ランキングが強さの証でもない「殴られる男」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

クリンチも反則もなく、己のパンチを信じて戦う男の清清しさは、見ていてこちらまでも

普段のストレスを発散させ、また戦う男の姿が存分に格好良く映る。

そんな試合に反して、一年前かにあった醜い試合とは雲泥の差があったタイトルマッチ

だが、それに難癖をつける記者もいて、なんだかとても古い映画のストーリーを思い出す。

その映画とはハンフリー・ボガードの遺作となった「殴られる男」である。



流浪の民の囁き-殴られる男


http://jp.youtube.com/watch?v=Bp1qWJQ96b8&feature=related

「殴られる男」  五十六年公開作


先日あったフライ級タイトルマッチは、実況のうざさをいれてもベスト・バウトである。

ランキング下位との対戦だから、勝って当然というチャンピオンにすれば、少々ナーバス

になるし、安全運転を心がけたいところを、内藤は持ち前の変則スタイルで果敢に打ち合

いに応じて、また挑戦者山口も挑戦者らしく、前へ前への挑戦者らしいスタイルを貫いて

試合は醜いクリンチもなく、結果はチャンピオンの勝ちになったものだが、どちらにも当たる

パンチによっては、勝負がどちらに転ぶか予想がつかない展開だった。

だけに会場の盛り上がりも、テレビ観戦でも良くわかる好試合だったものだが、ここにそんな

評価が面白くない新聞記者というものがいて、難癖を紙面に躍らせていた。

ので、映画の内容よりは、先ずはそちらを引用。


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08年も王座を守ったが、ジムが「国民の期待」に見合うマッチメークをしているとは言えない。
過去4人の挑戦者のうち、山口も含め3人がWBCランク2ケタの日本人。「ファンの喜ぶ試合が
したい」は内藤の口癖だが、世界の強豪と拳を交えなければ、しらけるお客もいるはずだ。

 一見派手な2連続KO防衛も、実力差をそのまま見せただけ。今後、WBCからは1、2位との
指名試合が2連続で義務づけられた。「1位は絶対に強い。でも体力はまだまだある。おれは
伸びている」。進化を求め続ける34歳が、試練の09年を迎える。(広部憲太郎)
http://www.asahi.com/sports/spo/TKY200812240124.html

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たった一人の記者が「国民」の文字を躍らせ、まるでマッチメイクが失敗でもあるかのような、

試合自体がこの記者に貶される覚えがない素晴らしいものなのに、アサヒる新聞社の腐った

記者には、相当に好評なのが面白くないらしい。

で、この記者、憶測で記事を書くという報道機関とは思えない失態をしている。

「しらける客もいるはず・・・」って、ちゃんと取材しろよと突っ込みを入れたい。


で、映画の内容といえば素人同然の巨人を、マネジャーが裏でこそこそ動いて対戦相手をいい含め

要するに「八百長」なのだが、派手なノックアウトで人気も出て、それにつれランキングも上がり前チャ

ンピオンとの対戦でも勝利を収めてしまう。この前チャンピオンは前の試合の後遺症で軽いパンチで

死亡してしまう。そうなると観客にとっても後はタイトルマッチへの挑戦が・・・。

主演のハンフリー・ボガードは、ジャーナリストとして、このボクサーのロッド・スタイガー演じるマネジ

ャーに取上げてくれるように頼み込これ、へたれなボクサーと気付いても、それに加担してしまう。

そしていよいよタイトルマッチとなって、このへたれな巨人が母親の言に対戦を拒否すると、今までの

経過を喋り、それでも大金のために試合をと嗾ける。

勿論、出来損ないの促成栽培ボクサーが「八百長」以外で勝てるはずもなく、負けてしまうのだが、

そのファイト・マネーは微々たるもので、ここでジャーナリストのボギーが義憤に駆られ、興行のボス

と交渉するも埒があかず、ペンの力で公表して、その金をへたれに渡して・・・。

と、最終的にはボギーの独特の斜に構えた正義感が出てと、程度問題だがジャーナリストらしさで終る

というもの。

ラストはそれらしくだが、それまでの道程は外道に加担してのペンと、架空の強打者を作り上げていく。

ここらに今の世の中でも、いや日本でも同じような道程でのし上がってきた者が思い浮かぶのだが、

ランキング上位と下位とでのボクサーの質は、それ程差はないのが現状だ。

マッチメイクによれば、いやジムの規模とか有力なバックによっては、買うといっていいランキングも存在

してしまい、実力的に合っているかは甚だ疑問で、この腐れ記者みたいな記事を書かれると、折角の好試

合が貶されているようで憤慨してしまう。

と、頭に浮かぶのは同じフライ級での失態を演じているボクサーを念頭に、同じタイトルマッチでの雲泥の差

を、この記者は霞みがかかって、比較出来ないのかと・・・。

憤慨したままでは、気分が悪いのでよーつべにあった架空の対戦ものを・・・。


http://jp.youtube.com/watch?v=7XKcGRREcaM&feature=related

「カシアス・クレイ対ロッキー・マルシアーノ」


こういった動画は、架空でも面白い。

実際、全盛期に対戦した場合、どちらが強かったか・・・。

殴られる男 (コロンビア・プレミアム・セレクション)
¥2,691                      といったところで、またのお越しを・・・。