マカロニ・ウェスタンの曲を、「今日の一曲」にしていると、どうしてもそちらの
映画ものに関心が行ってしまうが、これまでも書いて来たように思うので
あるが、この名パイプレイヤーの教師と生徒の間柄、昔風な師弟という
もののラストは対決を用意して、それなりに魅せた?のが、この「怒りの
荒野」ではないだろうか・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=0pCmeTCeFXo&feature=related
「怒りの荒野」 六十七年公開作
これは「夕陽のガンマン」で主役を食う演技をした
強力な脇役リー・バン・クリーフの映画である。
勿論主役はジュリアーノ・ジェンマなのだが、クリーフが
いなければ、その存在感も怪しくなるくらい格が違っている。
悪役顔のクリーフなればの悪役ぷりは、憎憎しくて素晴らしい。
そして師匠と弟子の役どころにしているから、「ガンマン十戒」
なる格言を体感させいくくだりは、厳しい親と甘ったれ倅のようだ。
もっとも「夕陽のガンマン」の役どころの復讐に燃える大佐役と違い
こちらはラストシーンで、主役を立てる演技を取り入れ、ジェンマに
も非情のニヒルさを際立たせている。
甘いマスクの男を脇役がサポートし、際立たせるのは「夕陽のガンマ
ン」も、その類といえばその通りだ。
だけにクリーフの主役の食いっぷりが際立つし、印象に残る。
クリント・イーストウッドがアメリカに戻り「ダーティ・ハリー」
を演じて好評を得るが、もうマカロニで出来上がったイメージの延長
だから、すんなり演技が出来、以後もマカロニの経験が大いに活きた
のではないか。
片やジェンマは、これの競演を経てもそれ以上の伸びも見せず、
たいした映画に出ていない。
折角こんな素晴らしいバイプレヤーとの競演を経ているのだから、
それなりに・・。これは個人の資質の問題か・・。
それにしてもクリーフはこの時、四十二歳である。
それが酸いも甘いも噛み分けた初老の男を、見事に・・。
どんな人生を送ると・・、それにしても脚本が破綻だ、演出が
いまいちだを、脇の演技で解消するって、凄い・・。
もしこれがクリーフでなかったら、恐ろしく退屈な映画になっていた
だろうことは、想像できる。
だから傑作なのだ・・。
文句ないよね?
と、再掲載文でありました・・・。
この映画の「ガンマン十か条」は強烈だった・・・。
そしてやがてマカロニ・ウェスタンも下火になりつつとなっても、この名
パイプレイヤーは、悪役の悪役だけの映画なんてのも、出ていた・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=eDhfvnIUs2g&feature=related
「西部悪人伝」 六十九年公開作
この邦題は、丁度「任侠映画」の真似事みたいで、原題とはまっさか
あっていないが、この邦題でポスターにリーバン・クリーフの顔となれば
映画館に足を運んでしまう・・・。
もっとも見終われば、がっかり何だが・・・。
にしてもこの拳銃音は、いいねぇ・・・。
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- Amazon.co.jp といったところで、またのお越しを・・・。