権力となったマスコミの恐ろしさ「アトミック・カフェ」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

ドキュメンタリーの膨大な記録映像を丹念にまとめて、一本のドキュメンタリー

映画にしたためたのが、この「アトミック・カフェ」である。

題名だ分かる通り、原爆についての記録映像だけを繋げて、それにまつわる音

楽をバックにした画期的なものである。



アトミック

http://jp.youtube.com/watch?v=g-DeHE1V-uk

「アトミック・カフェ」  八十三年公開作


記録映像は、最初の原爆実験から大戦の広島・長崎の映像も挿入され、この画像の

当時の放射能に無知な行動を取らせる「放射能と兵隊耐性」なるものまで、それが記

録映像の事実が、見ているものを辛くさせる。

そしてこの原爆についてのマスコミの取上げ方もまた、ニュース映像に如実に記され

ていて、キノコ雲の空恐ろしい映像にマスコミの時の体制を褒め称えるかのような言動

には、キノコ雲が消えても、正義面して大衆を騙すのに強力な武器であったマスコミの

姿を観客に強烈に訴えている。

にしても、この画像の兵士達は「モルモット」であったが、後に分かるのだが、当時のア

メリカの空恐ろしい殺戮兵器に対する世論形勢をリードしたマスコミは、ベトナム戦争の

頃には、風見鶏ぶりを発揮して、反戦へと論調を変えていくのだから、今で言う「モンスタ

ー何々」は、マスコミの得体の知れない「風見鶏」ぶりそのものなのだろう。

にしても、バックの音楽の被爆国・日本の観客には、平静でいられなく歌詞はひどいもの

で、当時のアメリカ庶民の意識は、この程度で劣悪なものであったになる。

まぁ、それを繋ぎ合わせて映画にしたためたのもアメリカ人となると、反戦・平和を唱えて

「九条」を守っていれば平和でいられる「お花畑」な日本の平和団体と称する人々よりは

現実的な鋭い目を向ける人もアメリカにはいるとなるが、それでもアメリカは軍需産業が

健在で、どこぞの紛争には必ず顔を出し、それでいて何ら解決を見ないところをみると、

紛争が終ってしまっては、産業衰退が起こるのは避けたいとも取れるものである。

それにしてもキノコ雲のうわっと広がってくる様は、いつ見ても尻がむずむずしてきてしま

って、「渚にて」みたいな終末観を想起させてしまう。

アトミック カフェ
¥3,591                     といったところで、またのお越しを・・・。