熱帯夜を気持ち良く過ごすには・・・「怪談」 | 流浪の民の囁き

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映画を通した過去・現在・未来について、なぐり書き

日本の気候や気質を考えると、「死霊のはらわた」みたいな悪霊よりは、

やはり女の執念とか、怨念の「たたり」とかの物語の方が、どことなく

暑さをしのぐ夜には、蚊取り線香の匂いと「怪談話」の方がしっくり

来る気がする・・・。




四谷


で、例によって再掲載文ですので、悪しからず・・・。


日本には独特の怪談話が多い。
それらのほとんどが、女性の怨念・復讐から発していて、
暑く寝苦しい熱帯夜には、涼を求める気分に冷や水を
ぶっ掛ける作用をし、背筋まで寒くなる・・・。
怪談話で、日本で一番有名なのは、やはり「四谷怪談」を
おいてないだろう。
http://www.youtube.com/watch?v=PrTs_YEyhSQ
鶴屋南北「東海道、四谷怪談」パート一

http://www.youtube.com/watch?v=JLIPZm7-GwE
鶴屋南北「東海道、四谷怪談」パートニ
数多い「四谷怪談でも、この天地茂主演の映画が、特に
筋立ても良く、女の情念の凄まじさを伝えている。
これを見た当時、布団に潜っても下から出てきそう、天井
に向けば、上から落ちてきそうで朝が待ち遠しかった。

http://jp.youtube.com/watch?v=D6vCcdEo41o&feature=related

六十五年公開の「怪談」小泉八雲原作のオムニバス四話
からなる映画、小泉八雲の「怪談」は、怖さでなく心にある
いろいろな情を、具現化したものが多い。

http://www.youtube.com/watch?v=mHcWv9i33ZI
「黒髪」

http://www.youtube.com/watch?v=uX5C2MrpBbo
「雪女」

http://www.youtube.com/watch?v=tsxo3pFpBYI
「耳なし芳一」
ここに三話をリンクしたが、伝奇ものの妖しい雰囲気も良く
表現されているし、さりげなく諭す趣きも感じられる。
昨今の「ホラー映画」とは、一線を画す日本の怪談映画だ
と思うが・・。
「怪談」物につきものといえば、音楽も忘れてならない。
心理をつくような音、胸がざわめく音楽にはより恐怖感が
増すものだ。
そして「四谷怪談」の怖さは、毒を盛られる前までの克明な
やりとりが恨みを買っても仕方ないと観客に納得されるから、
より「お岩」びいきになり、心の内底で怖いと思いながら、
一方で「ざまぁみろ」の感情も湧いてくる。
そして努々、不正や裏切りはしまいと思わせる・・・。
古典的教育だが、今欠けているのはこれって気もする。
暑い日々が続くが、こんな古典的涼の取り方もいいのでは
ないだろうか。

東海道四谷怪談
¥3,591
Amazon.co.jp             と、再び手を抜いたエントリーになりました。

                           といったところで、またのお越しを・・・。