取らぬ狸の皮算用「マッケンナの黄金」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

今、アメリカでは「私達は出来る」の合言葉で、変な具合に盛り上がっている。

この勢いがいつまで続くかと思うと、エントリー表題のような言葉も思い出し、

その人々の欲望の様をあざ笑うかのような映画も思い出した・・・。

「マッケンナの黄金」という、少し変わった西部劇である。



マッケンナの黄金


http://jp.youtube.com/watch?v=n6GBgs2F5no&feature=related

「マッケンナの黄金」 六十九年公開作


この映画、大画面だからこそ映える「グランドキャニオン」の遠景からスタートする。

そのカメラ目線が「禿げたか」の目線に、暗示が篭って出だしから、スケールもそして

その雄大な自然の中で、醜い人間の争いを絡め、だがその人間の小さな欲望など、

自然の脅威には太刀打ち出来ない事柄であり、欲に目が行っている人間は、誰も信用

しないし、独り占めが頭から離れない。

特撮もあるという西部劇らしからぬものだが、これが大変面白い・・・。

主人公の保安官をグレゴリー・ペック、悪党をオマ・シェリフ、騎兵隊崩れをテリー・サバラス

と役者は揃い、ネイティブ・アメリカンの伝説の「黄金の谷」を目指して・・・。

西部劇の対立、そこに冒険が絡み、そして裏切り・仲間割れ、その上に天変地異と、スペクタル

もありで、結局の教訓は「取らぬ狸の皮算用」、欲望からは何も生まれない・・・。

監督は「ナバロンの要塞」の人、戦争映画の特撮では、あの巨砲の迫力と人間のちっぽけ争い

で、その艦船を悩ます巨砲も、あっけなく海の藻屑に成り果てると、娯楽映画の根底にある示唆

をそれとなく描くのは見事で、今回もありていに言えば、「人間なんて、人間の欲望なんて、自然

の天変地異には抗し切れない・・・。

今現在で、この映画を見てしまうと、特撮の苦労が理解出来て微笑んでしまうが、ない技術を駆

使してそれらしく見せる姿勢には、頭が下がる。

まぁ、この映画が後に「インディ・ジョーンズ」への影響となれば、連綿と続くアメリカ映画の底力

となりそうだ。


で、今新大統領に熱狂している人々が、昔みたいなパワーを発揮して世界のリーダーとして、再登

場してくるか・・・、減退激しいハリウッドが盛り返すか・・・、眺めるのは楽しいかも・・・。

マッケンナの黄金 (コロンビア・プレミアム・セレクション)
¥2,691
                                といったところで、またのお越しを・・・。