きな臭い世界、現実味を感じる映画「宣戦布告」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き


政治指導者の健康問題から、混乱が予想されれば軍部の暴発も予測のうちに

上がる状態を迎える国が近隣にあり、それへの備えの点からもリアル・シュミレ

ーションとして書かれたのが「宣戦布告」で、それを元にした映画が同名のものである。



宣戦布告



http://www.youtube.com/watch?v=3hss6kiyvaM

「宣戦布告」 〇二年公開作


この潜水艦から上陸する兵士が、架空の国となっているが、勿論それは

近隣の某国を想定して、シビリアン・コントロールと現場の緊迫感を描いた

映画は、リアル・シュミレーションで、この日本の有事法制の惨憺たる現状に

警鐘を鳴らすものとなっている。

時、折りしも不審潜水艦の「領海侵犯」の報道に接すれば、無防備な海岸線

とか、あまりにも危機意識のなさが露わになってくる。


領海侵犯


何しろ潜水艦が潜望鏡を上げる行為は、極秘な行動をあからさまにする相手を

なめている態度と映るものだ。

それを実際されて、領海から出て行ったから捜索中止で、「不審艦」現るで、以後の

警戒も通常に戻るでは、あまりにも危機意識が・・・。

と、現状の日本では、これ以上のことをさせない勢力が存在し、ままならない。

しかし刻々と変わる情勢は、そんな「お花畑」では、乗り切れないかも・・・。


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★北朝鮮、飢餓で軍“暴発”危機?!  脱走者や盗みは日常化…餓死者も

 北朝鮮建国60周年の記念日に正規軍の閲兵式が中止されたのは金正日総書記(66)の
病状に加え、別の原因が浮上している。飢餓により軍内部に暴発の危機が高まり、
取り止めを決めたというのだ。軍の脱走が日常化しているうえ、北内部で取材する
季刊誌「リムジンガン」の記者はホームレスの子供があふれ、軍需工場地区にも
餓死者が出た深刻な現状を伝える。北が直面する本当の危機とは。

 「朝鮮人民軍の食糧庫が底を尽き、大量の餓死者が出るかもしれないとのウワサが広まった」。
韓国の朝鮮日報は脱北した元軍人の話としてこう報じた。
 昨年の洪水で穀倉地帯が打撃を受けたうえ、穀物の国際的急騰で中国からの流入が激減。
食糧難は軍への配給にも現れ、脱走兵や盗みが日常化し、
同紙は「若い軍人の体制不満は想像以上で、組織が瓦解しかねないレベル」と分析する。
 閲兵式に召集された兵士は本来米飯や肉のスープが下賜されるはずが、トウモロコシすら
支給できず「軍人らの不満は爆発寸前」(同紙)で、軍が正規軍パレードの中止を内部決定した
可能性があるという。
 北に潜伏する北朝鮮人記者と連携し北の内情を伝える「リムジンガン」を発行する石丸次郎氏は
「記者の最新報告では(ホームレスの子供たち)『コチェビ』が街にあふれ、
軍は各地で軍糧米を強引にかき集めている。想像以上に食糧不足が深刻だ」と語る。
 記者が食糧危機の引き金に挙げるのが2月に出された「人民は7月までに各自ジャガイモを植え、
配給に頼るな」との指示文書だ。北は韓国の李明博政権との敵対姿勢を打ち出しているが、
文書は「韓国の支援なしにはしのげない」とのメッセージとして住民らに広まり、
米価格は1.5倍以上に跳ね上がった。
 平壌郊外の軍需工場地域で、高齢者の間に真っ先に餓死者が出始めた。
軍需工場では配給が優先的に回されるが、秘密保持のため、闇市場に出向いて
食糧調達するのが難しいためだ。
 この時期、「人々に鳥インフルエンザが流行している」とのウワサも広まった。
高熱や下痢の症状が出て死亡にもつながる原因不明の伝染病が一部で流行。
鳥インフルの人対人の伝染の恐れは極めて低いが、医師が「鳥インフルで死亡率は50%」との
診断を下し、パニックに拍車を掛けた。
 今回の食糧危機を石丸氏は「人災」とした上で、権力と結び付いて穀物市場を牛耳る
特権商人の暗躍を指摘する。価格操作ができるほど肥大化した特権商人が2月の文書を
商機とみて穀物を買い占め、売り惜しみに走ったことで穀物流通の“動脈硬化”が起こり、
市場にパニックを引き起こしたという。五輪期間中に中国が中朝国境の密貿易の取り締まりを
強化したことがさらに市場を萎縮させた。
 石丸氏は「金総書記が倒れたことは北内部にも伝わっている。
食糧不足に加えて神格化してきた金総書記がただの老人だった事実が明らかになったことで、
体制に対する動揺が加速しかねない」と分析している。

http://www.zakzak.co.jp/top/200809/t2008091802_all.html
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と、近隣の悲惨な状況を報じられれば、軍部独走もあるやも知れぬ。

そしてその時、有事法制の整備がない日本は・・・。

まさか、憲法九条を守っていれば攻め込まれないと、あのアフガニスタンの日本人が

凶弾に倒れているにもかかわらず、人身の犠牲がなければ危険な国があり、無防備

では防ぎきれない事柄が特に「お題目」を唱えていても、相手はその言葉も理解出来ず、

「殺せ」の指令が出れば、躊躇なくその指令に従って、殺傷してくる・・・。

それを「茶」を飲み、「カップラーメン」「せんべい」「日本酒」で、防げるものでは

ないのは、誰でもわかる・・・。



お茶

こちらが自国の憲法をいくら守っていようが、相手には相手の法律があり、

その意図する指令には逆らえないのは、自国の法律を守るという国民の

義務である。

「無防備」な人々は、こういった有事の場合、真っ先に前線に立ち、信条と

する精神をもって、これに当たる覚悟があるのだろう。

で、なかったら「お題目」を唱えて、救われる心は肉体が亡くなっても生き

続ける「宗教」の神になってしまう。

現人神を否定して、唱える現人神、とても正常な精神ではいられない・・・。


この映画も、「軍部礼賛」とか左翼市民団体が批判して、二年の月日を過ぎて

公開された。そして六十三年前の「靖国」には、賛同して公開を推し進める

左翼市民団体、それが憲法九条を守る・・・。

そういった人こそ、見るべき映画はこの「宣戦布告」であり、この国がいかに

他国からの攻撃に脆いかを知るべき・・・。

博愛主義者は、自分の近親者が犠牲になった時、どう行動するだろう・・・。

そういった欺瞞をもつ人々が跋扈し、自衛が疎かになれば、悲劇を身近な

ものがこうむる危機が、そこにころがっている警告としては、優れた映画である。

映画自体はそれ程、脚本が練れているわけでもなく、不自然な点もあるが、警告

という観点から、「平和」は緊張の上にあるを自覚させる。


古谷一行/宣戦布告
¥5,460                      といったところで、またのお越しを・・・。