿論、映画はグダグダ・・・。
配役もそれなりなのに、一向に地上の物語ばかりで、そこで飽きれば再生
をやめるだろうが、我慢してみていれば、地底らしさの全くない世界に、よぼよぼ
になったピーター・フォンダがいて・・・、これまたグダグダな酋長さん・・・。
ギャラに掛けかけすぎたか、さっぱり盛り上がらずエンド・・・。
流石「アルパトロス」を再認識させる映画。
こちらは「地底探検」と言うより「地底王国」の風味が強い作品で
邦題は「アルバトロス」らしさ満点、どっかにあった評判の映画に
評判の映画の題名をくっつけりゃ見る人もいる・・・。
で、ここに見る人がいて、こうやって書いている。 アホかいな。
こちらは近未来、転送装置とかでドイツに向かうべきところをどう間
違ったか地底六百キロって、そこがまた例のごとく色々な巨大生物
で、送り込まれるのが全員女性で、肌も露わに・・・。
という「地底王国」テイストの倍増版ってなところで、上の「グダグダ」よ
りはそれなりに楽しめる・・・。ただチープはそこはかとなく漂う・・・。
にしても大昔の小説の創作に、それなりの解釈を加えても、やはり
アトラクションとしての作りをする以外、新鮮味はないなぁ・・・。
- 地底探検 ライヴ1975/リック・ウェイクマン
- ¥3,510 といったところで、またのお越しを・・・。