ロード・ムービーという範疇に入る映画は、旅を通じた人との係わり合いから心の成長や
様々な出来事を通して学んでいく過程が良く分かり、また旅の厳しさや見知らぬ他人の優
しさに触れて、より人間や自然を深く心で感じることが出来る。
そんなロード・ムービーにこの映画も入るだろうが、この映画の原作を書いたのがゲバラと
いうことで、よりこの後のゲバラの生き方に、旅の啓蒙が影響したか・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=ir62R4mSvNQ
「モーターサイクル・ダイアリーズ」 〇四年公開作
医大生と年上の友人でのあてどないバイクでの旅。
これがゲバラでなくとも、それなりの映画の題材になるのは、「イージー・ライダー」
で実証済みだが、こちらはアメリカと違い一台のバイクに相乗りの旅。
それも金もないと若者の無鉄砲な計画、と言いつつゲバラは二十三で友人は二十九
である。もう若者でも青年から少し外れかかった年代だからか、旅先のハンセン病の
場面なんかでは、医師の知識が生きて、感染することもないから素手で感染者の手を
握り、その当時の迷信・世間の常識を打ち破れば、一挙に崇められる存在となり、それを
いいことに知恵を働かせ新聞社に売り込み、旅の資金の目途をつける。というお茶目であ
るが、旅の資金捻出の妙を見せたりもするが、旅先で目にする貧困に、自分の理想主義が
どんどん芽生えてくる。もっともいちいちそれらの政治的意図はないと断わりを入れたものが
最初に来て、映画制作者はゲバラでなくとも、一般の名もなき人でも、旅の出来事から憤懣
や欺瞞を時の政府に感じるものであると、ゲバラも青年期の旅で感じたものは、見ている人でも
感じることが出来る不公平な世界を映像にしたためている。
ここらは監修をしたロバート・レッドフォードの普遍的若者像をゲバラに重ね合わせている。
南米の美しい景色とオンボロバイクという組み合わせは、これをそのまま日本に持ってきても
そこはかとない感傷や感動を違和感なく映像化出来るものであろう。
http://www.youtube.com/watch?v=-_g3BegC67w
「チェ・ゲバラ」
http://www.youtube.com/watch?v=3YSfQQhCIzw&feature=related
で、ついでにリンクしたのは、もろキューバ革命からボリビアと革命戦士としての奮迅の働きの後
反体制の末路までを映像化したもので、映画だと思うのだが知らない。
そういえばソダバーグ監督が「ゲバラ」を撮るという話題を耳にしたが・・・。
この「モーターサイクル・・・」は、人物がゲバラでなくとも、ロード・ムービーとしての急所を押さえ
見ていて楽しいものである。
ここで旅が一人でなく二人というところに、なんとも妙に感じる。
男二人といえば「真夜中のカーボーイ」「スケアクロウ」とあり、旅の途中のあるいはバスの中の男
同士の触れ合いは、なんとも儚さと脆さを映像化しているようで・・・。
この映画では、旅の後それぞの道へと・・・。
この後、再びゲバラは放浪の旅に出て、医師としてグァテマラが運命を変える出会いと・・・。
後は「革命」の理想に燃え・・・。
今日の一曲にリンクした「サークル・ゲーム」は映画「いちご白書」の主題歌で、当時の学生はどこでも
「ゲバラ」の写真ポスターを部屋に飾っていたのを、懐かしく思い出す・・・。
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