神秘と程遠い言い伝え「エーゲ海の伝説」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

エーゲ海と聞けば、 神秘的な海と色と共にたおやかな印象が浮かんでくるのは、

広告宣伝の影響が大きいのか。

で、あちらにも古くからの言い伝え、ギリシャ神話という伝統的なものがあり、それを

冠された映画となれば、それなりの期待をもって誰でも見るものだろう・・・。

しかるにな映画があった・・・。




bloodtide


http://jp.youtube.com/watch?v=foiTjCC1BR8

「エーゲ海の伝説」  八十二年公開 日本未公開


この映画は、ビデオテープが販売され、カルト的少数意見を反映させるレンタル店で

借りて見たもの。

そもそもは画像にもジェームズ・アール・ジョーンズが出演している。

そして神秘的言い伝えによる奇習の行なわれる離れ島、リゾートで著名なエーゲ海で

行なわれる祭りと、興味をそそる、そして注目していた出演者で借りたもの・・・。

ジェームズ・アール・ジョーンズとくれば「ボクサー」で、黒人初のヘビー級チャンピオン

の史実を元にした映画の主役である。

このチャンピオン役を好演して、注目していた俳優・・・。

もっともこのチャンピオンの物語が印象に残ったからの方が強い。

原題を「出てこいや、白人の希望」と、直訳するとなる題名で、チャンピオンの人種差別

に対する哀しみと、ボロボロになって行く波乱に満ちた半生と、心に沁みる映画・・・。

で、話をこちらに戻せば・・・。

島の伝統、日本でいうところの「人身御供」、勿論ここらには処女という穢れなき女人で

なければ、その適性がないと、どこでも転がっている奇習としての邪悪な怪物に対する

畏怖をことさらもったいぶって描くと、こうもぐだぐだになるという典型の映画。

というか余程予算がなかったのか、怪物を作り出せないで人身御供の場面ばかり、いや

それにリゾートにくれば、羽目を外す旅行者達と、にひっと鼻の下が伸びる場面用意と

娯楽と風習の怖さをミックスして、笑いを取るという今でいう意図しない反響を狙ったでも

ない最低映画・・・、ジェームスもフライという研究者・・・、粗暴なチャンピオンが理知的な

研究者とは・・・、どこかやはり無理がありあり、そしてついに被害者はぎたぎたにされるが

海の鍾乳洞と共に、ダイナマイトで爆発して憤死してしまった・・・。

ただ出だしは、もうギリシャ神話でも何でも、白いネグリジェみたいな透ける服をまとった御

供が舟に乗せられ、口には硬貨を咥えさせられと、期待をもたせる上々の滑り出し・・・。

そして見終わった時、「時間の無駄」という感想が出てくる。

いにしえの怪物は、修道院に密かに飾られる男根を勃起させた怪物、その怒りを静めるため

には処女の「いけにえ」と、本当かいなの人身御供物語・・・。

これが製作されたのが八十年代、脚本と演出を工夫すれば、一級のホラーとなるかもの素材

となりそうなのに残念・・・。

エーゲ海・猫たち楽園の島々
¥1,998
Amazon.co.jp                 エーゲ海とくれば、やはり青い空と海、そして
                         のんびりと暮らす猫?。
                         といったところで、またのお越しを・・・。